Dream Heart(ドリームハート)

土曜22:00-22:30 TOKYO FM/全国38局でON AIR 各局放送時間

REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.240 井上涼さん

2017年11月04日

今週お迎えしたのは、アーティストの井上涼さんです。

井上さんは、1983年、兵庫県生まれ。
金沢美術工芸大学デザイン学部をご卒業されていらっしゃいます。

金沢美術工芸大学の卒業制作作品「赤ずきんと健康」が
若手クリエーターの登竜門的コンテスト、BACA-JAの映像コンテンツ部門で佳作を受賞。
また、トロントジャパニーズショートフィルムフェスティバルで、映画祭賞も受賞され、注目を集めます。

大学卒業後は、アートディレクターとして広告代理店に就職されますが、
その後、独立。

2013年から、NHK Eテレで、 世界の「びじゅつ」を、
自作の歌とアニメで紹介する、「びじゅチューン!」の放映が開始され、現在に至ります。

そんな井上涼さんに、お話を伺いました。


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──アニメができるまで

茂木:井上さんが制作されているところの映像がネット上にあったので拝見したんですけど、ものすごい手間がかかりそうですね。

井上:そうですね、1枚1枚描いていかないといけないので。
1分半くらいの映像が多いんですけど、1分半で、4〜500枚描くので。それを単純に5倍すると2000枚とかになると思うんですけど。
私の場合は絵を簡単めにしてるので、世のアニメはもっと大変だろうと思います。

茂木:だいたい、1分半だと制作期間はどれくらいなんですか?

井上:3ヶ月で、3本のペースで同時で作っていくので……。

茂木:いずれにせよ、1ヶ月で1本のペースですよね。その間は、ずっとアニメのことが頭の中にある感じですか?

井上:そうですね、仕上がるまではずっと頭のどこかにあるっていうことですね。

茂木:子供達もアニメとか好きですから、自分で作ってみたいなっていう人はいると思うんですけど。
ちなみに、機材って一揃えするといくらぐらいかかりますか?

井上:いろんなグレードがあると思うんですけど、10万円くらいはかかってしまうと思います。

茂木:トータルで10万円で済みます?

井上:たぶんパソコンが一番高くて、スキャナー、鍵盤とか、安いのを探せば下げられると思うので、たぶん10万円くらいになるかと(笑)。

茂木:それだけ出せば、家でアニメ制作の環境は整うということですね。

井上:もっと安く抑えようと思えば、スマホのアプリもスキャンできるものもありますし、動画にできるコマ撮りのソフトもあります。
どんなものを作るかによっては、もっと低く抑えられると思います。

茂木:自分でアニメ作ってて、”ここがポイントなんだ”と思ったことってありますか?

井上:瞬きって大事なんだなって思いましたね。アニメのキャラが瞬きすることで、空気があるように思えたりとか、瞬きしないと時間が止まってるのか、進んでるのかわからなかったりするので。
瞬き一回するだけで、空気が動いてるように見えたり。

茂木:瞬きですか!

井上:私1人でやるので、できるだけ枚数を抑えようとするんですね。
そのために時間を稼ぐ必要があって、そのために瞬きさせるという(笑)。

茂木:瞬きすると時間が稼げると。

井上:瞬きすることで、4〜5秒稼いだり(笑)。

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──自分ポイント


茂木:かつて、日本のアニメーションはディズニーに比べるとコマ数が少なくやったので、そこから独特な表現方法が発達したと言われてるじゃないですか?
井上さん独特の表現のスタイルが、自分が全部やっているというところから生まれてるのかもしれませんね。

井上:手間をどうにかせねば出来上がらないという大きな問題があるので、工夫はすごくするようになったと思います。

茂木:あのアニメ作りはどこから始まるんですか?

井上:曲作りから始まります、歌から始まって、中でも歌詞から始まることが多いですね。
キャラができていて、歌ができていくパターンもあれば、歌からキャラクターを引っ張り出すみたいな。

茂木:本当に歌が最初なんですね。

井上:今は、何かを説明したりとか、美術作品を紹介したりする歌を作ることが多いので。
そうすると紹介したい部分が決まってくる、ということはそこを歌詞に起こしていくのが一番先になりますね。

茂木:「びじゅチューン!」は紹介してるというよりは、独自の世界ですよね(笑)。

井上:私は、できうる限りの紹介をしているつもりです(笑)。

茂木:「モナリザ」とか、「ヴィーナス」とか、ああいう美術作品をもとにあのストーリーが出てくるっていうのがすごくないですか?

井上:モナリザの場合は、パッと見たときに、”友達になれるかどうか分からない顔をしているな”っていう印象があって。
それプラス、レオナルドダ・ヴィンチが、”スフマート”というぼかす技法によって空気感を出したっていう、そのウンチクの部分とかっていうのを、両方共存させると、「お局のモナ・リザさん」という曲になったんですけど。
紹介の術ではあるんですよ。

茂木:確かに、興味を持つきっかけにはなるんでしょうね。

井上:そうですね。最初のとっかかりに、どうにかなってくれればと思っています。

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「井上涼 オフィシャルサイト」

「びじゅチューン!オフィシャルサイト」

「井上さんの作品「赤ずきんと健康」」



来週も引き続き、芸術家で映像作家の井上涼さんをお迎えしてお話をうかがっていきます。
どうぞお楽しみに。
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