Yuming Chord
松任谷由実
2022.07.15.O.A
♪Onair Digest♪

ツアー最終日の余韻を感じつつ、今日のコードは「神戸にて〜Afterword of Concert Tour」です。


■今週のChordは“神戸にて〜Afterword of Concert Tour”

m1 空と海の輝きに向けて
荒井 由実

お送りしているのは、『松任谷由実コンサートツアー“深海の街”』のセットリストから、「空と海の輝きに向けて」。

先週土曜日、7月9日にツアーを終えたのが、ここ、神戸。
そして、私は今、千秋楽を迎えた神戸国際会館こくさいホールがある三ノ宮駅の隣、元町駅から歩いて10分ほどのところに広がる日本庭園・相楽園におじゃましています。

コンサートツアーは、2021年、9月30日の「よこすか芸術劇場」から第一期がスタート。
まだ、コロナの収束が見えない中でのはじまりでした。
祈るような気持ちで、「今日も無事、終えたい」「なんとか年内を終えられたらいいな」「ああ、終えられた」・・・。

そして苗場(『松任谷由実 SURF & SNOW in Naeba』)のリハを迎え、苗場での8ステージ。
でもね、苗場の最終日は、感染拡大を懸念して、1ステージだけ、中止にすることにしました。
でも今思うと、そのあたりでみんなの気持ちが引き締まって、良かったんじゃないかな。

そして、第二期は、『SURF & SNOW』を終えた3月、4月末までの20公演。本当にタイトでした。
ある週なんかは、鹿児島から青森まで移動して、また東京に帰ってくるとか・・・。
コロナの影響でツアー自体が1年延期になったことから、同じホールを続けて取れないんですよね。例えば、大阪8ステージだったら、フェスティバルホールを2公演ずつ分けて、東京も、国際フォーラムを3月から1ヶ月に1回ずつやったり。
でも、そのあいだにショーが成熟していくのを、やっている自分たちでも実感できるようになって。もっとも、お客さんが“鏡”だから、そこから自分たちのプレーやパフォーマンスを映し出して、確認していく日々で。

バンドのメンバーとかにも言ったんですけれど、「恩をきせるわけじゃないけれど、今回のツアーは、あなたたち、すごくスキルアップになったと思うよ」って。
なぜなら、コロナ禍ということで、ゆるくなったり厳しくなったり本当に波がありましたから、お客さんの感受性もすごく鋭くなっていたかもしれない。だから、1つのことを投げかけても、誤解を恐れず言うと、“豊かな反応”を返してくれた。そして、ツアーが成熟していったように思います。


m2 ANNIVERSARY
松任谷 由実

お送りしたのは、『松任谷由実コンサートツアー“深海の街”』でもパフォーマンスした1曲、1989年11月リリースのアルバム『LOVE WARS』から、「ANNIVERSARY」でした。

“死生観”というか、コロナ禍を経験して、今こうしているあいだも戦争が続いている、というような状況で、この曲の“いつかは会えなくなる、でも今、祝福されている”という感じが、私自身も、聴いてくださったみなさんにも伝わって、はっきり共有できた気がする、最たる曲でした。

『Yuming Chord』。今日は、先週土曜日に『コンサートツアー“深海の街”』の千秋楽を迎えた街、神戸からお送りしています。

そういえば、横須賀でスタートして、神戸で終わるという、『深海の街』のツアーのコンセプトにぴったりのロケーションでしたね。
そしてそれは、メタファーで、「1つの船に乗って、みんなで生や死を旅する」という、少しダークな内容かもしれないけれど、それだけに、希望の光が見えるようなツアーだったと思います。

さて、第三期は、ゴールデンウィークが明けてからスタートして、先週まで全21公演。そして合計63公演をすべて終えて、これは奇跡としか思えないですね。
この時代、この時期に、1つも欠けることなく無事に走り抜けたということは、目に見えないものを改めて信じる気持ちになりました。

一番印象に残っているのは、東北の地震にツアーの日程がぶつかった時。
交通が遮断されている中、現地まで行くわけなんですけど、機材を運搬してくれるスタッフさんたちが、福島に夜中滞在し、早朝盛岡にむけて旅立つ、というときに地震が起こったそうで、私が“フレディさん”と呼んでいるスタッフが、今までの経験値から「すぐ出るぞ!」って、夜中の12時頃にみんなを叩き起こして、すぐにトラックに乗って、出発したそうです。
道路に亀裂が入っているところを映画のように突破して、間に合いました。あと5分遅れていたら、通行止めになっていたそうです。

そのほかにも、「この人がこういう動きをしてくれなかったらツアーがスタックしていた」という出来事がたくさんある中で、無事、終えられたのは、いろんな人の、経験値と、愛と、そして見えないシェルターを作ってくれて、守ってもらえたからだと思います。

今回は、セットリストも『深海の街』に収録した曲が中心でしたが、選曲全体のコンセプトの1つの、“壮大な叙事詩”のような構成で、アルバムを作った時に感じていたよりもさらに、そのあと、さまざまな戦争や災害が起こり、アルバムで伝えたかった、言葉にできないメッセージが、よりリアルにステージ上の私には降りてきた気がします。


m3 深海の街
松任谷 由実

そして、今回のツアーの61本目は、7月5日、デビュー記念日当日に開催されました。
姫路市文化コンベンションセンター 「アクリエひめじ」で迎えた、アニバーサリーDay。
1972年7月5日にシングル「返事はいらない」でデビューしてから50年、です!

私本人よりも、周りの人たちが、「50年」という時間を重く感動的に受け止めてくれていたみたいで、それを見て、私も想いを新たにするような気持ちです。

改めて、ファンの人たちはもちろんですが、今まで関わってくれたスタッフや、その街、その街のプロモーター、イベンターさんたち・・・。
大々的な打ち上げはできなかったんですけれど、みなさん、全国からこのデビュー記念日に集まってくれて、リハーサル中に、階段のうしろの高いところに並んでいてくれて、ちょっと唖然というか、ボーッとしてしまいました。

1人1人の顔を見ると、その街が浮かんでくるんですよね。一瞬にして映像がバーっと浮かんできて、「こういう人たちに守ってもらって今日を迎えたんだな」と思いました。

こんな時代の、こんな世相の中、オーディエンスのみなさんとともに夢を共有したこと、現実を生き抜いてゆく勇気がわいてきたことに、今はただ、深く、感謝しています。
またいつかどこかで、直接歌声が届けられる日まで、これからも走り続けていきますね!

今日は「神戸にて〜Afterword of Concert Tour」というコードで、つい先週、全63公演を終えたばかりの『コンサートツアー“深海の街”』をふりかえりつつ、お届けしました。

今日は、ツアーの千秋楽を迎えた神戸の人気散策スポット、日本庭園・相楽園の中にある“THE SORAKUEN”の個室スペース、「相」からお送りしてきたんですが、ずっと気を張ってきた生活から解放されて、のびのび、ゆっくりとした時間を過ごせました。

引き続き、来週もここ、相楽園の庭園を散策したり、由緒ある「相楽園」について、お話をうかがったりします。

そして、いよいよ本格始動した、松任谷由実50thANNIVERSARY YEAR。
お知らせしたいこと、もりだくさん!なんですが、実は、私、『深海の街』ツアーを終えたばかりではありますが、プロデューサーの松任谷正隆が所属している大型新人バンド、「SKYE」のツアーに、ゲスト出演が決定しています。
7月20日は大阪フェスティバルホールにて、7月25日・26日は東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催されるんですが、「SKYE」の4人、鈴木茂さん、小原礼さん、林立夫さん、松任谷正隆のほか、スペシャルゲストとして尾崎亜美さん、奥田民生さん、そして、私も“荒井由実”として出演します。
興味のある方は、チェックしてみてくださいね。新人バンドだけど、腕は確かです!

そして、2022年12月8日から2023年2月26日まで、六本木ヒルズ・東京シティビューにて、「松任谷由実展(仮称)」の開催が決定しました。
こちらも今、お宝発掘中です!楽しみにしていてくださいね。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。







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