Yuming Chord
松任谷由実
2022.11.04.O.A
♪Onair Digest♪

秋の終わりのこの時期は､気持ちがちょっと内向きになることがあります｡そんなときに聴きたい｡
今日のｺｰﾄﾞは｢あの日にかえりたい｣です｡


■今週のChordは“あの日にかえりたい”

m1 あの日にかえりたい
荒井 由実
お送りしているのは､松任谷由実50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ､『ﾕｰﾐﾝ万歳！』から､2022年･最新ﾐｯｸｽで｢あの日にかえりたい｣｡
ｵﾘｼﾞﾅﾙは､1975年10月5日にﾘﾘｰｽした6枚目のｼﾝｸﾞﾙです｡

もともとは､TBSﾄﾞﾗﾏ『家庭の秘密』の主題歌として作って歌詞を書いたんですが､ﾄﾞﾗﾏの内容にあわない､といわれて歌詞を書き直した･･･といういわくつきの曲です｡
｢真夏の夜の夢｣もそうだったんですけど､歌詞をがらっと書き換えるとﾋｯﾄする！
これ､ﾕｰﾐﾝｿﾝｸﾞ“あるある”です｡

ところで！今日は11月最初の金曜日｡
年末年始の本格的な忙しさのちょっと手前の､ｴｱﾎﾟｹｯﾄのような日々｡
秋の終わりのこの時期は､気持ちがちょっと内向きになることがあります｡
そんなときに聴きたい､この曲が今日のｺｰﾄﾞ､｢あの日にかえりたい｣です｡

ﾘｽﾅｰのみなさんから募集したﾘｸｴｽﾄとﾒｯｾｰｼﾞをもとに作られた､私の50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ『ﾕｰﾐﾝ万歳！』｡
たくさんの方に聴いていただけているようで､心から感謝しています｡

実は先日､50周年と､1970年代から2020年代まで6年代でｱﾙﾊﾞﾑﾁｬｰﾄ1位の獲得記録を達成したということで､お世話になったみなさんに直接お会いしてお礼を伝える会を開催しました｡

6年代での記録を達成した際､喜びのｺﾒﾝﾄを発信したんですが､でも､この記録を誇りに思う反面､こんなことを感じたんです｡

｢前人未到の記録はうれしいものですけど､うれしさ2割､あとは“人生ってはかない”という切ない気持ちが今､心を占めています｣

そんなことを感じつつ､ｱﾙﾊﾞﾑ『ﾕｰﾐﾝ､万歳！』のﾋｯﾄは､これまで続けたきたことへの“ご褒美”だな〜､としみじみしていたところ､思いがけず､さらなるご褒美をいただく運びになりました｡
ﾆｭｰｽでもとりあげられていましたが､2022年度の文化功労者に選出されまして､その際に､こんなｺﾒﾝﾄを発表しました｡

｢この国も災害やｺﾛﾅ禍に見舞われ､いやが上にも歌の持つ役割を問われたとき､私ははっきりと､それは､（明るさ､豊かさ､潤い）を聞き手の心に送ることだと自覚しました｣

思い出や記憶が､心の豊かさや潤いになる｡
そこにひもづく歌が私の歌だったら､これ以上の幸せはないなと改めて思います｡

『Yuming Chord』｡今日は､50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ『ﾕｰﾐﾝ万歳！』から､ｾﾝﾁﾒﾝﾀﾙな気分になる曲を集めてお送りしていますが､これもきっと､そんな1曲｡
｢SWEET DREAMS｣｡
m2 SWEET DREAMS
松任谷 由実
お送りしているのは､1987年11月5日にﾘﾘｰｽされた22枚目のｼﾝｸﾞﾙで､ｱﾙﾊﾞﾑ『ﾀﾞｲｱﾓﾝﾄﾞﾀﾞｽﾄが消えぬまに』にも収録された1曲､｢SWEET DREAMS｣です｡

この曲のｾﾝﾁﾒﾝﾀﾙﾎﾟｲﾝﾄは､かつて恋人同士だった二人が映っている写真｡

写真､といえば､現在好評発売中の小説､『すべてのことはﾒｯｾｰｼﾞ 小説ﾕｰﾐﾝ』を書いてくれた山内ﾏﾘｺさんと共に訪れた実家で､これまで存在することさえ知らなかった家族写真を見たときは､sentimentな気分になりましたね｡

この小説のための取材を受けていて､思いがけず開いた記憶の扉もありました｡

最後に､もう一冊､小説といえば､今年の夏に発売された新潮文庫『Yuming Tribute Stories』｡
人気作家のみなさんが､私の曲のﾀｲﾄﾙにｲﾝｽﾊﾟｲｱされて書きおろしてくれた短編を集めたものなんですが､小池真理子さんの｢あの日にかえりたい｣には､こんな一節がでてきます｡
｢感傷､というのは､膨大な時間の流れを往き来することだ｡往きっぱなし､ということはない｡生きている以上､今現在に戻ってこなければならない｡｣

まさに､この一節のとおり､私も感傷に浸ることはありますが､ちゃんと今現在に戻ってきて､創作への意欲を絶やさず生きていきたいと思います！

ではここで､松任谷由実50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ『ﾕｰﾐﾝ万歳！』から1曲｡｢ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる｣｡
m3 ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる
松任谷 由実
お送りしたのは､『ﾕｰﾐﾝ万歳！〜松任谷由実50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ〜』から､｢ﾘﾌﾚｲﾝが叫んでる｣2022MIXでした｡

今日は､｢あの日にかえりたい｣というｺｰﾄﾞで､『ﾕｰﾐﾝ万歳！〜松任谷由実50周年記念ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ〜』の中から､郷愁を誘う曲を集めてお届けしました｡

実は今､12月8日から東京ｼﾃｨﾋﾞｭｰで開催される展覧会､｢YUMING MUSEUM｣の準備中で､実家や事務所にあるお宝を探したりしているんですが･･･｡なんだか､ﾃﾞﾋﾞｭｰ50周年の節目に､｢人生ここらで整理整頓しなくちゃ､ﾃﾞｰﾀが重すぎて先に進めない｣という気分で､過去と向き合っている日々ですが､｢YUMING MUSEUM｣､私自身も楽しみにしています！

そして､ﾍﾞｽﾄｱﾙﾊﾞﾑ『ﾕｰﾐﾝ万歳！』で､2022年･最新の音をお届けしたからには､これをﾗｲﾌﾞでどこまで再現できるのか･･･？新たな挑戦がｽﾀｰﾄします｡
来年ｽﾀｰﾄするﾂｱｰﾀｲﾄﾙは､『50th Anniversary 松任谷由実ｺﾝｻｰﾄﾂｱｰ The Journey』！
第1期､2023年5月から8月までの日程はすでに発表されていますが､ﾁｹｯﾄ発売など､詳細は松任谷由実ｵﾌｨｼｬﾙｻｲﾄでご確認ください｡

さらに！『SURF&SNOW in Naeba』も､来年2月6日から､全8公演の開催が決定しました｡
題して､｢yuming 50th year anniversary all about surf&snow special naeba 2023｣｡
こちらも､ｱﾘｰﾅﾂｱｰ同様､祝祭ﾑｰﾄﾞいっぱいのｽﾃｰｼﾞになるはずです｡
ﾁｹｯﾄの一般発売は来週の金曜､11月11日の午前11時からの予定なので､『Yuming Chord』を聴きつつ､ﾁｪｯｸしてみてくださいね｡

そのほか､私の最新情報や近況は､私の公式ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞやﾂｲｯﾀｰ､ｲﾝｽﾀｸﾞﾗﾑなどでお知らせしています｡
ぜひ､ﾁｪｯｸしてみてくださいね｡
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