Yuming Chord
松任谷由実
2020.04.10.O.A
♪Onair Digest♪
今週も先週に引き続き、宇宙飛行士の山崎直子さんをゲストにお迎えしてお話を伺いました。
コードは「新年度スペシャル対談!〜懐かしい宇宙〜」。
山崎さんに、実際に宇宙に行って変わった人生観などをお聞きしました。


■今週のChordは“新年度スペシャル対談!〜懐かしい宇宙〜”

m1 不思議な体験
松任谷 由実





●人生観の変化
ユーミン:宇宙へ行くと人生観が変わるってよく聴きますが、山崎さん自身、何が大きく変わりましたか?

山崎:宇宙に行く前は宇宙が憧れの場所だとずっと思ってきたんですけれども、実際に宇宙に行ってみると、むしろ地球の方が青く輝いて憧れの場所に思えるようになりました。

ユーミン:宇宙飛行士に認定されてから、実際に宇宙へ飛び立つまで、なんと11年という時間が流れているということなんですけど。この間は、どんなことをして過ごされるんですか?

山崎:実際には訓練ばかりを100%やっているわけではなくて、7割くらいは先輩のサポートだとか地上業務なんですね。
先輩が宇宙にいるときに地上から管制・音声の通信をおこなったり、先輩が使う手順書を地上で一言一句間違いがないかチェックしていたりとか、そういった地道な作業の方が多くあります。
その合間をぬって訓練を重ねながら、自分が宇宙に行く日を待つという日々が続いていきます。

ユーミン:実際に搭乗される前に、何週間かご家族で過ごす時間を与えられるって聞いたことがあるんですけれど。

山崎:そうですね。宇宙に実際に行く一週間前から我々隔離施設に入ります。そうなると子供とは会えなくて、大人の家族とは一緒にご飯を食べたりすることもできるんですが、隔離になってしまうんですね。その前はね、家族での時間を思い出を作る時間というものがありました。

ユーミン:山崎さんご自身がいよいよ打ち上げの直前、その瞬間に思われたのはどんなことですか?

山崎:その瞬間は、“いよいよだな”と怖さとかは逆になくなるんです、本人は。もうこれだけ11年間訓練して、しかも訓練の9割がたは非常時の対応で。サバイバル訓練、雪の上、海の上、水の中、いろんなところで万が一のことばっかりの対処をやっていると、不思議と怖くはなくなるので、“とにかく早く行きたい”という気持ちに逆になっちゃいますね。

ユーミン:打ち上げが成功してミッションもクリアして、先週は宇宙での生活についていろいろ伺いましたけど、いよいよ帰還するときっていうのは、どんな気持ちになりましたか?

山崎:帰還するときは、家族に会えるというのはすごく嬉しくて、でも宇宙から離れるというのはすごく寂しくて。ちょっと泣きましたね、私もね。

ユーミン:離れるときに泣かれたんですか。普通に考えるのと、真逆ですね。飛び立つときは、“行ってやるぞ!”という感じで、“地球さよなら”ではなく。
戻るときに“宇宙が懐かしい”っていうのは、“宇宙が恋しい”っていうのは真逆なところがとてもリアルです。

山崎さんが選んだユーミンの曲は「不思議な体験」

ユーミン:山崎さん、この曲はどうして選んでくださったんですか?

山崎:この曲は私が中学生の時に、テレビのコマーシャルでもよく聴いていた曲で、かわいい宇宙ロボットが出てくるんですよね。それが本当に大好きでした。

ユーミン:山崎さんが宇宙に具体的に憧れる時期、リンクしてたわけですね。

山崎:宇宙飛行士っていうのを意識しだした頃に、ちょうどこの広大な広さと宇宙ロボットが出てきて、この不思議な体験の曲を聴いて、本当に想いをはせていました。


m2 Save Our Ship
松任谷 由実




●当たり前がありがたい
ユーミン:実は、私は12年ほど前に、1969年にアポロ11号の着陸船パイロットとして月面に降りたったバズ・オルドリンさんにインタビューしたことがあるんですが、彼は、帰還した後に人生が一変して、さまざまなご苦労があったと聞きました。
山崎さんはいかがでしたか?

山崎:私はそこまで人生がガラッと変わったというわけではないんですけれども、今まで宇宙が憧れだったんですけど、宇宙から地球に戻ってきて、“地球が憧れ”という形に思えるように、視点が逆転するような感覚でした。
帰ってきた時の“そよ風、緑の香り、身の回りに当たり前のように見えているこの自然だとかが当たり前じゃないんだな、ありがたいんだな”って思うようになりました。

ユーミン:今ね、こういう時代になってしまって、それに気づく人も本当に多いんじゃないかなと思うんです。私自身も、当たり前であることがなんてありがたいんだって思えるし、人によってはこの体験を世界史に残るような、世界中で同じ体験をしていることで人類が違うフェーズに入っていくきっかけになるんじゃないかなってすごく思うんですけどね。

山崎:本当ですね。当たり前のことはありがたいことだって皆さんが感じてくれることで、何か成熟していきそうな気もしますね。




「新年度スペシャル対談!〜懐かしい宇宙〜」というコードで、
宇宙飛行士の山崎直子さんをゲストにお迎えしてお話をうかがってきましたが、本当に説得力がありました。

この4月、新たな生活が始まる方は、目の前のことでいっぱいになってしまうこともあると思いますが、時々、宇宙的観点で自分自身を俯瞰して見てください。
夢を失うことなく、情熱の炎を絶やさず、力強い一歩を、踏み出せますように。

そして、今日は、「Save Our Ship」「不思議な体験」をお送りしましたけれど、ほかにも、宇宙に想いをはせて作った宇宙ソングが色々あります。

私のこれまでの全作品が、主要配信サイトにて配信されていますので、ぜひ、聴いてみてください。
私自身が選んだプレイリスト、「ユーミンからの、春のうた」も配信中です。

そのほか、今後のスケジュールや最新情報、近況は私のオフィシャルサイトや、FacebookTwitterInstagramを、チェックしてくださいね。



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