Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.507 精神科医 和田秀樹さん 著書「80歳の壁」

2022年12月17日

和田さんは、1960年、大阪府のお生まれ。

1985年、東京大学医学部をご卒業後、東京大学医学部付属病院精神神経科助手、
アメリカ・カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、
現在は、ルネクリニック東京院の院長を務めていらっしゃいます。

また、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり、
高齢者医療の現場に携わっていらっしゃいます。


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──“長生き至上主義”から“自分の体にとって調子の良さ”へ

茂木:幻冬舎新書の『80歳の壁』が大変なベストセラーになっていますけれども、私も拝読して印象に残っているのが、どうしても血圧とかを気にされるじゃないですか。和田先生、例えば80歳を超えて「血圧が高いよ」と言われたら、どう考えればいいんですか?

和田:実は病気だと思ってるものが、意外に老化現象なんじゃないか、と思うようになったんです。

茂木:避けられないものだと。治療の対象ではないということですか。

和田:治療の対象かどうかは分からないんですけど、結果論から言うと、遅らせることはできるかもしれないけど避けられない、と。例えば、脳を一つとってみても、85歳を過ぎて、認知症に起こるアルツハイマー型の変化というものがない人はいないし、85歳を過ぎて、体中にどこも癌がない人はいない。

茂木:意外に亡くなった後に、癌で亡くなったのではないんだけど、解剖すると癌があるケースがある、と。

和田:結構あるんですね。そして、その中で、動脈硬化のない人もいないわけですね。

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茂木:よく、加齢に伴って動脈硬化も怖いと言いますけども。

和田:そうですね。そうすると、皆、動脈硬化にならないために、血圧を下げるだとか、血糖値を下げるだとか、コレステロール値を下げるわけですけど。どんなに、検査データが正常だったり、或いは色んな薬を飲んでそれを防ごうとしても、結果的に70代80代になると動脈硬化になっちゃう、と。
今度は逆に動脈硬化になってからは、血管の壁が厚くなって、血液が通るところが狭くなるものですから、血糖値や血圧がちょっと高めの方が、脳に酸素やブドウ糖が行くんですよね。

茂木:先生ご自身も、血圧が高い時期があった?

和田:そうなんですよ。僕は計る度に(血圧が)200を超えていてやばいなとは思っていたんだけど、それを4〜5年放って置いた時に、同級生が大阪で心臓のクリニックを開業したので、生まれて初めて心臓ドックというものを受けに行ったんですよ。そうしたら、私の血管年齢は80歳と言われたし、血圧が高いということは心臓がバクバク思い切り動いている状態なので、心臓の筋肉が肥大するんですよ。そうすると心臓の部屋が狭くなる、と。これを放って置くと、心不全と言って、ちょっと歩いただけで息が切れる状態になってしまうよ、と言われて、初めて血圧の薬を飲んだんです。
正常の140まで下げたら、もう頭がぼんやりしちゃうんですよ。それで、「一生、この怠さやぼんやり感では嫌だ」と思って、だけど200以上を放って置くのも拙いなと思って、170ぐらいで、薬を半分ぐらいに調整したんです(笑)。

茂木:その辺の、一人一人の患者さんの薬を加減するのは、中々難しいですよね。

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和田:そうだと思います。だけど、僕は、やっぱり「人間は体に聞いた方がいい」と信じているところがあって。医者の多くは、たぶん、検査データの方を重視すると思うんだけど、僕の考えに賛同してくださる医者もいて、「じゃあ調子がいい方の値でやろうよ」と言う人もいます。
例えば、我々は60歳ぐらいじゃないですか。これからあと20年、30年生きることを考えた時に、怠いまま20年、30年生きるのは中々辛いと思うんですよ(笑)。

茂木:そうですよね(笑)。

和田:だから、“長生き至上主義”というのを、もう少し、“自分の体にとって調子の良さ”の方を選んでもいいんじゃないかな、と。これは生き方の問題なので、医者が選択する問題じゃなくて、患者さんが選択する問題だと思うんです。

茂木:『80歳の壁』には、色々、目から鱗なことが書いてあって、「いいんですか?」ということもあります。「肉は食べていい」、「ダイエットは不要で小太りぐらいがちょうどいい」とか、面白いですね。

和田:これは、やっぱりそういう常識に挑んで、調査をする人がいたわけです。そうすると、BMI(体重÷(身長m×身長m))が25を超えると、メタボ健診ではもう体重を下げるように言われます。ところが、一番長生きしているのが、アメリカのデータでも日本のデータでも『25〜29.9』の人なんですよ。

茂木:え〜、そうなんですか(笑)。ちょっと、僕が嬉しくなりましたね(笑)。
そして、和田秀樹さんは、来年の1月4日には、幻冬舎より、認知症をテーマに書かれた新刊『ぼけの壁』を発売されます。認知症についてはもちろん、もし、認知症を親が患ったら、その子供たちは、どう向き合ったらいいのか? ということについて、書かれています。和田さん、来週はぜひ、この認知症との向き合い方についてお話を伺いたいと思います。

和田:よろしくお願いします。

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