Yuming Chord
松任谷由実
2020.11.06.O.A
今週は､漫画家の柴門ふみさんと､脚本家の大石静さんをｹﾞｽﾄにお迎えしています｡
今日のｺｰﾄﾞは｢助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ②〜｣です｡
■今週のChordは“助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ②〜”
命の花
松任谷 由実
●恋愛ものは忖度せずに書く
ﾕｰﾐﾝ：ﾄﾞﾗﾏ『恋する母たち』放送を記念して､先週からお届けしているこちらの企画､『助けて！｢恋する私たち｣〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ〜』｡
恋愛界の天照大神ならぬ､恋照大神たち､いよいよ､揃い踏みです！
先週は､原作漫画にこめた想いを柴門さんに語っていただいたんですけど､今週は､脚本を手がけた恋愛ﾄﾞﾗﾏの名手･大石静さんがﾄﾞﾗﾏで描く大人の恋の醍醐味､そして､大石さんご自身が脚本の執筆にこめるﾒｯｾｰｼﾞを伺っていきたいと思います！
ところで､お2人はすでに､『恋する母たち』連載中の｢女性ｾﾌﾞﾝ｣の11月5日･12日号にて､ﾄﾞﾗﾏ化記念ｽﾍﾟｼｬﾙ対談､されてますよね｡
実は今回の放送の模様も､｢女性ｾﾌﾞﾝ｣11月12日号で紹介される予定になっています｡お楽しみに〜！
では､改めてｹﾞｽﾄのお2人をご紹介しましょう｡
漫画家の柴門ふみさん､そして､今週からご登場いただくのは脚本家の大石静さんです！
早速なんですけれど､大人が楽しめる恋愛ﾄﾞﾗﾏの名手といったら大石さんを置いて他にない｡今回､柴門さんの漫画『恋する母たち』を脚本化するにあたって､どんなことをまず考えられましたか？
大石：恋愛ﾄﾞﾗﾏだけじゃないんですよ､私 （笑）｡色々なものを書くんですけど､ﾎｰﾑﾄﾞﾗﾏも刑事ものも何でも書くんですけど･･･｡
今回は､久しぶりに“原作を脚色する”っていう仕事ですから､“柴門さんに聞きに行ってもらいたいな”ってすごく思ってｽﾀｰﾄしたんです｡やっぱり､この作品にある女の主人公たちの､ごく普通にお母さんやりながら生きてるけど､“ふつふつと眠っているけどちょっと刺激したらﾊﾟﾝって起きてしまうｴﾛｽ”っていうのは､全ての人が持っているし｡それは私ぐらい歳を取ったってﾌﾟｸｯと出てくるかもしれないものなんだっていうところを､視聴者にも ｢私もあるかも｣っていう風に感じていただきたいな､というのは思いました｡
ﾕｰﾐﾝ：説得力ですね｡“ﾊﾟﾝ”っていう表現が･･･｡
大石：ﾌﾟｯてはじけちゃって､出てきちゃうみたいな｡
ﾕｰﾐﾝ：ﾎﾟｯﾌﾟ､ﾎﾟｯﾌﾟ｡ﾄﾞﾗﾏ観ていて､そういうｲｷｲｷ感とｵｼｬﾚ､ｵｼｬﾚだった｡
大石：それは演出の雰囲気とかもありますからね｡
ﾕｰﾐﾝ：すごいですね｡ﾃﾝﾎﾟといい､ｾﾘﾌが､柴門さんの漫画から抽出されて｡
柴門：そうですね｡自分で振り返って思うのは､みんな泣き言は言わないんですよね｡3人の母たちは｡ﾒｿﾒｿはしてないんで､女性が観ても不愉快にはならないかなと思うんですよね｡
大石：わりと乾いたﾀｯﾁの仕上がりですよもんね､1話もね｡
柴門：そうです｡
ﾕｰﾐﾝ：とはいうものの､すごい倫理観がうるさい昨今じゃないですか｡そこでね､不倫について書くっていうのは･･･｡
大石：そんなに世の中に忖度しないですよ｡作品書くときにはね｡だって､それに今､ほんとに危険な変な時代でしょ｡だけど私は､そういう時代だからどうだっていう風には思わないですね｡みんなこういう想いはあるんだから｡
ﾕｰﾐﾝ：そこのところはすごく聞きたかったの｡
大石：私､そこには全くﾋﾞﾋﾞらないですけどね｡｢言いたい奴は言わしておけばいい｣というぐらいの想いで｡こういう恋愛もの､ﾀﾌﾞｰな恋愛ものを結構書くんですけど､そういう時には全く世間に忖度はしないです｡
ﾕｰﾐﾝ：ﾄﾞﾗﾏでも漫画でも歌詞でもね､ﾌｨｸｼｮﾝの持つ役割っていうのはあると思うんですけれど｡
大石：でも私､ずｰっと脚本書いてて､ｴｯｾｲを書くﾁｬﾝｽをいただくと､自分のことを書くと限界があるじゃないですか｡告白本になってもﾀﾞﾒだし､あんまり垂れ流しても品が悪いし･･･っていうと､結局言いたいことは言えないんですよ｡“ﾌｨｸｼｮﾝにしなきゃ言いたいことは言えない”というのは思ってやってますね｡ﾌｨｸｼｮﾝだから振り切れるんだって思います｡
ﾕｰﾐﾝ：頼もしい！ ﾌｨｸｼｮﾝだから振り切れる｡その通りだな〜と｡だから､私もやってこれたな〜と､しみじみ思います｡
大石さんにﾘｸｴｽﾄしていただいたﾕｰﾐﾝの曲は､ﾄﾞﾗﾏ『私の運命』の主題歌で｢命の花｣｡
知らないどうし
松任谷 由実
●主題歌が『恋する母たち』に与えた影響
ﾕｰﾐﾝ：｢助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ〜｣｡
来週から､番組に寄せられたﾘｽﾅｰからの恋愛相談におこたえしていく予定ですが､ちなみに柴門さんは､『恋する母たち』を描くにあたって､数年にわたって100ﾊﾟﾀｰﾝくらいの恋愛話を取材されたんですよね｡
柴門：この漫画のために取材したわけじゃなくて､2つの雑誌で｢今現在恋愛してる人たちに恋愛のﾘｱﾙを聞こう｣っていう企画で､1つは職業別に女性を集めて､その職業ならではの恋愛話､｢ﾊﾟｲﾛｯﾄとCAはどんな恋愛するのか｣とか､そういうのをやって｡もう1つは､｢男女､老いも若きも今どんな恋愛してますか｣っていうのを2年間ぐらい連載したら､100ﾊﾟﾀｰﾝぐらいの恋愛が聞けて､それは結構面白かったですね｡
ﾕｰﾐﾝ：とくに印象に残ってるｴﾋﾟｿｰﾄﾞは？
柴門：とくに印象に残ってるのが､｢駆け落ちしようと思って､旦那に見つかって未遂に終わりました｣っていう女性がいて､“えっ､こういう人が駆け落ちするんだ”と思って｡
大石：やめちゃったのね､でも｡
柴門：やめちゃった｡
大石：旦那に見つかったらやめちゃうんだ｡
ﾕｰﾐﾝ：ご本人にお会いして｡ﾙｯｸｽとか雰囲気とかで､そういう事をしそうもないような人だったんですか？
柴門：そうです｡それは職業別に話を聞くみたいな感じだったんですけど｡“えｰっ！”みたいな｡こっちが聞いてないのに話だしたので｡
大石：みんな語りたいんですよね｡
柴門：語りたいんですよ｡最初はね､取材で行くと､おずおず･･･なかなか喋らないんですけど､3時間かければ最後の方は必ず落とせる（笑）｡
ﾕｰﾐﾝ：大石さんの場合は､ｷｬｽﾃｨﾝｸﾞがもうあって､取材するというより､その人を･･･｡
大石：取材はね〜､私は恋愛ものの時はしないです｡ただ職業については､産婦人科医を描く時は一緒に当直をしたりするというぐらいまでやります｡職業を調べるときは｡
だけど､恋愛ものに関しては､心の問題は取材しないですね｡自分の想像力を信じて｡今回は柴門さんの原作がありますから､楽っていっちゃ悪いですけど､視聴者の方にも（笑）｡ほんとに､柴門さんの哲学が一つありますから､それは楽でしたね｡
ﾕｰﾐﾝ：さて､私の話に急になって申し訳ないんですけれど｡
2020年の今こそﾘﾘｰｽする意味がある！と思って創作活動に励んでいましたが､来月1日にｱﾙﾊﾞﾑ『深海の街』をﾘﾘｰｽすることが決定しました！ もちろん､この曲も収録しますのでお楽しみに｡では､お聴きください｡ﾄﾞﾗﾏ『恋する母たち』の主題歌で｢知らないどうし｣｡
ﾕｰﾐﾝ：大石さん､この曲を初めて聴いてどんな感じがしました？
大石：ﾌﾟﾛﾃﾞｭｰｻｰから“ﾗﾃﾝな感じ”っていうのは聞いてたんですけど､不倫の世界･･･不倫っていう言葉は嫌いなんですけど､“婚外の恋の話をじっとりさせないで､最初のお話にもあった乾いた感じにしてくれたのは､この主題歌になったところが大きいな” と思います｡
ﾕｰﾐﾝ：ほんとはもっとｼﾞﾒｯとしたかったんですけどね（笑）､お褒めいただいたということで｡
大石：ｷｽｼｰﾝのところから､これが入るのが絶妙でしたね｡
ﾕｰﾐﾝ：絶妙に使っていただきました〜｡これからもよろしくって感じです｡
今夜10時から放送される第3話は､ﾈﾀﾊﾞﾚにならないぐらいで､どんな展開になりますか？
大石：3話はね､与論島にﾛｹに長い事行ってですね､素晴らしいﾛｹｼｰﾝがあるのと､2話の終わりで主人公の杏が夫に再会してるんですよね｡で､その先どうなるか...っていうのが､3話のﾒｲﾝですね｡
ﾕｰﾐﾝ：楽しみです｡
そして！ 来週から2週にわたって､大石さん･柴門さんとともに､いよいよﾘｽﾅｰから届いた恋愛のお悩み相談に乗りながら､大人の恋ﾊﾞﾅ､展開していきます｡お楽しみに！
今回は､柴門ふみさん･大石静さんのお2人とともにお届けしてきました｡
大石さんはね､｢柴門ﾜｰﾙﾄﾞを落とし込んでるだけだ｣って仰ってたけれど､同時進行の三様の物語を上手い事展開させてて､“わｰ､ﾌﾟﾛだな！”､もちろん柴門さんも原作めちゃ面白くて､“いやｰ､凄いな！” と舌を巻くばかりです｡
来週もお2人にご登場いただいて､｢大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ｣をお届けします｡大人の恋のお悩みは番組ｻｲﾄで募集中です！
なお､今日お送りしたTBSﾄﾞﾗﾏ『恋する母たち』主題歌､｢知らないどうし｣は､現在､主要音楽ｻｲﾄにて配信中です｡ぜひ､そちらも聴いてくださいね｡
この曲も収録されている39枚目のｵﾘｼﾞﾅﾙｱﾙﾊﾞﾑ『深海の街』は､12月1日ﾘﾘｰｽです！
さらに､『松任谷由実 ｺﾝｻｰﾄﾂｱｰ 深海の街』が来年･秋から全国60か所にて､また､『SURF & SNOW in Naeba VOL.41』の開催も､無事､決定しました｡
詳しい情報や近況は､私のｵﾌｨｼｬﾙｻｲﾄや､TwitterやFacebook､Instagramを､ﾁｪｯｸしてみてくださいね｡
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