Yuming Chord
松任谷由実
2023.03.17.O.A
♪Onair Digest♪

今日のコードは、先週に引き続き、「春の空を見上げて」。
ゲストは、気象キャスターの斉田季実治さんです。


■今週のChordは“春の空を見上げて”

ユーミン:今日のコードは、先週に引き続き、「春の空を見上げて」。ゲストは、気象キャスターの斉田季実治(さいた・きみはる)さんです。よろしくお願いします。

斉田:よろしくお願いします。

ユーミン:大学在学中に、気象予報士の資格を取得した斉田さん。
卒業後、民放の報道記者や気象会社などを経て、現在は、NHK『ニュースウォッチ9』の気象キャスターとして活躍されています。
天気予報って、プレッシャーを感じますよね?

斉田:そうですね。(最近は天気予報が)当たるようになってきたので、逆に外れるとクレームも入るようになってきたと思います。

ユーミン:やっぱり“クレーマー”っているんですね。

斉田:晴れる予想で雨が降ったりすると、「洗濯物が雨に濡れたじゃないか」とかのクレームが(笑)。

ユーミン:斉田さんが傘を持たずに雨に打たれて歩いているのは、やっぱり気まずいかもしれないですね(笑)。
ちなみに、降水確率が何%あったら、傘を持つべきなんですか?

斉田:地域によっても違うんですが、例えば東京の場合は、1年間のうちに雨が降る日数は110日ぐらいなんです。だから、大体30%ぐらいの日は雨か雪が降っているので、それ(30%)より高ければ、ちょっと降水確率が高めかな、と思っていただいた方がいいかもしれないです。

ユーミン:今思い出したんですけど、金沢によく行くんですが、金沢では「弁当忘れても傘忘れるな」と言いますよね。

斉田:言いますね。冬の日本海側は雨や雪が降ることが多いので、そういう時期にそういう言葉を言ったりすると聞いたことがあります。
正直、私などは、雨に濡れているのを見られるとマズいので・・・。

ユーミン:本当に!?冗談で言ったんですけれど(笑)。

斉田:小さい折り畳み傘は必ずカバンの中に入っています(笑)。

ユーミン:それにしても、春のお天気は変わりやすいイメージですよね。なぜでしょう?

斉田:東京の場合は、特に冬は西高東低の冬型の気圧配置で晴れる日が多いんですが、春になってくると、低気圧と高気圧が交互にやってくるので、天気も周期的に変わったり、気温も暖かくなったり寒くなったり、ということが多くなってくる時期ですよね。

ユーミン:「三寒四温」とか言いますけれど、寒い日は本当に寒いですね。

斉田:やっぱり変化が大きいですよね。「春の3K」とか「春の4K」とか、聞いたことはありますか?
(春は)「K」がつく言葉が多くて、「強風」とか「乾燥」とか「花粉」とか「黄砂」。あと、「寒暖差」もそうですね。
やっぱり、そういう変化が大きい季節ではあります。

ユーミン:あと、「桜」にまつわる季語は色々あるんですけど、前から不思議に思っていたのが、「花冷え」。桜が咲いているときに、本当に底冷えするときがあるじゃないですか。

斉田:3月とか4月の初め頃というのは、低気圧と高気圧が交互に来るので、暖かくても急に寒くなることがあるんですよ。
ですから、おそらく、花見などで外に行こうとしていると寒くなったりするので、“すごく寒くなった”と感じるのかもしれないですね。


m2 経る時
松任谷 由実


ユーミン:この曲は、桜はまだ咲いていない状態だけれども、でも、少しだけ赤みを帯びている蕾を見ながら、みんなが「桜だ」ということを忘れていても、そのうち咲き誇って、また散っていくよ・・・という歌です。
お送りしたのは、アルバム『REINCARNATION』から、「経る時」でした。

ユーミン:斉田さんは、星空案内人、通称“星のソムリエ”の資格も持っているそうですが、それを機に、さらに遠い場所の気象「宇宙天気」にも思いをはせているとか。
先日、JAXA宇宙飛行士候補者選抜の結果がニュースにもなっていましたが、宇宙にも天気の変化があるんですってね。

斉田:はい。太陽と地球の間の宇宙の環境の変化のことを「宇宙天気」と呼んでいます。
普段、太陽って、暖かさとか光とか“恩恵をくれるもの”のイメージが強いと思うんですが、実際には、頻繁に爆発が起きてるんですよね。「太陽フレア」と言うんですけれども、そういう、太陽フレアやオーロラの原因となる「磁気嵐」というものがあるんですが、そういうものが「宇宙天気」になります。

ユーミン:どういう影響を及ぼすんですか?

斉田:宇宙天気は、「文明進化形の災害」と言われているんです。
宇宙利用がどんどん進んでいったことによって、影響が大きくなってきています。過去にも、人工衛星が墜落したり、カナダやアメリカでは大規模な停電が起きたりしています。
基本的には社会のインフラに影響を与えるんですが、それが一般人の生活にも影響してくるのに、まだ知らない人が多いので、(宇宙天気について)知ってもらおうということで、私も関わって活動しております。

ユーミン:「みんながわかる」「みんなが興味を持つ」という段階になるには、どのくらいの年月がかかるんでしょうか。“興味を持たざるを得なくなる”というか。

斉田:実は、太陽の活動って、11年周期で活発になったりしているんですね。

ユーミン:そうなんですか。

斉田:次に活発になるのが2025年。もうすぐなんですね。10年前と現在では宇宙利用は大きく変わってきていて、例えば、一番身近で言うと、GPS。
今は、みんなスマホで(GPSを)利用できるので、私も、今日スタジオに来るときにGPSを見ながら来たんですが、(宇宙天気によって)そのGPSに影響が出てしまうことが、今、一番懸念されています。
今、ドローンとかで荷物を運ぶのにもGPSが使われていますし、車の自動運転などもGPSなので、それが乱れると事故に繋がる恐れもありますので、今、注目というか、必要なものになってきています。

ユーミン:今も刻々と文明は進化し続けていて、そんなことを言っちゃうと怖いけれど、“臨界点も来るのかな”って、お話を伺いながら考えていました。でも、それに対応していくのが人間なんですけどね。

斉田:そうですね。先ほど、JAXAの宇宙飛行士候補者選抜の話もありましたけど、月に行ったり火星に行ったりすれば、そこの環境も宇宙天気みたいなものだと思いますので、どんどんそういう情報が必要にはなってきますし、対応していくのだと信じたいですね。

ユーミン:最後に、斉田さんが今後目指していきたいことや夢を聞かせてください。

斉田:気象に関わっている人は大体そうかもしれませんが、「災害で命を落とす人を限りなくゼロに近づける」ということがミッションだと思っています。
そのためには、ニュースや天気予報を見ない人にも情報が届かないと、災害で命を落とす方はなくならないと思いますので、違う方法でも色々と(情報を)知ってもらう活動は大事だと思っています。
そういう意味では、一昨年の朝ドラ(連続テレビ小説)の「おかえりモネ」で気象考証をしたり、今回、こうやって呼んでいただいたこともそういう(知ってもらう)ことに繋がると思いますので、すごく嬉しく思っています。
あと、宇宙天気でいうと、「“宇宙天気予報士”という資格を作りましょう」と私の方で提案していて、そのための取り組みをしているところです。

ユーミン:子供の頃から、雹が降ってくるとびっくりしたんですけれども、あれはどうして降るんですか?

斉田:雹も、雷や竜巻と一緒で、積乱雲の中で発達するんですね。氷の粒が積乱雲の中で落ちてきて、でも、雲の中なので、「上昇気流」という上に上がる風があるんですけど、それで行ったり来たりするうちにどんどん大きくなって、直径が5mm以上になると「雹」と言うんです。その、上に上がっていく空気の流れも突き破って大きくなると、ドンっと(雹として)落ちてきます。
過去には、カボチャくらいの雹が落ちてきたという記録が、日本にもあります。

ユーミン:夢がありますね。ひとまずは、夜9時からの「ニュースウォッチ9」での斉田さんを、ウォッチしていきたいと思います!「Yuming Chord」、ゲストは気象キャスターの斉田季実治さんでした。どうもありがとうございました!

斉田:ありがとうございました。楽しかったです。


m3 夜明けの雲
松任谷 由実

今日は、先週に引き続き、気象キャスターの斉田季実治さんを迎えして、春の空の楽しみ方や、最新の「宇宙天気」について、色々と伺ってきました。
今年は、予報どおり花粉の量も多くて、周囲も含めて、憂鬱な春になっている人も多いですけど、やっぱり、春の訪れは心おどるもの。
しっかりと対策をしながら、春ならではの風景を楽しめたらいいですよね。

それにしても宇宙天気・・・ロマンがありますよね。
視野がぐん!と広がって、地球の一市民として、未来についてあれこれ想像する楽しみが増えました。
宇宙への旅とか、移住とか、遠い夢じゃないのかもしれません。

斉田さん、興味深いお話、ありがとうございました!

そして、私も、いまだ見たことのない旅へ、みなさんをいざないますよ!
デビュー50周年を記念した全国アリーナツアー、大和証券グループpresents 50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」。
5月13日(土)14(日)神奈川・ぴあアリーナMMからスタートして、12月まで約52公演を予定しています。

ツアーの詳細や今後のスケジュール、そのほかの最新情報は、私の公式サイトツイッターFacebookインスタグラムをチェックしてみてくださいね。



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