Dream Heart(ドリームハート)

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REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.237 ジル・ロマンさん

2017年10月14日

今週お迎えしたのは、先週に引き続き、スイスにあるモーリス・ベジャール・バレエ団の芸術監督 ジル・ロマンさんです。

1960年、フランス生まれ。
7歳でバレエを始め、当時、フランスの天才振付家と呼ばれていた、モーリス・ベジャールが設立した
20世紀バレエ団、今の「モーリス・ベジャール・バレエ団」に、1979年入団。
「未来のためのミサ」という公演で主役に抜擢され注目を集めます。

以降、『ハムレット』、『ニーベルングの指輪』、『バレエ・フォー・ライフ』など、
ベジャールのほとんどの作品で、重要な役を踊るようになります。
当時、その陰影のある演技とシャープなダンスは、衝撃的だったそうです。
そんなジル・ロマンさんにお話を伺いました。


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──手紙の答え

茂木:モーリス・ベジャールさんは東京バレエ団と深い関係があり、今回も11月22日、23日に、ベジャール・セレブレーションという公演が東京文化会館で、モーリス・ベジャール・バレエ団と東京バレエ団の特別合同ガラという形で行われます。
ベジャールさんは、歌舞伎などの日本のモチーフを取り入れた作品も発表されていますが、日本に対する興味は横から見ていてどういう感じだったのでしょうか?

ジル・ロマン:確かに、モーリス・ベジャールは日本が非常に好きでした、『前世は、自分が歌舞伎俳優だったんじゃないか』と、よく言ってました。モーリス・ベジャールのおかげで、僕自身、日本のことを知ることもできました。
ベジャールバレエ団と、東京バレエ団は深い関係が続けています。今回も、ベジャール・セレブレーションのタイミングで、複数のモーリス・ベジャール作品の抜粋を、両方のバレエ団で一緒に踊るということを考えています。

茂木:ベジャール・セレブレーション、本当に期待が高まるんですけど。
演目なんですけど、第一部が「テムエバリアシオン」これは、ジル・ロマンさんご自身の振り付けということなんですけど、どういう作品になりますでしょうか?

ジル・ロマン:ある時期、モーリス・ベジャールはたくさんの手紙を僕に書いたことがあります。
ツアーに出かけて、ある日起きると、扉の下に手紙が置いてあったりということもよくありました。ですが、常に一緒にいましたので、その手紙に対して僕は返事は書きませんでした。
ですけれども、今も手紙を読み返すことがよくあります。今回は、その手紙にダンスを通して答えたいと思ったのがきっかけになった作品ですね。
この作品を通して、今のカンパニーのニュースを伝えたいなと思いました。

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──伝統と革新

茂木:モーリス・ベジャール・バレエ団は、革新的な新しい芸術性を開いてるバレエカンパニーだと思うんですけど。
一方で、クラシックバレエの伝統的な様式も受け継いでらっしゃいますよね。モーリス・ベジャール・バレエ団における、伝統的なものと革新的なものというのは、どういう形になっているのでしょうか?

ジル・ロマン:伝統というものは生きているものです、クラシックバレエというのはひとつの技術です。
例えば、マイルス・デイビスも音楽院で勉強しています。同様にクラシックバレエというものはテクニックなんですけど、その先はそれぞれの創造力によって発展していくものだと思います。
技術というものに捉われるのではなく、今の時代を表現していくか可能にしてくれるものでないといけないと思っています。伝統は過去のものではなく、ひとつの道であって、これからの道を可能にしてくれるものなんです。
今感じているものを表現することを、可能にしてくれるものでなければいけないと感じています。

茂木:21世紀において、文化はグローバルに混ざり合っていくものだと思うんですけど、一方でローカルなものもあって、20世紀バレエ団はブリュッセルにあったと思うんですけど、モーリス・ベジャール・バレエ団はスイスのローザンヌということで、ローザンヌにベースがあるということの意味は、どのようにお考えですか?

ジル・ロマン:拠点を移した時には、モーリス・ベジャールが求めていたことがブリュッセルでは手に入らなくなったというのが直接的な理由でした。その時に迎え入れてくれたのが、ローザンヌだったということがあります。
ローザンヌは素敵な場所ですし、素晴らしいスタジオもあり、仕事を進めていく上ですべてが揃っています。
ですけれど、それ以上に場所自体に意味がないのではと、僕は考えます。仕事がきちんとできる環境であればいいと思います。ローザンヌという場所は、私たちが仕事をし、発展することを可能にしてくれました。

茂木:日本において、バレエ、ダンスという芸術が、どのように発展していくか、ジルさんは今後、東京との関係をどのようにされていこうと考えていますか?

ジル・ロマン:物事は変遷して、発展していくものだと思います。毎日新しいアーティストが生まれ、自分の時代に合った表現をしていく、自分の時代のエネルギーを表現していくものだと思います。自分自身もそうだし、日本の皆さんもそうだと思います。
伝統的なものを尊重しながら発展していくということは、同時にできることだと思います。僕自身、ニック・ケイブが好きでありながら、モーツァルトも好きである、そういう中で自然に発展、進化をしていくと思います。
新しいものと伝統的なものは、相反するものではないと考えています。

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「モーリス・ベジャール・バレエ団/NBS日本舞台芸術振興会」

※チケットのご購入などは、上記のサイト、「NBS日本舞台芸術振興会」でご確認ください!

来週は、クロスフィットトレーナーのAYAさんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。
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