今月ご乗船いただいているのは、作家の椎名誠さんです。

椎名さんは「さらば国分寺書店のオババ」で作家デビューをされ、純文学からSF小説、紀行文、エッセイなど幅広い作品を発表。
世界各国を巡る旅の達人であると同時に、写真の達人でもあり、旅にまつわる書籍を数多く発表されていらっしゃいます。


ー 男の子も女の子も足腰の丈夫な健康ないい子に育つでしょうね ー


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干場「今日はどちらへ行かれたお話を聞かせていただけますでしょうか?」

椎名「メコン川ですね。昔、上流から下流まで行ったことがあるんですけど。
上流は雲南省とかチベット、中流域になるとラオスとかタイになってくるんですね」

干場「そうなんですね」

椎名「聞くと『ラオスは何もないよ』って言われるんですけど、僕は行って良いと思いましたね」

干場「実際にどんなところが?」

椎名「日本人が外国に行って『何もないよ』って言うのは、観光名所とかショッピングゾーンがあるかないか、みたいなもんでしょ。
そういうのは一切ないんですよ。だけど、もっと良いものがいっぱいあるんですよ。
例えば露天商ね、実用着だったり実用の靴だったり、すべてお土産じゃないんですよね」

干場「実際に生活するための物があるんですね」

椎名「デザインを見るとエキゾチックな感じがして、日本で言う何でもある、何もないの意味が違うんじゃないかと思いました」

干場「なるほど」

椎名「僕が感心したのはインドシナ半島はビーフンから作るフーとかフォーとか、茹でて30秒であげないと伸びちゃうみたいなね
春雨を麺にしたような…これが美味かったですね」

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干場「はい」

椎名「いつも客が入ってましたね。出来るのも早いんですよ、座って2分か3分で出てくるんです。
熱いスープにパクチーとか野菜をたくさん入れて、汗ダラダラになりながら食べるんですよ。3杯は食べられますね」

干場「3杯ですか(笑)」

椎名「実際に面白いのは、そこからさらにカンボジアの方に下っていく時に、途中でラオスの原住民にいっぱい会うんですよ」

干場「そうなんですね」

椎名「昔のトラディショナルな衣服を着ていて、昔のまんまの生活をしている人たちがけっこう優しくてね」

干場「いつぐらいに行かれたんですか?」

椎名「12〜13年前くらいですね」

干場「12〜13年前でも、そんなに昔から変わらない格好をされているんですね!」

椎名「ああいう少数民族は変わらないですよ。僕が一番感心したのは子供が首からパチンコを下げているんですよ。
何を狙うかというとリスとかキジとか小動物。それを捕まえてその日の夜のおかずにするんですよ」

干場「子供たちが狩りをするんですか!」

椎名「かっこいいですよ、メコン川の厳しい流れの中にバンバン潜っていって10メートルくらいのところの淵には50センチくらいのナマズがいるんですよ。それも夜のご飯になるんですね」

干場「なるほど〜!」

椎名「女の子は、メコン川から生活用水を毎日運ぶんですね。それが部落の家まで行くのに片道10分くらいかかるんですね。
小学生高学年から中学生くらいの女の子です、男の子も女の子も足腰の丈夫な健康ないい子に育つでしょうね。そういうのが新鮮で感動的でもありますよ」

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「世界で最も美しいと船旅 沿岸急行船」

くぼこまき:世界で最も美しいと言われている船旅をご紹介します。それはフッティルーテン社というところが運営している、沿岸急行船というものです。沿岸急行船は、ノルウェーの西海岸を結ぶ船で、34箇所の港に寄港しながら12日間で往復をする定期船なんですね。
ノルウェーの人たちにとって大切な物資を運ぶ定期船になっていまして、半分は荷物なんですけど、空いている半分を客船として利用しています。
大型のクルーズ船では訪れない小さな港にも寄港しますし、そういった港に降り立ちますと、ノルウェーの日常の生活を垣間見ることができるんですね。

場所的にノルウェーですので、途中北極圏を通ったりするんですね。最も美しい航路と言われているわけはそこにもありまして。見渡す限りフィヨルドに囲まれた感じになっています。あとは何と言っても、外に出たときに見えるオーロラ!
この地域は大小様々な島々が浮かんでいる「ロフォーテン諸島」というところがありまして、こちらも険しい岩山が連なって立っているように見えまして。まるで、アルプスが海に沈んでいるような光景と言われるほど、とにかく絶景なんですね。

エクスカーションも独特でして、犬ゾリ体験とか、タラバガニサファリというのもありまして。
タラバガニを捕る体験をして撮ったカニと記念撮影をしたり、普通のクルーズ船では体験できないものがたくさんあります。あとはとにかく食事が美味しいことで有名でして、地元のサーモンですとかトナカイのお肉なんかも出てくるんですよ。