Yuming Chord
松任谷由実
2021.01.15.O.A
♪Onair Digest♪
今日のコードは、我が松任谷家では欠かすことのできないコレ。「Tea for Two」です。


■今週のChordは“Tea for Two”

m1 ボレロ
フランス国立管弦楽団

お送りしているのは、ご存知、ラヴェル作曲の「ボレロ」ですが、我が家のお茶の時間に聴くことが多い1曲です。
この曲を作曲したモーリス・ラヴェルは名門パリ音楽院であらゆる音楽を学びますが、一方で様々な国の伝統音楽に興味をもった人。1889年のパリ万国博覧会でインドネシアのガムラン音楽に出会って魅かれたり、1928年に全米を公演旅行でまわっていた頃にはジャズを聴いて影響を受けたそうです。ボレロは1928年の作曲でバレエ音楽としても有名ですが、現代音楽、ロックなどにも影響を与えています。

そんなわけで、今回はフランス国立管弦楽団の演奏による、ラヴェル作曲「ボレロ」でスタートした、『Yuming Chord』。
連休明けには全国的に雪が降ったりもして、一年で一番寒い時期になりましたよね。そして、私が住む東京は再びの緊急事態宣言で、STAY HOMEな毎日が続いています。
そうなると、より一層、規則正しい生活が大事!
日々のルーティンワークを丁寧に、という毎日を心掛けています。
そこで!今日のコードは、我が松任谷家では欠かすことのできないコレ。「Tea for Two」です。

「Tea for Two」というと、1924年のヒットソング、邦題では「二人でお茶を」を思い出しますが、この曲はミュージカル『ノー・ノー・ナネット』で使われたもので、かなり甘い内容の歌詞なんですよね。
ヒロインが恋人と共に自分たちの将来を夢みて歌う曲ですが、私たちが二人でお茶を飲む習慣は松任谷さんが某テレビ番組で披露して、かなり有名になったみたいですが、このお茶の時間は、もともとは私ひとりの習慣。一通りのルーティーンワークを終えたあとにひと息つく時間だったんですが、ある時から松任谷さんが参加するようになりました。

選ぶお茶は、その日によって色々ですが、最近多く登場するのは緑茶で、京都の老舗、一保堂の煎茶を飲んでいます。
中でも、最高級の日本茶・玉露は小さなお茶碗でじっくりいただくのがベスト、ということなんですが、とろりとした口当たりのあとに、上品な甘みがお口いっぱいに広がるんだとか。
ちなみに、玉露をおいしくするコツは、お湯の温度は50℃から60℃くらいで、急須にフタをしたまま2〜3分待って、じっくり茶葉を開かせること。お茶にあわせて食べる「おめざ」も、お楽しみのひとつ。最近の発見は、あの、「村上開新堂」のクッキーが煎茶と相性バツグン!

では、そんな幸せなお茶の時間に、私がよく聴く1曲をお送りしましょう。
アラン・プラネスの演奏で、私の大好きなドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」。


m2 亜麻色の髪の乙女
アラン・プラネス

フランスの作曲家、ドビュッシーは私の好きな印象派。
プライベートでよく聴いています。
お送りしたのは、アラン・プラネスのピアノ演奏で、ドビュッシー作曲「亜麻色の髪の乙女」でした。
今日のコードは「Tea for Two」。
お茶をゆっくりと飲みながら聴きたい音楽、続いてはエリック・サティの「ジムノペティ」。
ミシェル・ルグランの演奏で、どうぞ。


m3 ジムノペディ
ミシェル・ルグラン

「音楽界の異端児」と言われたサティですが、印象主義の作曲家たち、ドビュッシーやラヴェルなどは、サティの技法を学んだ、と公言していたとか。
この「ジムノペディ」は、彼にとって退屈でしかなかったパリ音楽院をやめたのち、当時人気のキャバレー「シャ・ノワール」でピアノ伴奏者をしていた頃に作曲しました。

今日は「Tea for Two」というコードでお話していますが、寒いこの時期こそ、お茶の力を借りるべき。
例えば、最近は緑茶がお気に入り、という話もしましたけれど、実は、緑茶は淹れる温度によって成分が変わってくるそうで、抗菌作用のあるカテキン成分は高温で抽出されるので、熱湯で淹れること。
また、免疫力がアップするというエピガロカテキンというのは、温度が低いほど抽出量が多くなるんだそうです。
一番リラックス効果が高まるのが、80°Cくらいのお湯で丁寧に淹れた緑茶。甘味やうまみも変わってくるそうなので、色々な温度で試してみたいですよね。

そういえば、最近、SNSにもアップしたお茶がキームン茶。
世界三大紅茶のひとつで、キーマン、キーモンとも呼ばれます。
中国の古典的な紅茶で、紅茶のルーツともいわれるそうですが、独特のスモーキーなフレーバーが、クセになるんですよね。
葉の色は黒いんですが、お茶そのものは澄んだ明るい色味です。

「茶の香りこそ、人生の友」と言ったのは、中国・唐の詩人、孟浩然。
そして、お茶をゆっくり楽しめる相手も、人生の大切な友、ですよね。
もうひとつ、お茶にまつわる名言をひとつ。
イギリスの劇作家、アーサー・ウィング・ピネロいわく、「お茶があるところには、希望がある」。
そんなティータイム、過ごしたいですよね。

では、最後に1曲、今日のコード「Tea for Two」にちなんだ、私の曲を。
この曲は、まさに、お茶の時間から生まれた1曲です。


m4 1920
松任谷 由実

お送りしたのは、アルバム『深海の街』から「1920」でした。

今日は、「Tea for Two」というコードで、お茶を楽しむ時間に聴きたい曲を、私の好みで選んでみました。
音楽は、空間芸術。そして、お茶の時間もまた、五感を働かせて楽しむ文化だと思います。
ぜひ、お気に入りの音楽を聴きながら、STAY HOMEな冬のひととき、過ごしてくださいね。

私の最新アルバム『深海の街』も、冬のティータイムに合う気がします!
そのほか、荒井由実時代を含む、松任谷由実楽曲のすべてを各主要配信サイトにて配信中です。
『深海の街』とともに、ぜひ、聴いてみてくださいね。
丁寧に淹れた一杯のお茶とともに、今、この瞬間を味わう喜び、かみしめましょう。

そして、ここでお知らせです。
本日、1月15日(金)、NHK総合テレビにて、「松任谷由実 スペシャル〜ユーミンが見つめた2020年〜」という番組が放送されます。
2020年、未曾有の一年を私がどんな想いで駆け抜けてきたか、2月の苗場、アルバム制作の様子、そして昨年の紅白歌合戦まで、コロナによって一変した世界と向き合ってきた私の姿を記録した特別番組です。
今日、夜10時からとなっていますので、よかったらぜひ、ご覧くださいね。

さらに、現在、「SURF & SNOW in Naeba Vol.41」の実施について、色々と検討している状態です。
各種チケット発売も延期させていただいていますが、最新の状況については、オフィシャルサイトや、TwitterFacebookInstagramをチェックしてくださいね。


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