Dream Heart(ドリームハート)

土曜22:00-22:30 TOKYO FM/全国38局でON AIR 各局放送時間

REPORT 最新のオンエアレポート

Dream HEART vol.487 ミュージシャン・ラジオパーソナリティ 坂本美雨さん 「いつか娘に読んでほしい」

2022年07月30日

坂本美雨さんは、1980年に生まれ、9歳まで東京で過ごされ、
その後、ご両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移した事をきっかけに、
家族で移り住みます。

1997年、「Ryuichi Sakamoto featuring Sister M」名義で歌手デビュー。
翌年、坂本美雨の名で、音楽活動をスタートされました。

活動は音楽だけに留まらず、作詞、翻訳、俳優、文筆、ナレーション、愛猫家など、
マルチな分野で、ご活躍中でいらっしゃいます。


null


──大人から多様な世界や価値観を学ぶ

茂木:『ただ、一緒に生きている』は、初の子育てエッセイということで、逆に自分の子供時代を色々振り返られることもあると思います。この本を書き終えた今、何か見えてきた風景などはありますか?

坂本:本当にたくさんの大人の中で育って来て、それは親が与えてくれた貴重な環境だったな、と思います。それが今の自分の財産になっているし、自分の価値観を作ってくれているから、今娘に対しても、同じようにたくさんの大人に会わせています。…というのは、つまり、色んな価値観であり、色んな世界…これから彼女が経験する、自分で選んでいく世界の他にも、こんなに思いもよらない世界があるということを見て、知って、肌で感じてもらう、というのは財産になると思っています。
あとは、自分の家族が嫌になる時は絶対に来るから、逃げ場所になったらいいなと思います。私の信頼する友人のところに駆け込んで、恋愛相談をしたらいいなと思うし(笑)。おじちゃんおばちゃんみたいな人がたくさんいて、気の合う人がいたら、そこに居候したり、家出をしたりすればいいかな、と考えていて。

茂木:ああ、そうか。もしママが嫌になってしまったら、知り合いの大人の誰かに駆け込む、みたいな感じで。

坂本:そうです。逃げ場所にしてほしいです。私は母親に言いたくない事がありましたし、絶対にそういう時期は来るなとわかっているから(笑)。だから、友達みたいな大人を作ってほしいなと思います。

茂木:素敵ですね!

null


茂木:一度伺ってみたいなと思っていたんですが。恐らく坂本龍一さんのキャリアの中で、『戦場のメリークリスマス』はもの凄く大きな出来事でしたが、美雨さんもアーティストとして、新しいチャレンジの出会いは大事にされてきていますか?

坂本:常にそうですね。信頼する人が誘ってくれたら、何でも、基本やる(笑)。舞台もやったし、映像もやったし…。それも全て「そういうことをやってみたい!」と言うよりは、「人が言って(誘って)くれたから、やってみる」ということが多いです。

茂木:それはすごく深いですね。自分でやろうと思ったものは、意外と自分を超えてないのかもしれないですよね。誘われてたまたま、というのは、結局自分を超えるきっかけになったりするのかもしれないですね。

坂本:本当にそうですね。だから、好きな人の言うことは信じていて、「この人が言ってくれるなら大丈夫だろう」とか、「この人が“私ができる”と思うんだったら、きっとできるだろうな」と、そこは任せています(笑)。それだけ自分の自分に対する評価に自信がないのかもしれないですけど。

茂木:アーティストとして、或いは一人の人間として、今この時にこの本を書き終えて、良かったなと感じる部分はあるんじゃないですか?

坂本:すごく思います。6年間、東京新聞で連載してきて、いつか娘に残せるような形に纏めたいなとは思ってきたので、本当に一安心と言うか…。いつか、娘が何かに迷ったりとか、自信を無くしたりとか、私にムカついてどうしようもなかったりとか(笑)、そういう時にペラペラと捲ってもらえたらいいなと思っています。

null


茂木:美雨さんの『ただ、一緒に生きている』を読んで「ああ」と思ったのは、美雨さんは大スターのご両親のもとに生まれて、普通に考えると恵まれた環境だと思うんですよ。で、ご自身も才能に恵まれてて、こういう風に活躍をされていて、いいなと思うんですけど。実は、自分自身を受け入れると言うか、好きになることをずっとためらってきたんですか。

坂本:そう、好きじゃなかったですね。

茂木:それがちょっと意外です。

坂本:自分にとにかく自信がなかったし、今でもそうですけど、自己肯定がすごく難しかったです。今この歳になってやっと、それに取り組んでいるという感じです。

茂木:そこが、きっと色んな人の共感を得るところなんじゃないかなぁ。皆そこで悩むじゃないですか。

坂本:そうですね。こういう悩みは、20歳ぐらいで終わっているものなのかな、と思っていたんですけど、まだ40を超えてもこんなだし。でも、そういう方は結構多くて。
今の時代、自分の心とちゃんと向き合う、自分のインナーチャイルドだったり、自分を「可愛い」「よくできた」と言ってあげるというのは、これからの自分の人生にとってすごく大事なタイミングでしたね。

茂木:光文社から出ています、坂本美雨さんの『ただ、一緒に生きている』は、きっと自分を受け入れて、肯定して、そういう優しい気持ちにしてくれる本なんじゃないかな。

坂本:そうなっていたら嬉しいです。

null



■プレゼントのお知らせ

光文社より発売中の
坂本美雨さんのご著書『ただ、一緒に生きている』を、
3名の方にプレゼントいたします。

ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、
メッセージフォームより、ご応募ください。

茂木さんに聞きたい事や相談したい事など、
一緒にを添えていただけると嬉しいです。

尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。



坂本美雨さん 公式サイト


坂本美雨 (@miusakamoto)Twitter


坂本美雨さん (@miu_sakamoto) Instagram


TOKYOFM他全国38局ネット坂本美雨さん担当の『ディアフレンズ』公式サイト


光文社公式サイト


●ただ、一緒に生きている / 坂本美雨 (著)
(Amazon)