Yuming Chord
松任谷由実
2022.06.10.O.A
♪Onair Digest♪

今週も、多肉植物生産者の第一人者、長田研(おさだ・けん)さんに、サボテンを含む多肉植物の世界をご案内いただきます!
今日のコードは「CACTUS(サボテン)」です。


■今週のChordは“CACTUS(サボテン)”

ユーミン:今日のコードは、『CACTUS(サボテン)』。
ゲストは、多肉植物生産者で園芸研究家の長田研(おさだ・けん)さんをお迎えしています。
長田さんは今回、ご自身の経営する「カクタス長田」がある静岡県沼津市から植物を車に積んで、はるばる120キロの道のりを駆けつけてくださいました。
先週もちらっと触れましたが、私がとっても気になることがあるんです。自分の家に長年いる多肉植物で、「大雲閣」という種類なんですけれども、今までたくさん株分けして人にも差し上げたりしながら、今も形を保って家を守っているような感じなんですね。結界を張ってるような感じで。先週もちょっとちょっとそういう話をして、長田さんにちょっと受け流されたような感じはあるんですけど(笑)、どうしてもね、キャラクターが、動物以上に人間のテレパシーを感じる植物のような気がしてならないんですよ。

長田:そうですね。植物って、特に何もしてあげなくても、気にかけてあげてるだけでもわりと応えてくれるところがあるというか、毎日特に世話をするわけでもないけれども、眺めていたり気にかけてあげたりしている時は、よくうまく育ってくれることが多いので、そういうものは何かあると思いますね。
出張に行った時に、大事な植物のことを忘れていると、戻った時に、今までナメクジの食害にあったことのない株が枯れていたりだとか、そういうことはありますね(笑)。

ユーミン:ほらね(笑)。私は、あまりにも自分の家の様子にピッタリの多肉植物があったので、それを2つ、1メートル30センチぐらいの高さのものを買ったんですね。(2つとも)同じようなものだったんですけど、“こっちが男の子”“こっちが女の子”みたいな、フェミニンな感じに枝が茂ってきて、片方が何かマッチョな感じになって、完全に対(つい)な感じになってたんですよ。それで、クリスマスになるとそれにイルミネーションを巻いて、長いことクリスマスツリーにしてたんですけど、そうすると、(植物が)喜んでいるように...日頃から楽しませてくれてるのを労っていることに応えてくれるような気がしていたことがあるんですけど。

長田:なるほど。カリフォルニアとかアリゾナでは、サボテンにクリスマスツリーのデコレーションをしたりします。

ユーミン:先週もお話しいただいたんですけれど、サボテンの原産地は主に北米・南米・中央アメリカ。多肉植物はアメリカ大陸とかアフリカやヨーロッパ・オセアニア・アジアで、広範囲にわたります。長田さんは海外の産地へも足を運ばれているそうですけれど、「聖地」と呼べるのはどこでしょう?

長田:多肉植物でいうと、南アフリカですかね。南アフリカの西ケープ州とか北ケープ州は、基本的に冬に雨季があって夏は乾季のところなんですけど、冬に育つ多肉植物が、ものすごくたくさんの種類が育っているんです。現地に小さな丘があるんですけど、そこに行って生えている植物を見ると、ものすごくたくさんの種類が生えていて、それぞれの種類を見ていくとなかなか前に進めないぐらいの密度と多様性があるところで、その一山を全部見るのに、多分、一週間かけても時間が足りないだろうなというようなところもあったりもしたので、南アフリカは、いくら時間があっても見きれないというか、そういう場所ではあります。

ユーミン:サボテンの聖地っていうと、やっぱり北米なんじゃないですか?勝手に西部劇のイメージとかを持ってるんですけど。

長田:アリゾナのツーソンという街に「Saguaro National Park」というところがあって、「ベンケイチュウ(弁慶柱、サグアロ)」という、西部劇で見るようなすごく大きな柱サボテンが育っているんですけども、そこは、その場所で何百年も育ってきたすごく立派な柱サボテンが林立しているところなので、一見の価値がありますね。

ユーミン:私は「ANNIVERSARY」という曲のPVを撮りにネバダ砂漠に行ったんですけれど、「デスバレー」といわれているあたりに「ジョシュア・ツリー」っていうのがあって、あれは多肉植物になるのかな?

長田:「ユッカ・ブレビフォリア」という植物ですね。

ユーミン:そこで撮影をしたのがすごく鮮やかに浮かんでくるんですけれど、砂漠の風景に似合いますね。


m2 ANNIVERSARY
松任谷 由実

ユーミン:植物の生産地に出かけると、環境破壊の影響も感じたりされますよね。

長田:そうですね。気候変動の影響なのか、元々雨量の少ない土地などでも、ここ何年も雨が降っていなかったり...ということが起きていて、乾燥しきってしまって、そこの植物が枯れてしまっている、というような状況は、何箇所かで見ましたね。
ある程度の範囲に生えている植物で、“生えている場所が移った”ということであればそれでいいんですけれども、多肉植物とかサボテンは、世界中を探してもその場所にしか生えていないという種類も多いので、いろいろ問題ですね。

ユーミン:長田さんが育てた植物は、100円均一ショップでも買えたりするって、本当ですか?

長田:はい。100円ショップさんにも卸しております。

ユーミン:じゃあ、みんな買って育てやすいですね。枯れたり病気になったりしない、丈夫な品種を教えてください。

長田:100円ショップに売ってる植物は、だいたい丈夫で育ちが早いものが多いものですから、そこで売られているものは初心者さんにもお勧めですね。

ユーミン:寿命はあるんですか?

長田:種類によりますね。「アガベ」という植物は、メキシコでテキーラの原料にするような植物なんですけど、これは一度花が咲くとその株は一生のサイクルを終えて枯れてしまうんですけれども、植物の場合は、花を咲かせる時に、だいたい子供がまた根元から吹いてきて、それをまた株分けをして、新しい株として育てることができるので、その株自体は枯れてしまいますけれども、また別の株として育てることはできますね。

ユーミン:ご家庭で育てる時に、そういう楽しみもありますね。買う時に大切にしたいポイントってありますか?

長田:植物との出会いは一期一会なところがあるので、お店で気になる植物があったら、気になったら買い時ですね。

ユーミン:何か惹かれるものがあるんですよね。そういうものを大事にすることも、“見えないものを見る力”が養われるんじゃないかなと思います。
興味深いお話を2週にわたって伺ってきましたが、最後に、サボテン・多肉植物の一番の魅力って何ですか?

長田:やっぱり、身近に置いて、草花ほどは頻繁に水をやらなくても、世話をしてあげなくても、丈夫に育ってくれるところは一番良いところなんじゃないかなと思います。あとは、いろいろな楽しみ方ができるところですかね。お店で植物を探して、かっこいい株だとか可愛い株をコレクションする楽しみもありますし。

ユーミン:すっごく小さいものとかもありますもんね。今日は小さいものを揃えてくださってますけれども、すごく小さいものとか、可愛いなと思っちゃいますね。

長田:そうですね。育てる楽しみもありますし、ちょっと上級者の方は、タネを取ったり株分けをしたり、増やして交換をしたりする楽しみもありますし、最近は植物のイベントなども多いですから、同じ植物好きの他の方との交流なんかも楽しめるので、そういうところも良いところだと思います。

ユーミン:お相手との関係にもよりますけど、プレゼントにもいいですよね。「あの人からいただいた株がこんなになってる」っていう、“育つ絆”みたいなものにも使ったらいいんじゃないかなと思ったりします。
長田さんの、生産者としての夢を教えていただけたら嬉しいです。

長田:より多くの方に、身近なところにサボテンや多肉植物を置いてもらって楽しんでいただくのが生産者としての想いですので、まずは手元に置いてもらって、そこから自分の好きな方に楽しみを広げていってもらえたらと思います。

ユーミン:私からも、サボテンを育てることをおすすめしたいなと思います。どこか心が豊かになるし、慰められるし、旅をしているような気持ちになれます。
ということで、今日のコード『CACTUS(サボテン)』をイメージした私の曲、「Mysterious Flower」を聴きながら、長田さんとはお別れです。ゲストは、園芸研究家で多肉植物の生産を手掛ける「カクタス長田」の長田研さんでした。どうもありがとうございました!

長田:ありがとうございました。


m3 Mysterious Flower
松任谷 由実

今日のゲストは、園芸研究家・多肉植物生産の第一人者、長田研さんでした。
目の前に小さなサボテンがあるんですけれど、そこを通して、私も旅の思い出、いろいろな風景、そして長田さんの旅された各地の風景が、そこにあるように蘇ってくるし、見えてきます。だからきっと、この番組を聞いて「私も育ててみよう」って思った人は、そういう“旅の世界”も広がると思いますよ。すごく癒されたし、夢が広がりました。
今日のお話を聞いてサボテンを含む多肉植物に興味を持った方は、ぜひ長田さんのインスタグラムや「カクタス長田」のサイトを見てみてください。

そして、現在、『松任谷由実コンサートツアー“深海の街”』第三期がスタートしています。
引き続き、新型コロナウィルスの感染状況をふまえて、スケジュールほか、最新情報を随時、アップデートしていきます。くわしくは、公式サイトで確認してみてください。

そして、デビュー50周年のリクエストベストアルバムへのリクエストとメッセージ、民放ラジオ99局の各局のリスナーのみなさんから届いています。
今、ひとつずつ目を通しているところですが、メッセージを送ってくださったみなさんに、感謝の気持ちでいっぱいです。
アルバムのリリースに関する詳細は追ってお知らせしていきますので、どうぞお楽しみに。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。





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