Yuming Chord
松任谷由実
2021.06.04.O.A
♪Onair Digest♪
今日は、ストリートもモードも超えたファッション界の異端児、UNDERCOVERの高橋盾さん、通称“ジョニオ”さんをお迎えしています。先週に引き続き、高橋盾さんと共にお送りしていくコードは「CHANGE」。


■今週のChordは“CHANGE”

ユーミン:UNDERCOVERの高橋盾さんにそもそものクエスチョン。「UNDERCOVER」という屋号に込めた想いは何ですか。

高橋:もともと「秘密めいた」とか「怪しい」とか、そういうブランドにしたいなと思って、色々調べていたら「UNDERCOVER」っていう単語が出てきて、“あ、これでいっか”みたいな感じの、本当に軽い感じで付けたんです。

ユーミン:私、今回初めて聞いたんですけど、文化服装学院出身っていうのがちょっと意外な感じがしたんです。ストリートや原宿のイメージが強かったので。でも基礎がないと、いろんなバリエーション生み出していくことはできないですよね。

高橋:どこか変なところで真面目なので、ちゃんと(洋服を)作れるようになりたいから、学校に行かないとなと思って。

ユーミン:それで文化服装学院時代に立ち上げた「UNDERCOVER」は去年で30周年を迎えたんですよね。

高橋:そうですね。

ユーミン:すごい。

高橋:あっという間でした。

ユーミン:今日は、ストリートもモードも超えたファッション界の異端児、UNDERCOVERの高橋盾さん、通称“ジョニオ”さんをお迎えしています。先週に引き続き、高橋盾さんと共にお送りしていくコードは「CHANGE」。
世界が一変した今、ファッション界も大きな転換を迫られているのでは?と思いますが、UNDERCOVERの30年という歴史の中で、大きな転換期や価値観の変化、迷い悩んだ時期がきっとおありだったと思いますけれども。

高橋:いやもう何回もあります。挫折の繰り返しなので大きいポイントがしょっちゅう起こるんですけども、最初に“東京でファッションショーをやろう”というのがまず転換期で、それが1993年位でした。(東京コレクション初参加は1994年でした)
その10年後位の2002年にパリ(のファッションショー)に行くんですけど、そういう大きいタイミングが10年毎位と、洋服のデザインの仕方も含めていろんなポイントがありますね。

ユーミン:パリコレはどういう流れで進出することになったんですか?

高橋:パリコレは、東京でずっと10年近くショーを続けてたんですけど、日本人の特性というか(ショーに対して)ちゃんとした意見が聞けなかったりして、ずっとモヤモヤしてました。
ある時ちょっと親交のあったコム・デ・ギャルソンの川久保(玲)さんから「もうそろそろ行かれてはどうですか」ってFAXが、ショーの後に来まして。“そうだな。よし、これは行くしかないな”という流れですね。

ユーミン:ピンチはどうですか?

高橋:ピンチだらけです(笑)。

ユーミン:アパレルの方も、コロナで大変な状況というのは感じてますよね。

高橋:実店舗に人が来ないとか。あと、海外のお客さんが多かったんですけど、今来られないじゃないですか。そういう打撃は本当にもうシャレにならないっていう感じです。

ユーミン:コロナ禍が拍車をかけたかもしれないんですけど、SNS時代全盛に入って、コミュニケーションの方法やカルチャーとの接し方が激変してきましたよね。音楽の聴き方もですけれど、ファッションに対する考え方も違ってきていますか?

高橋:そうですね。今は“着飾ってどうの”っていう状況でもないので、であれば今の時代に合った格好とか、少しずつ今の時代に合わせて・・・というのは、それはやっていて面白いなと思います。

ユーミン:ユーミン:先週もお話したお手伝いさせていただいた「the Shepherd」。ファッション業界的には言い古されているかもしれないけれど、2マイルウェアはすごく良いと思いました。

高橋:ありがとうございます。

ユーミン:ではここで、どんな状況であっても高橋盾さんがデザイナーとしての原点に立ち返ることができるという、“ルーツ的な1曲”を選んでお送りしたいと思うんですけれど、選曲の理由を教えてください。

高橋:ルーツ的っていうところももちろんあるんですけど、今観れないバンドでどのバンドのライブが観たいかなというのを想像すると、いつも絶対The Doorsなんで。そのThe Doorsの中でも一番好きな曲の一つということで選びました。

ユーミン:それではThe Doorsで「Moonlight Drive」。


m2 Moonlight Drive
The Doors




ユーミン:行き先が見えない世界だからこそ感じる自由や希望があると信じて、私も創作活動を続けていきたいと思っているんですけれど、今、改めて、今後、お仕事とはどう向き合っていこうと思われますか?

高橋:50(歳)も過ぎたんですけども、本当にずっと突っ走ってきたので、少しチェンジをしつつ行きたい、行ければなっていうのを思っています。

ユーミン:具体的に「こういうことを始めた」とか、教えていただければ。

高橋:葉山の方に友達とアトリエを借りて、週2〜3日そこに行って、海が近くて山の中で・・・という環境でデザインをしたらどうなるか、というのを実験しているような感じです。
コロナ禍で自宅での作業も去年から増えて、少し以前よりは自ずとゆっくりな動きになってきていますね。

ユーミン:小耳に挟んだのは、“盆栽に凝っている”という。

高橋:はい。盆栽には前から小宇宙的な興味があって、それで買ってやってみたら意外に性格に合ってるなというのに気付きまして。

ユーミン:小宇宙、良いですね。

高橋:はい、小宇宙です。でも人間が無理やり小さくした世界だと思うんですけど、それに毎日水をやったり剪定したりとかすごく面白いですね。

ユーミン:そういうお話を伺ってると、すごくインスパイアされることが多いような気がします。
「UNDERCOVER」のプロダクツで表現されてる両極端の価値観の共存というのは、これからの時代を乗り越えていくために今一番必要とされているクリエイティビティじゃないかなと思うんですけれど、普遍的と言える高橋盾さんの姿勢は、言葉にするとどんな感じですか?

高橋:なんでしょうね。

ユーミン:何かね、ちょっとダークであることは確かなんだけど。

高橋:そうですね。

ユーミン:ダークが落ち着くっていう私の好みの問題かもしれないですけど。

高橋:いや、正にそうですね。ただ綺麗な洋服作りたいとかっていうことに全く興味がなくて、それの裏側にあるちょっとダークな世界っていうのに引っかかるポイントが。
それはユーミンの曲もそうなんですけど、そういうものに惹かれてますし、自分でもそうでありたいなという想いが強いですね。

ユーミン:そして高橋さんが選んでくださった私の曲は「夕涼み」ですけれど、これはどんな感じなんでしょうか。

高橋:もちろんポップな曲も好きなんですけど、どうしてもちょっと影を感じるしっとりした歌によく惹かれていくんですよね。この曲がダークかと言ったら、ちょっと違いますけれども。


m3 夕涼み
松任谷 由実




ユーミン:お送りしたのはアルバム『PEARL PIERCE』から、「夕涼み」。
自分で言うのもなんか恥ずかしいですが、風が香るような夏の終わりの匂いがするような感じです。「UNDERCOVER」の服も、私が選ぶのはそういうトーンが感じられるようなものですね。

高橋:嬉しいです。

ユーミン:今日は本当に心地良い刺激をいただきまして、ありがとうございました。

高橋:こちらこそ。


今日はUNDERCOVERのデザイナー、“ジョニオ”こと高橋盾さんをお迎えしてお届けしてきました。
私がイメージビジュアルを務めさせていただいた「the Shepherd UNDERCOVER 2021SS Collection」。ぜひネットや店舗でチェックしてみてくださいね。

今回刺激的なトークセッションで音楽活動への思いを新たにした私ですけれど、そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。



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