Yuming Chord
松任谷由実
2023.02.10.O.A
♪Onair Digest♪

旬を迎えた野菜を食べて、デトックスした〜い!
今日のコードは「精進料理〜調う暮らし」です。


■今週のChordは“精進料理〜調う暮らし”

m1 Don't Know Why
Norah Jones

2002年のヒット曲から、お送りしているのは、ノラ・ジョーンズで「Don't Know Why」。
そんな1曲でスタートした、「Yuming Chord」。
暦の上で春、といっても、まだまだ感じる冬の名残り。
私も、現在「SURF & SNOW in Naeba Vol.43」の雪山生活で、春はもう少し先・・・そんな気分ですが、身体は春の味わいを欲しています。
旬を迎えた野菜を食べて、デトックスした〜い!
と、いうわけで今日のコードは、「精進料理〜調う暮らし」です。

苗場生活では、もちろん、まったく食べられないというわけではないんですが、やっぱりいつもよりは、お野菜が不足気味。そんなわけで、しみじみ、野菜が恋しい。
そんなわけで、お野菜中心の「精進料理」が今日のコードなんですが、「精進料理」とは、もともとは「禅」の修行をする者が食べる料理のこと。
この場合の“精進”とは、ひたすら仏道の修行に励むことを意味するわけですが、食事を整える、つまり料理をすることも、食べて味わうことも、修行のひとつなんだそうです。

禅宗の寺院で修行僧たちが食前に唱える「五観の偈」という教えがあって、目の前にある食事がどこで生まれて、どんな人の働きで作られてきたのか、思いをはせて感謝すること。迷いや過ちを犯さず心を正しく保つため、必要な分で満足し、むさぼろうとしないこと。仏道を成就するという目標のためにも、身体を養う食事を大切にし、薬だと思うこと・・・と、いうことで、いかにも修行!という感じです。
俗世を生きる私たちは、これをすべて実践しなくとも、知っておくことは大事かもしれないですね。

私にとっての食事は、この教えに近いところがあるかもしれないです。

精進料理といえば“菜食”というイメージ。仏教の規律では殺生が禁じられているというのもありますが、“悪を避けて、善(よいこと)を行う努力をする”のが精進。
それが、肉類を食べないという意味に転じたといいます。
また、匂いや刺激の強い物・・・ニラやニンニク、ラッキョウなども使いません。

そのほか精進料理のコードとして、基本的には地元でとれる旬のものを使う、食材をすべて使い切ること、素材のもつ味わい、香り、色なども活かす、盛り付けにも工夫すること、などなど。

盛り付け、大事!!!私もふだん、ここにかなり力を入れています。

ルールにのっとって作るのは大変ですが、季節の変わり目には、旬のお野菜を使ったゆるーい精進料理、食べたくなりますよね。
ではここで、今日のコード「精進料理〜調う暮らし」にちなんだ1曲を。


m2 I Can't Tell You Why
Eagles

『Yuming Chord』、お送りしたのは、イーグルスで「I Can't Tell You Why」でした。

『Yuming Chord』。今日は「精進料理〜調う暮らし」というコードでお送りしています。
精進とは、ものごとに精魂をこめて、ひたすら進むこと、そんな定義もあります。
ビジネス上の会話なんかで、「精進いたします!」なんていう言葉を聴きますが、そう簡単に口にはできない、覚悟が要るひとことですよね。

「精進する」という言葉について知れば知るほど、軽々しく使えませんね。

でも、こうしてデビュー50周年を迎えた今、楽しくもあったけれど、ある意味、私にとっては修行のような日々もあったな、と思ったりします。

とはいえ、本当の「精進料理」なんて、家庭ではなかなか作れないですよね。
そこで、どこかで食べさせていただくことになるわけですが、「精進料理」は今や和食のひとつ。
旬の野菜や豆腐類、穀物などを使う「べジフード」が食べられる和食屋さんは、たくさんあります。

ヘルシー志向の世の中、ゆるーく精進料理生活を実践している方、案外多いような気もしますが、そもそも、仏教のひとつでもある「禅宗」は、今からおよそ2500年前、釈迦がインドのブッダガヤで開いた悟りを、経典などの文字に頼ることなく、直接体験しよう!というものなんですって。
そんなことから、精進料理を味わうだけでなく、座禅を組んでみたり、写経をしてみたり、ふだんの生活に禅の習慣を取り入れている方も多いですよね。

例えば座禅は、姿勢を調え、呼吸を調えることで心が調うといいます。
ゆっくりとした腹式呼吸は、感情の爆走を防いだり、セロトニン神経を活性化することから、ストレスを受け流して、精神を安定させる効果もあるらしいです。
さらに、曹洞宗の開祖、道元いわく「思考のとらわれから自己を解き放つ」のが座禅の法。
自分を客観視するひとときって、大切です。

写経も、心を落ち着けて墨をすったり、ひと文字ひと文字を慣れない筆で書くことで、言葉に宿る意味を深く味わったり、心が洗われてスッキリしたりするといわれます。

文字を書く、っていうのもある種のセラピー。
今、六本木ヒルズの東京シティビューで開催中の「YUMING MUSEUM」でも、歌詞を試行錯誤した手書きの原稿用紙や、清書したものが展示してありますが、私の創作活動に「手書き」は欠かせないものですね。

余談ですが、脳トレゲームの開発で有名な川島隆太教授の研究では、ゲームやスポーツなど160種類ほどの作業の中で、脳が顕著に活性化したのが、写経だったそうです!
ご先祖様の供養や、心願成就や平和を願う写経・・・、興味がわいてきました。

そして、私たちの生活にとけこんでいる“禅の言葉”というのも色々あるようで、「一期一会」「知足(ちそく・足るを知る)」、「日々是好日」などなど。
今日がどんな日であっても、よい日だと思って一日を大切に味わおう。日々、色々ありますが、今、目の前にあることに一心に取り組みなさい、というのが教え。

では、「精進料理〜調う暮らし」というコードにちなんだ、私の曲を。


m3 散りてなお
松任谷 由実

お送りしたのは、2020年12月リリースのアルバム『深海の街』から、「散りてなお」でした。

今日は、「精進料理〜調う暮らし」というコードでお話してきました。
ただいま、苗場での合宿生活ですが、お野菜もなるべく多く摂るようにして心身を調えて、ステージを最後までやり遂げたいと思っています。

現在開催中の「SURF & SNOW in Naeba Vol.43」。
「yuming the 50th year anniversary all about surf & snow special naeba 2023」、今回は、デビュー50周年のメモリアルイヤーにふさわしい、めくるめくひとときをお届けしています!
こちらの模様は、Net Resort in Naeba「Y-topia」にてお楽しみいただけます。
オンデマンド配信ほか、スペシャルなコンテンツ満載!
くわしくは、公式サイトでチェックしてみてくださいね。

さらに、今年の5月からは、全国アリーナツアー、 『50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー The Journey』へ。
こちらも着々と準備が進んでいますので、どうぞお楽しみに。

また、六本木ヒルズの東京シティビューで開催中の展覧会、『YUMING MUSEUM』は、今月26日までとなっています。
レアな手書きの五線紙や、貴重な写真、ステージ衣裳、そして、本邦初公開のレアアイテムを展示しています。
ミュージアムグッズも充実の品揃えです。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。



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