Yuming Chord
松任谷由実
2020.07.03.O.A
♪Onair Digest♪
食事って、食べものを口に運んで食べるだけにあらず、なんですよね。
テーブルセッティングも、料理を盛る食器も、そこでの会話も、すべてを味わうもの。もちろん、その空間を満たす音楽も、大事!
と、いうわけで今日のコードは「ご飯が美味しくなる音楽」です。


■今週のChordは“ご飯が美味しくなる音楽”

m1 愛しい君との愛しい時間
アンリ・サルヴァドール

お送りしているのは、松任谷家のダイニングBGM、アンリ・サルヴァドールで「愛しい君との愛しい時間」。
70年以上のキャリアをもつアンリは、フランス領ギアナ生まれ。
両親はカリブ海に浮かぶ島の出身で、特にカリブ族の血をひくという母から受け継いだラテンフレーバーと、フランス移住で身に着けた洗練を見事に融合させました。
ジャズ、ソウル、ラテン、ボサノバ、シャンソンなど、さまざまなジャンルの楽曲を歌いつつ、その滋味豊かな歌声で、世界中のファンを魅了してきました。
アントニオ・カルロス・ジョビンに影響を与え、ボサノバの誕生に貢献したともいわれています。

そんな、私の大好きな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
気づけば7月!今年は季節の歩みが速いのか、それともゆっくりなのか、ちょっとせつない気持ちになってしまいますが、すこやかにお過ごしでしょうか?
私も新しい生活様式にのっとって過ごしつつ、少しずつ動き出しています。
スタジオに来ることにも慣れてきて、この間は、松任谷さんと待ち合わせをして、仕事帰りに行きつけのお寿司屋さんに出かけてきました。
久しぶりの外食で、もちろんそのお店も久しぶり。
カウンターに座ってお寿司をつまみつつ、感慨深いものがありました。

この番組でもよくお話してきましたけど、食事の演出には、こだわる私。
STAY HOME期間中はいつもより余計に、気を配っていたかもしれません。BGM選びも、職業柄、はずしたくないですよね。

ちなみに、ちょっと高級なお蕎麦屋さんって、ジャズをかけているお店が多いと思いません?

実は、お店のBGMを手がけるUSENには、ジャンルごとに色々なプレイリストがあって、お蕎麦屋さんやお寿司屋さん、高級日本食のお店向けに「美食空間向けジャズ」っていうのがあるそうです。
冷蔵庫や空調などの雑音を中和しながら食事の邪魔をしない、というコンセプトで、「モダンジャズの、モード時代の手前、50年代以前に録音されたピアノのソロ演奏」をベースに、時折、ギターのソロ演奏をはさんで変化をつけているんですって。今度、注意して聴いてみよう!
実は、食の心理学ともいうべき「ガストロフィジクス」という研究分野があるんですって。
チャールズ・スペンスさんという、「ガストロフィジクス」の権威によれば、ワインショップでフランス音楽をかけると、フランスワインが売れ、ドイツ音楽をかければドイツワインが売れる。
聴きながら食べると、特定の味覚を際立たせる曲がある。
例えば甘さを演出したいなら、サンサーンスの組曲「動物の謝肉祭」の「雌鶏と雄鶏」、赤ワインの深みを際立たせたいなら、カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」、プッチーニの「トゥーランドット」第三幕の「誰も寝てはならぬ」がよいそうです。
クラシックをかけると、お財布の紐がゆるんでそのお店で使う金額が高くなるし、滞在時間も延びる。テンポが速い音楽をかけると、食べるスピードも、お客さんの回転も速くなる。
そんな研究結果があるらしいです。
興味がある方は、チャールズ・スペンスさんの本、『「おいしさ」の錯覚 最新科学でわかった、美味の真実』、読んでみてください!

ではここでもう1曲、私が選んだ「ご飯が美味しくなる音楽」を。


m2 Don't Know Why
Norah Jones

ここからは、「Yuming's Private Library A to Z」。
私の自宅にあるCDライブラリーから、アルファベット順にピックアップしてお送りしています。

今週は「I」の棚から、「Ivy」を選んでみました。

ファウンテインズ・オブ・ウェインのアダム・シュレシンジャーと、タヒチ80のプロデューサー、アンディ・チェイス、そしてフランス人女性、ドミニク・デュランの3人から成る、NYを拠点 に活動するポップ・バンドです。
1998年にアルバム『アパートメント・ライフ』をリリースし、収録曲「This Is The Day」「I Get The Message」の2曲が、キャメロン・ディアスがヒロインを演じた映画『メリーに首ったけ』で使われて、話題になりました。

そして、今日選んだのは、2005年にリリースされたアルバム、『In the Clear』に収録されている1曲、「Keep Moving」です。


m3 Keep Moving
Ivy

「Yumin's Private Library A to Z」、今日は「I」のコーナーから選んだ1曲、Ivyで「Keep Moving」でした。
次回は、「J」の棚からお送りします!

続いては、「今こそ聴きたい、ユーミンSONG」リクエスト。
新しい生活様式と言われても、そう簡単に気持ちは切り替えられない。
そんなあなたに、心をゆるめる1曲を。そんな想いをこめて、リクエストにおこたえしています。

今日は、静岡県のラジオネーム<心は永遠の乙女>さんからのメッセージから、ご紹介しますね。

静岡県 ラジオネーム<心は永遠の乙女>さん
この時期になると必ず聴く曲があります。それは「July」です。
7月の朝の公園の風景を謳ったこの曲は、浮かぶ情景に心を癒されながらも、「この世界でひとりだけの この生命で一度きりの私・・・」という歌詞のところでこの世の儚さを感じ、ひとり涙を流してしまうのです。
脳のなかで現実逃避するのが大好きな私は、ユーミンの曲の世界に入りこむことで気持ちが浄化され、まっさらな心で現実に戻ることができるのです。
楽しい時、悲しい時、どんな時でもユーミンの曲の世界で生きてきました。これからもずっと・・・。
この世の美しさと儚さを謳った「July」をリクエストします。
今は色々と不自由なことが多い現実ですが、ユーミンの曲に癒されながら毎日を過ごしていきます。
ユーミンも体に気を付けて頑張ってくださいね。ずっとずっと応援しています。

脳の中で現実逃避、これって限りなく自由な究極の旅ですよね!
ぜひ、この曲で脳内トラベルを楽しんでください。


m4 July
松任谷 由実

お送りしたのは、静岡県のラジオネーム<心は永遠の乙女>さんからのリクエスト、1993年リリースのアルバム『U-miz』から、「July」でした。

今日は、「ご飯が美味しくなる音楽」というコードでお話してきました。
おうちご飯やひとりご飯も、BGM次第でムードは変わります。
手軽にできる「美食空間」づくり、ぜひ、やってみて欲しいと思います!
蒸し暑い夏は食欲も落ちてしまいますが、音楽はご飯をおいしく、楽しく食べる工夫のひとつになるかもしれません。

私もツイッターに「今日のひと皿」をアップしたりしていますけど、今度はBGMも、メモしておこうかな。
毎日の暮らしにさまざまな彩りを・・・、そのひと手間と心意気、大事ですよね。

さて!番組ホームページでは引き続き、「今こそ聴きたい、ユーミンSONG」のリクエストを募集しています。
『Yuming Chord』公式サイトのリクエストフォームに、メッセージとともにお送りください。

また、この番組に届いたリクエスト曲を集めたプレイリスト、「ユーミンからの、希望のうた」は、すでにSpotifyにて配信中なので、こちらも聴いてみてくださいね。

そのほか、今後の予定や近況は、私のオフィシャルサイトや、TwitterFacebookInstagramを、チェックしてみてくださいね。



過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM