Yuming Chord
松任谷由実
2021.02.19.O.A
♪Onair Digest♪
今日は私の歌で、心を静めたり、慰めたり、あの日を懐かしんだりしてください。
そんな想いを込めてお送りする今日のコードは「Lyrical songs〜Yuming的抒情歌集」です。


■今週のChordは“Bitter & Sweet〜Duet Love Songs”

m1 春よ、来い
松任谷 由実

1994年10月に、NHK朝の連続テレビ小説の主題歌としてシングルリリース、その後リリースした26枚目のアルバム『THE DANCING SUN』にも収録した曲です。
今では、本当にたくさんの方に口ずさんでいただける、私の代表曲のひとつに成長しました。

♪春よ 遠き春よ 瞼閉じればそこに
愛をくれし君の なつかしき声がする

この古文調の歌詞が、歌ってみたい、と思わせるのかな。

そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
暦の上では春、でも、まだ季節は行ったり来たり。
外出を控える日々も続いていて、本当の意味での春は、もう少し先になりそうですね。そうでなくても、春、この時期は気持ちがざわつきます。
そんなときこそ、歌がある!
今日は私の歌で、心を静めたり、慰めたり、あの日を懐かしんだりしてください。
そんな想いを込めてお送りする今日のコードは「Lyrical songs〜Yuming的抒情歌集」です。

自分の歌を“抒情歌”というのも照れくさいんですが、あえて今日は、私の楽曲の中から抒情歌的な曲を集めて、お届けしていきたいと思います。
抒情歌というのは「感情を表す、思いのたけを表現する」歌のこと。
作者の想いを表した歌でもあり、作者が歌う人たちの気持ちになりかわって作った歌とも言えるかもしれないですね。そして、“日本語の歌詞である”という条件もついてくるようです。

私の場合は自分自身の感情というよりも、物語の中の主人公の気持ち?
日本語で・・・というのは、歌詞を書くときに、もちろん意識しています。
英語のフレーズを使うことももちろんありますけど、やっぱり日本語で、できれば美しい言葉だったり、直接的じゃなくても、絵やにおい、色をたちのぼらせるような、そんな言葉を使いたいかな。

歌詞を書くときに参考にしたり、またはいつのまにか自分の栄養になっていて、ふっと出てくるものは、たとえば・・・思春期の頃に感化された、フランスの詩人ジャック・プレヴェールの世界観。

最新アルバム『深海の街』の作詞をしていたときは、日本の古典文学をもう一度ひも解いてみたりしましたね。
結局、時代も、場所も、言葉も、すべて超えて、人間の営みや、そこで感じることって共通する部分があります。“そこを描けているか”、“表現できているか”で、“読み継がれたりするかどうか”が決まるんですよね。

では、今日のコード「Lyrical songs〜Yuming的抒情歌集」から、こんな曲を選んでみたので、聴いてください。「雪月花」。


m2 雪月花
松任谷 由実

古代中国、唐の時代の詩人「白居易」の詩の中に出てくる、「雪月花時最憶君(雪月花の時 最も君を憶ふ)」が最初だといわれている言葉。
雪、月、花、という自然美を示しているんですが、それがのちに、日本の伝統的な美的感覚を表現するときに使われたりします。
三つ、良いものを並べる方法に応用されたりもしていますよね。「松竹梅」とか。

♪春が来て 緑は萌えて 今日の景色もまぼろしになる
そしてまた 冬が来るとき 今日の瞳に励まされる

「萌える」とか「まぼろし」とか、日本語の響きを意識したり?

お送りしたのは、2002年リリースのアルバム、『Wings of Winter, Shades of Summer』から「雪月花」でした。
このあとの抒情歌は、人ごみに流されたり、あの頃の生き方を忘れてしまいそうになったりしたとき、口ずさみたくなるという、あの曲です!

続いては、1975年のアルバム『COBALT HOUR』から「卒業写真」。


m3 卒業写真
荒井 由実

この曲は、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ハイ・ファイ・セットのために職業作詞作曲家として提供した1曲ですが、同じ年に私自身のアルバムにも収録してリリースしたものです。
ハイ・ファイ・セットが歌ったときは、服部克久先生が編曲を手掛けたんですよね。

そして、この曲はのちに、本当にたくさんの方にカバーして歌っていただきました。もちろん、シンガーではない、リスナーのみなさんにも、歌い継いでもらっている曲。
私自身も、これはスタンダードナンバーになったなと思える1曲です。

♪人ごみに流されて 変わってゆく私を あなたはときどき 遠くでしかって

・・・といった歌詞のあたりで、ちょっと鼻の奥がツン、となる感じかな。
これからもぜひ、たまに歌ってみてください。

改めて、今日のコードは「Lyrical songs〜Yuming的抒情歌集」。
一般的に抒情歌といえば、老若男女、時代を超えて、だれもが口ずさめる愛唱歌、みたいな曲。
たとえば・・・
♪春のうららの 隅田川〜 とうたう「花」とか、
♪うさぎ追いし かの山 小鮒釣りし かの川〜 と始まる「ふるさと」
といった歌のことを差しますよね。

でも、いつも言っていることなんですが、私がこの世からいなくなっても、私の作った歌が、ずっと、歌い継がれていったら嬉しいな・・・と思っています。
「詠み人しらず」の歌として、100年たっても、1000年経ってもね!

では、続いてお送りする私の抒情歌は、昨年11月にリリースした最新アルバム『深海の街』からお送りします。
ずっと歌い継がれるスタンダードな1曲になると、嬉しいです。


m4 散りてなお
松任谷 由実

お送りしたのは、39枚目のオリジナルアルバム『深海の街』から、「散りてなお」でした。

今日は、「Lyrical songs〜Yuming的抒情歌集」というコードで、私の曲をお届けしてきました。
心のカラオケボックスで、一緒に口ずさんでいただけたら幸いです。
春の楽しいお出かけもできず、人とも会えない日がもう少し続くようですが、よかったら、私の曲を聴きながら、充実したおうち時間を過ごしてください。
私の楽曲は、各主要配信サイトで配信しています。

そして、松任谷由実『SURF & SNOW in Naeba Vol.41〜』についてのお知らせです。
こちらの公演は、現時点で開催の延期が決まっています。
また今回は、どなたでもご覧いただけるよう、公演の模様をリアルタイム配信する予定です。配信チケットの詳細や振替公演については、私のオフィシャルサイトをご確認ください。

そのほか、近況や最新情報は、ツイッターインスタグラムでもチェックできます。
三寒四温のこの時期は、体調の管理も大変ですが、どうぞ健やかにお過ごしくださいね。



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