Yuming Chord
松任谷由実
2020.07.31.O.A
♪Onair Digest♪
先週に引き続き、今週もデザイナー、プロデューサー、ミュージシャンなどなど、多方面で活動中の藤原ヒロシさんをゲストにお迎えしています!
今週のコードは「UP DATE」です。


■今週のChordは“UP DATE”

m1 雨のステイション
荒井 由実




●自分なりにUP DATEさせる
ユーミン:今週、藤原さんとともにお送りしていくコードは「UP DATE」。
これ、得意分野ですよね?

藤原:そうですかね。先週もちょっと言ったんですけど、過去のアーカイブみたいなものを自分なりに掘り出してきてUP DATEさせるって感じですかね。

ユーミン:私も藤原さんには、色々教わってます。
とくに、キャリアが長くなってくると、もう既に一度自分で手を染めてしまったってことだらけ。データが重くなって、もう新しくやることないんじゃないっていう。

藤原:自分がやったものをもう一度やるって事に関しては、あんまりやりたくないってありますか?

ユーミン:いや、ところがね、藤原君とかと話すとeditすれば別のものになるとか。そういうことを教えてもらえる。“これとこれを組み合わせれば、かつて両方自分がやった事でも全く新しいものになるな”とか。そういう発想を教えてもらえます。

藤原:(笑)。

ユーミン:何が新しい、古いって、楽器の種類だったりするところないですか?

藤原:う〜ん。

ユーミン:音がなんか違う。70年代のこういうのやろうかなって。

藤原:それ、不可能ですよね。あの時の音は出ないんで。

ユーミン:そうそう。全く同じものには絶対ならない。そこを安心材料として、話戻りますけど、一度自分であれしたこと も、勇気をもってまたチャレンジしてみるっていう事があるんですけどね。

藤原:なるほど。


ここで、まだ基本的にはStay Homeな日々を過ごされている藤原さんに選んでいただいたユーミンの曲は、1975年のアルバム『COBALT HOUR』より「雨のステイション」。


ユーミン:これ、改めて聴いてどんな感じがするんでしょうね?

藤原:僕、改めてというかしょっちゅう聴いてるので。

ユーミン:ありがとう!

藤原:ユーミンの声ももちろんあれなんですけど、演奏もこれってきっとできない感じですよね。

ユーミン:そうね。

藤原:この微妙な“もたってる感じ”というか、このバランス感が。

ユーミン:荒井由実時代のは特に、1音出た瞬間にね、もうワァ〜って。たとえば「海を見ていた午後」とか、その風景が。

藤原:フワァ〜っと出てきますもんね。


m2 新宝島
藤原 ヒロシ




●デザイナーとして、ミュージシャンとして
ユーミン:今日は「UP DATE」というコードで、藤原ヒロシさんをお迎えしています。

今、『GQ』の7・8・9月合併号に掲載された最近の藤原さんのデザイナーとしてのお仕事、「7 モンクレール フラグメント ヒロシ・フジワラ」のページを見ているんですけど。これは、どういう経緯で手がけることになったんですか?

藤原:これね、2年ぐらい前から僕やらせてもらってるんですけど。元々、モンクレールの今の社長とお茶をしながら、
「うちでちょっとデザイナーとしてやってみないか」って誘われて、それでやるようになったんです。
これもさっきからずっとユーミンが仰ってくれてる、“アーカイブを取り出すこと”から始めたんですね。このモンクレールも一番最初に本社に行って、僕がどういうことをやろうか何をやろうかって打合せの時に、とにかく古いアーカイブを見せてくれってお願いして準備してもらって、それを“今風に”というか“UP DATEしていく”っていう作業から始まったんですよ。

ユーミン:私もモンクレールは注目して見てきてたんだけれど、山のメーカーから一時、凄いゴージャス路線になったじゃないですか。去年ね、日本の本店に行く機会があって。そしたら、「藤原ヒロシさんプロデュースの商品ですよ」とか見せてもらって、そこからもらってきたんだけどね(笑)。それが圧倒的に良かったので。
一回ゴージャスに行ったものを、もう一度っていうのか、STREETに落とし込むっていうのはどんな工夫が必要だったの?

藤原:どうだったんですかね。確かにそうですね。一回スキーウェアとして売れて、その後売れなくなってかわからないんですけど、今のオーナーが買い取ったんですよね。買収して、コム・デ・ギャルソンとやったりとか、モードの世界に行ったところだったんで。モンクレールというと、ほんとにモードで、今までなかったようなウエストがしまった女性のコートだったりとか、そういうイメージだったんですけど。昔のアウトドアのアーカイブのものを全部見せてもらって、それプラス僕が育ってきたパンクだったり、いわゆるSTREETみたいなものを融合させていった感じなんですけどね。

ユーミン:そして、STAY HOME中はオファーされて仕事をしつつ、コツコツ自分の音楽と向き合って過ごしていたっていう藤原君ですが。

藤原:その前からやり始めてたんですけれど、アルバムを作ってまして。先週かけてもらった「TERRITORY」が一応シングルだったんですけど、10月7日にリリースする予定のアルバムを作りました。その中から今回は、そのレーベルの主催者というか社長なのかな。山口一郎君の、サカナクションの名曲「新宝島」というのをカバーさせてもらったので、それを聴いてください。

ユーミン:面白そう!

ユーミン:お送りしているのは、藤原君のニューアルバム。10月7日にリリースですね。『slumbers 2』から、「新宝島」です。
なんか、フュージョンのようなエレクトロのようなアプローチで。

藤原:そうですね。ちょっとDUBっぽい感じなんですけれど。一緒に番組をやってて、たまたまアコーステックっぽいカバーをしてたんですけど。初めて宝島を聴いたときに手稲(ていね)に行く歌だと思ってたんですよ。山口君が北海道っていうのをよく知ってるから、「あっ、手稲、手稲に行く歌なんだな」と思ってたら(笑)、丁寧(ていねい)だっていうのを聞いて。丁寧なのに雑に歌ってる、この人と思って、僕が丁寧に歌いました。

ユーミン:今後の仕事の予定はどんな感じ?

藤原:今もまたレコーディングをやってて、曲を作ってて。それこそね、もっとシティポップよりというか。
最近、ほんとにユーミンよく聴いてるんですよ。実は(笑)。

ユーミン:ほんと! ありがとう!!

藤原:で、そういうコード進行だったり。

ユーミン:じゃ、その辺りかな。80年代前半。

藤原:そうですね。もう70年代ぐらいですかね。荒井由実の頃のかな。なんかそういうのを参考にしながらとか、何曲かちょうどやってるので。デモの段階で今度聴かせに。

ユーミン:聴きた〜い。聴いてみたい。

藤原:またフラっと遊びに行っていいですか?

ユーミン:ぜひぜひ。


今日は「UP DATE」というコードで、藤原ヒロシさんをお迎えしてお届けしてきました。
本人は無自覚ってことはないんだけど、結果、トレンドがついてくるっていうような立場にいますからね。そこの恐怖、ずっとそこにいなきゃいけないっていう強迫観念みたいなものはないのかなって、ちょっと心配になったりしますけれども。何よりタフに、そこをずっとしてきた人ですからね。ところどころに “なるほど” っていう、うんちくのあるお言葉をいただきました。これからも何かね、新しい分野でプロデュースなりデザインなり、もちろん音楽も提示してくれるのをとっても楽しみにしています。

さて、ここでちょっとお知らせ。
先週も触れたんですけれども、私の実家の新井呉服店より、浴衣の生地を使ったマスクを発売することになりました。12種類あります。今年はお祭りもないし、浴衣着て出る機会もないですけれども、そのマスクをするだけで夏っていう気分を味わってもらえたらうれしいです。他にも色々なグッズを作りました。

詳しくは松任谷由実公式サイトや、TwitterFacebookInstagramを、チェックしてみてくださいね。



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