Yuming Chord
松任谷由実
2021.10.22.O.A
♪Onair Digest♪
今日のコードは、「Yuming×KUBOTAの“SOULに恋して”」!
先週に引き続き、久保田利伸さんとともに、SOULミュージックの魅力を深掘りしていきます。


■今週のChordは“Yuming×KUBOTAの“SOULに恋して””

m1 中央フリーウェイ
荒井 由実




ユーミン:今日のコードは「Yuming×KUBOTAの“SOULに恋して”」と、いうことで、先週に引き続き、久保田利伸さんとともに、SOULミュージックの魅力を深堀していきます。
先週もお話しました『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』という映画とか、この11月に公開されるアレサ・フランクリンの伝記映画『リスペクト』。今この時代に、R&BやSOULが求められてるのかなって思い始めたんですけど。

久保田:タイミングもそうですよね。コロナ禍のはじめあたりに、『メイキング・オブ・モータウン』もありましたよ。特に今年はそうですよね。

ユーミン:自分の話になっちゃうんだけど、ブラックミュージック、SOULミュージックって、ちょっと遠いものかと思っていたんだけど、特に『リスペクト』を観た時に、NY.でゴスペルシンガーとしてわりと鳴かず飛ばずだったアレサ・フランクリンが、なぜかアラバマに呼ばれて、当時マネージャーだった旦那さんと一緒に、そこに行くわけよ。それがマッスル・ショールズで、ヘッドアレンジによってSOULミュージックと白人音楽の融合を見るところでちょっと感動しちゃって。

久保田:僕も観ましたけど、あのシーンは本当にドキドキするじゃないですか。でも結局、出てくる音にみんな感動するわけで。あれは気持ち良いところですよね。

ユーミン:それによって、アレサが本当にブレイクするという。
で、私は、無意識にどこかそういうR&Bのエッセンスとかが曲の中にあるのかもしれないけど、あまりそういうことも考えずに、デビューの時にキャラメル・ママとセッションしたんですよ。それで、細野(晴臣)さんたちが、マッスルショールズをやろうとしたの。そういうセッショングループ・・・バンドじゃなくてね。そこで融合できたのね。あれには、音楽のジャンル関係なく、シンパシーを持ったな。

久保田:由実さんは影響を受けてきたものが本当に幅広いんで。でも、“これってそうじゃない?”“この曲って、由実さん、どれだけSOULのことを思いながら作ってるのかな?”っていう曲が何曲かあるんですよ。それは、一緒にセッションしたミュージシャンから影響されたものとか、自分から出ちゃった、もしくは出しちゃったものがあるんでしょうね。

ユーミン:その話が出たんで、久保田さんから、私のナンバーでそういうものを感じさせる曲を教えてもらって聴いてみようかなと思うんですけど。

久保田:3つ4つあるんだけど、すごくベタな、「え、久保田、直球じゃん」みたいな曲があって。「中央フリーウェイ」、これは画期的なんですよ。

ユーミン:「中央フリーウェイ」のどこがブラックミュージックなんだろう?

久保田:あららら。そこが・・・由実さん、可愛いです(笑)。

ユーミン:(笑)。

久保田:あれはモータウン、“マーヴィン・ゲイ”グルーヴですよ。もう、『ホワッツ・ゴーイン・オン』(マーヴィン・ゲイが1971年に発表したスタジオ・アルバム)グルーヴですよ。
それが土台にあって、あとは、あんなに気持ち良い曲・・・洋楽よりもオシャレ。そのオシャレの所以は、オリジナルメロディと、転調すると普通難しくなるんですけど、全然難しく聴こえないじゃないですか。何箇所も転調があるんだけど、もう1回「中央・・・」って戻る部分、あれはたまらないです。で、僕らミュージシャンが聴いた時は“うわ、すげぇ!”と思うんだけど、一般の人が聴いた時は、ただ気持ち良いと思うんですよ。
だからそれがいいか、あとは「雨のステイション」。これはわかります?

ユーミン:なんかわかります。それは作った頃にはわかってなかったけど、あの歌自体が基地の風景なのね。だからそこで、無意識に黒人音楽が入っちゃってるのかもしれない。

久保田:もう匂いが曲に入っちゃってるんですね。この曲は単純に気持ち良い。こういう曲って、雰囲気ばかりで終わってしまう曲がありがちだと思うんだけど、“つかみ”が好きなんです。由実さんの曲の出だしがいいんですよ。
あとは「影になって」っていうのもあるんだけど、あれは聴く人が聴いたら、グルーヴ的にちょっとAORな、黒いグルーヴなんですが。

ユーミン:ちょうど時期が80年代の声をきくぐらいの時に、そっちをやろうって意識的に思った。AOR的な方向にいった頃ですよね。

久保田:あれは、SOUL感の強いAOLです。

ユーミン:じゃあ、その中から、最初に言ってくれた「中央フリーウェイ」、いってみようかな。



ユーミン:今、久保田さんが好きな、注目しているSOULシーンについて語ってもらおうと思うんですけど、大別すると、フリーソウルとか、R&Bとか。どんな感じになってるの?

久保田:SOULの一番賑やかな時代のところで話をすれば、“モータウン”はみんな知ってますよね。あれも1つの形のSOULで、あと、それと対抗する“フィラデルフィア・ソウル”もありますよね。あとシカゴで発生した“シカゴ・ソウル”もそうですし、メンフィスはちょっと匂いの強いSOULが代表的だし、あと、スライ(・ストーン)なんかは、“ベイエリア・ソウル”ですね。サンフランシスコの、自由な音楽。

ユーミン:サンフランシスコだから、ファッションもサイケなんだ。

久保田:その通りです。あの辺がプリンスとかに繋がっていきますよね。

ユーミン:久保田さんは、イギリスのSOULに関心を持っている?

久保田:ちょうど“今”ですね。イギリスのSOULというか、90年代に、UKソウルがけっこう流行ったんですよ。そこから20〜30年経って、UK産のSOULが今また、USのR&Bチャートで上がってる・・・みたいな時代でもありますね。

ユーミン:では、久保田さんが今一番好きな曲を聴いてみたいんですけど。

久保田:実はこれ、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークのユニットであるシルク・ソニックの「Leave The Door Open」をプロデュースした人が、一緒にやってる曲なんですよ。だからこの辺が好きなのかなって思うんですが、ラッキー・デイというアーティストの「Roll Some Mo」という曲です。


m2 Roll Some Mo
Lucky Daye




ユーミン:ラッキー・デイの「Roll Some Mo」を聴いていただきました。

久保田:この人は、“ザ・SOULミュージック”をずーっと聴いて育ったとどこかに書いてあったんです。スティービー・ワンダーの真似をしていた、マーヴィン・ゲイが大好きだった、サム・クックの曲をまず始めに歌った、みたいな。そういう風な、SOULを愛する気持ちが曲に出ているパターンですね。

ユーミン:さっき、地域性みたいなことも(SOULの)カテゴライズで触れたけれとも、(ラッキー・デイは)ニューオーリンズ出身ということなんだけど、ニューオーリンズだと、南部のSOULっていうのはどうなってるんですか?

久保田:“ニューオーリンズ・ソウル”っていうのはないんですけど、でも、ラッキー・デイは、今の世代の、地域性があまりなくなってきた、どこに行っても同じ体験ができる、みたいな(世代)。

ユーミン:でも、それはみんなそうだね。SNS、YouTube・・・。

久保田:そうですね。聴きたいと思えば、すぐ聴けますから。

ユーミン:先週から2週に渡って、「Yuming×KUBOTAの“SOULに恋して”」というコードでお送りしてきましたけれども。SOULって、当たり前だけど、深いですね。深いし、広いですね。

久保田:歴史がありますからね。

ユーミン:今後は、久保田さんはどんな活動予定になっていますか?

久保田:曲を自分で作っていこうかなと。自分のアーティスト人生の中で、普遍的な曲がもう1、2曲できないかな、なんて思いながら作っていこうかなと思っています。

ユーミン:今って、一番、実はモチベーションが試される時だよね。ライブをやっている時よりつくづくそう思います。モチベーションを落とさず、可愛いKUBOTAで居続けてください。

久保田:はい!

ユーミン:今日は本当にありがとうございました。楽しかったです。

久保田:ありがとうございます。


今日は「Yuming×KUBOTAの“SOULに恋して”」というコードで、久保田利伸さんとともに、最新のSOULミュージック事情に触れてきました。
今日のお話を聞いて、久保田利伸ワールドにはまってみたくなった方は、サブスク解禁されていますので、ぜひ、聴いてみてください。もちろん、私の楽曲もね!

そして私は、『松任谷由実コンサーツアー 深海の街』。
来週は、大阪へ、そして週末には名古屋へまいります!
本当に久しぶり・・・という気がするコンサートツアー、私もとってもわくわくしています。ぜひ、お互いに体調を整えて、元気にお会いしましょう!

なお、チケットの一般発売に関しては、開催地の状況を見ながら、随時、情報をアップデートしています。
今後のツアー日程やチケット購入の方法は、私のオフィシャルホームページをご確認ください。
私の最新情報は、TwitterInstagramなどでもお知らせしていますので、そちらもぜひ、チェックしてみてくださいね。



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