Yuming Chord
松任谷由実
2022.06.03.O.A
♪Onair Digest♪

ゲストは、多肉植物生産者で園芸研究家の長田研(おさだ・けん)さんをお迎えしています。
今日のコードは「CACTUS(サボテン)」です。


■今週のChordは“CACTUS(サボテン)”

ユーミン:今日のコードは、『CACTUS(サボテン)』。
ゲストは、多肉植物生産者で園芸研究家の長田研(おさだ・けん)さんをお迎えしています。
長田さんが経営されている「カクタス長田」は、静岡県沼津市にあるナーセリーなんですが、今日は鉢植えを車に乗せて東京へ駆けつけてくださいました。ありがとうございます。
そんなわけで、ここには見たことのないようなフォルムの植物が並んでいるわけですが、本当に神秘的で、私自身、植物の中でもサボテンは大好きです。神秘的で、愛らしくて。
そこで今日は、多肉植物生産者のパイオニア・長田さんに、サボテンを含む多肉植物の奥深い世界を案内していただきます。
早速なんですが、サボテンと多肉植物ってどういう関係なんですか?

長田:広い意味で言うと、「多肉植物」という言葉の中にはサボテンも含まれます。ただ、種類がものすごく多いので、植物を育てる人の間では、「サボテン」と「サボテン以外の多肉植物」という風に分けて取り扱われています。

ユーミン:原産地はだいたいどこなんですか?

長田:サボテンに関して言えば、アメリカ大陸ですね。北アメリカから、中央・南アメリカ。北限だと、カナダにもサボテンは生えていますし、一番南だと、南米のパタゴニアの辺りまで生えています。

ユーミン:日本に初めてサボテンが渡ってきたのは江戸初期ということなんですけれども、オランダから届いて、観賞用ではなく、“サボテンから出る粘液が手の油を落とす”という触れ込みだったので、「サボテン」というのは実は日本で生まれた呼び名で、ポルトガル語で「石鹸」を意味する「シャボン」と「手」が合わさって、「シャボンテ」になって、「シャボテン」→「サボテン」になった、という説があるんですけれど。
サボテンを含む多肉植物は、樹液っていうのかな、中から出てくるあの粘液が色々な役目をするものがありますよね。

長田:そうですね。薬用になるものもあれば、ダイエットの薬の原料として使われるものとかもありますし、例えば「ユーフォルビア」という多肉植物は、樹液に毒性があって、現地の人が狩りをする時に矢毒として使われたり、ということもありますね。

ユーミン:サボテンは、どういう環境で育ちやすいんですか?

長田:もともと、葉っぱや幹や根っこに水分を溜めて、自分で乾燥した中で育つように進化した植物が多肉植物なんです。一応、気孔はあって、光合成をするために二酸化炭素を吸収したりはしますが、そういう時に、霧だとか、空中湿度があれば水分を取り込みますけれども、乾燥している時は基本的に閉じているので、水分が自分の体から逃げないように溜め込んでいる時の方が多いですね。

ユーミン:昔、ナミビアの方で、すごく古い植物として、とにかく長〜く、水源まで根を伸ばすものとか・・・。

長田:「奇想天外」(という植物)ですね。

ユーミン:サボテンも、そういう古い植物の中に入るんですか?

長田:そうですね。昔からあるもので、「奇想天外」もそうですけど、古い個体なんかは2000年ぐらい生きてるんじゃないかっていうものもありますけれども、サボテンも同じですね。成長が遅くて、雨がすごく少ない場所に育つものなんかは、何千年も生きるサボテンもありますね。


m2 あなたに届くように
松任谷 由実

ユーミン:このサボテンたち、植物の中で、比較的世話のしやすいもの、手に入れやすいものとかを、お話しいただこうかなと思うんですけれど。

長田:管理の簡単なもので言うと、サボテンだと、「リプサリス」っていうサボテンがあります。これは南米のジャングルみたいなところで、土の上ではなく木の枝から育つサボテンなんですけれども、乾燥にも強くて、それほど強い光も必要とせず、室内で管理がしやすいサボテンです。

ユーミン:愛らしいです!
これとかは、若い女性とかはみんな飼いたい・・・“飼いたい”というか、“お手入れしたい”とか“愛でたい”と思うんじゃないかな。何だろう、植物の中でも、動物に近い気がします。

長田:そうですね。サボテンを育てている人は、爬虫類だとか、そういうのが好きな人は多い気がしますね。何か通じるところがあるのかもしれないです。

ユーミン:私も爬虫類、好きですね(笑)。
今日は『CACTUS(サボテン)』というコードでお送りしています。ゲストにお迎えしている長田研さんは、「多肉植物生産者日本一」と言われている方で、沼津にある「カクタス長田」では、タネを輸入して一から育てたり、交配して新たな種類を生み出したりしているそうなんですけれど、そもそも、長田さんと多肉植物の出会いは?

長田:私の父が、仕事としてサボテンと多肉植物を扱っていたので、もう物心ついた時から、周りに植物があるような環境で育ちました。

ユーミン:そんな中で、印象的なエピソードってありますか?

長田:子供の頃は、家の周りに温室があって、サボテンが普通に植っている中で遊ぶので、すごく大きな「金鯱」という、トゲの鋭いサボテンがあるんですけど、その上にお尻からぶつかっていっちゃったりとか、座っちゃったりとか、そういう痛い思い出は小さい頃からありましたね(笑)。

ユーミン:微笑ましいですね(笑)。お父様が育てていらした中で、新しい品種を作られたとか、そういうこともあるんですか?

長田:父が作ったわけではないですけれども、その頃、日本で「緋牡丹(ヒボタン)」というサボテンが作られて、それを日本国内のサボテン農家さんが増やして、ヨーロッパとかアメリカに輸出されていた時期があったんです。なので、日本で育てられたサボテンが海外に出荷されていく様子というのは、その頃から普通のこととして見てはいましたね。

ユーミン:余談なんですけれど、家のサボテンで、名前はわからないんですけれど、もう本当に不思議な形になっていて。仏様のようなんですよ。とても植物と思えないというか、“絶対、この人なんか知性ある”っていうようなものになっていたり(笑)。形が面白いですよね。
あるインタビューで、「自分が販売した株はわかる」っておっしゃってたんですが、個性が出るんですか?

長田:そうですね。同じ種類でも、なんとなく手癖が違うと、違う表情に育つので。

ユーミン:手癖?

長田:管理の仕方というか。

ユーミン:盆栽のように、何か矯正したりもされるんですか?

長田:「剪定」というのはありますけれども、どちらかというと、水やりの頻度だとか、その人の持っている温室の光の取り方だとか、温度の取り方とかによって、同じ種類でも、締まった作りだったり、色が鮮やかであったり、というように表情は変わってくるので、その辺は育てる人によって違いますね。

ユーミン:ご自身で育てた植物が愛おしすぎて、「手放したくない」っていうものもある?

長田:たくさんありますね(笑)。

ユーミン:長田さんは、サボテンや多肉植物を求めて世界中を旅してきたということなんですけれど、来週はぜひ、その話を聞かせてください。
では、今日のコード『CACTUS(サボテン)』をイメージした、私の曲をお届けします。


m3 HOZHO GOH(ホジョンゴ)
松任谷 由実

ユーミン:お送りしたのは、アルバム『U-miz』から、「美しいもの」とか、「良きものとの調和」という意味のナバホ族の言葉で、「HOZHO GOH(ホジョンゴ)」でした。

今日のゲストは、園芸研究家・多肉植物生産の第一人者、長田研さんでした。
とても寡黙な方で、でもそのぶん言葉とかじゃなくて、植物と対話してるっていう感じが、近くにいてすごくしましたよ。
あんまりそこには触れてくださらなかったんだけれど、前々から「サボテンはテレパシーがある」と感じていると聞いていまして、今日持って来てくださったたくさんの中から、特にテレパシーを感じる子を選ばせていただいて、育成していきたいと思います。“育成”とかと言うことがおこがましいような生命力、知性を持っているサボテンに今日は触れて、来週も触れられるのが、すごく幸せです。
引き続き、来週も長田研さんをお迎えして、サボテンを含む多肉植物の原産地を巡る旅のお話を伺います。

そして、現在、『松任谷由実コンサートツアー“深海の街”』第三期がスタートしています。
引き続き、新型コロナウィルスの感染状況をふまえて、スケジュールほか、最新情報を随時、アップデートしていきます。くわしくは、公式サイトで確認してみてください。

そして、デビュー50周年のリクエストベストアルバムへのリクエストとメッセージ、本当にありがとうございました!
アルバムのリリースに関する詳細は追ってお知らせしていきますので、どうぞお楽しみに。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。





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