2025年07月26日
今夜ゲストにお迎えしたのは、ドイツ出身で、文芸評論に翻訳、そして、コメンテーターにテレビプロデューサーと幅広くご活躍中の、マライ・メントラインさんです。
マライ・メントラインさんは、1983年、ドイツ北部の港町キールのお生まれです。
兵庫県立姫路飾西高校、早稲田大学の留学を経て、ドイツ・ボン大学をご卒業後、2008年から日本に移住されました。
ドイツ放送局のプロデューサーも務めながら、テレビのコメンテーターや、文芸評論に翻訳、webでの情報発信など、幅広くご活躍中でいらっしゃいます。

──休暇の為に働くドイツ人
茂木:色んな日本語の、不思議さ、魅力を書いてくださったのが、今回マライ・メントラインさんが小学館から出版されたご著書『日本語再定義』なんですけれども。この『日本語再定義』には面白いところがいっぱいあるんですが、例えば、『サボる』(笑)。
マライ・メントライン:(笑)。『サボる』、大事なのにね。余り皆サボっていないですよね。
茂木:日本はもっとサボった方がいいですか?
マライ・メントライン:サボった方がいいと思います(笑)。
茂木:これはご著書にも書いてありますが、“ドイツ人は休むために働く”と。
マライ・メントライン:そうなんですよ。“真面目に働いて、真面目に休む”、ということです。すごく計画的に、1年の初めに「自分はこの日に休みます」ということを話し合って決めていて、そして4週間(職場から)消えてしまうというね。
茂木:え? 4週間消えちゃうんですか!?
マライ・メントライン:消えちゃいますね。
茂木:一時期、日本でも「ドイツとかもバカンスなんかがあるから、日本もそうしようよ」と、真面目に議論していたことがあったんですよ。「日本人も、2週間とか3週間とか長期休暇を取って」、と。…いつの間にか立ち消えになりましたね(笑)。
マライ・メントライン:何ででしょうね(笑)。
茂木:この本に書かれてるように、日本の文化に合わないんですかね? 何なんでしょう?
マライ・メントライン:多分、3週間(休みが)あったら、後半になると「会社に戻ったら自分の席ってあるんだろうか?」とか、何かそういう不安に陥ってしまんじゃないかな、と思います。
でも、皆が3週間ずつ休んでいたら、意外と国は回るんですよね。あと、皆が休むから、そこに嫉妬とか、「何かごめんね」みたいなこととか、「お土産どうぞ」みたいなことはいらないんですよね。皆が休むから、当然の権利として受け入れて、ドライなんですよ。

茂木:噂レベルでは、ドイツではどんな人も…例えば会社の社長さんも、一般社員さんも、タクシーの運転手さんとかも、ありとあらゆる職業の人が休暇を取るという噂を聞いたんですけど、本当なんですか?
マライ・メントライン:本当です。最近は「ちょっとドイツ人、働かなさ過ぎなんじゃないか」と国内では言われているんですけど(笑)。
茂木:そうなると、日本だと、何となくイメージでは“長期休暇なんて、お金に余裕がある人や社会的な地位がある人が取るんだろう”というイメージがあると思うんですけど、ドイツではそうじゃないんですね。
マライ・メントライン:休暇のために働いて、お金を貯めている部分が結構大きくて。ドイツ人は日々の生活では結構質素なんです。朝から晩までずっとパンしか食べていない、みたいなことがあるんですよ。休暇になると、ちょっと羽目を外そうとか、ちょっとお金を使おうとか考える。
あと長期休暇だったら、キャンピング場を使うとか、現地のスーパーで買い物してそれを食べるとか。要するに、宿泊料をちょっと安くするんです。皆全員が五つ星ホテルに泊まっているわけではないんですよね。そこら辺はやはり工夫します。
茂木:優先順位が違うんでしょうか。
マライ・メントライン:もしかしたらそうかもしれないですね。
茂木:面白いですね。
マライさんが日本にいてくださって本当に有難いんですが、今後はどういう本を書いていきたいですか?
マライ・メントライン:でも、まだまだ日本語を再定義できそうな気がするんです(笑)。
茂木:では、シリーズに?
マライ・メントライン:シリーズ化するか、しないか、ちょっと編集者と相談なんですけど(笑)。
茂木:でも、本当に僕はまだまだ読みたいなと思ったので、是非また続編もお願いしたいなと思います。

マライ・メントライン:あとはフィクションに挑戦するかどうか、とか。でも、書けるかな? ちょっとそれは難しそうです。
茂木:フィクションも楽しみです。ひょっとしたら日本語で小説を書かれるかもしれない、ということでしょうか。
マライ・メントライン:そうなんですよね。ただ、今ちょっと直木賞や芥川賞の批評のようなことをやっているので、逆に散々ディスった上で、いざ自分がフィクションを出して「しょぼいじゃないか!」となったら、ちょっと怖いじゃないですか(笑)。それは考えどころなんですけど(笑)。
茂木:(笑)。
──マライ・メントラインさんの『夢・挑戦』
茂木:マライさん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですが、マライさんのこれからの『夢・挑戦』は何でしょうか?
マライ・メントライン:『挑戦』と言えば、日本の都道府県を全部制覇してみたいな、というのがありますね。
茂木:お! 今のところはどんな感じですか。
マライ・メントライン:北海道とか沖縄とか、1番北と1番南を押さえていますし、この間は日本海側も行ったんですけど、東北はまだで青森県とかには行ったことがなくて。
茂木:そうなんですか。
マライ・メントライン:確か山形とかも行ったことがないので。何か自分の脳内の地図に穴があるのは許せなくて、「日本が大好きなのに行ってないというのは如何なものか」と自分を叱るような思いで、是非行きたいなと思います。そこら辺の日本はまた、どういう日本なのかな、というのは見てみたいですよね。
茂木:楽しみですね。
マライさん、本当に楽しいお話を伺ってきたんですが、改めて、このご著書『日本語再定義』についてメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
マライ・メントライン:はい。私は勝手に日本語を再定義してしまっているんですけど、皆さんも是非気になる日本語があったら再定義してほしいですし、逆に、ドイツ語を再定義して欲しいなと思ったりしているんですよね。挑戦者募集中です(笑)。
茂木:ドイツ語再定義はハードルが高いですが、皆、頑張ってみましょうか(笑)!
マライ・メントライン:頑張りましょう!


■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、マライ・メントラインさんのご著書『日本語再定義』にマライさんの直筆サインを入れて、3名様にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●マライ・メントライン さん (@marei_de_pon) 公式 X(旧Twitter)
● 日本語再定義 / マライ・メントライン (著)
(Amazon)
●小学館 公式サイト
●小説丸@小学館 (@shosetsumaru) 公式 X(旧Twitter)
マライ・メントラインさんは、1983年、ドイツ北部の港町キールのお生まれです。
兵庫県立姫路飾西高校、早稲田大学の留学を経て、ドイツ・ボン大学をご卒業後、2008年から日本に移住されました。
ドイツ放送局のプロデューサーも務めながら、テレビのコメンテーターや、文芸評論に翻訳、webでの情報発信など、幅広くご活躍中でいらっしゃいます。

──休暇の為に働くドイツ人
茂木:色んな日本語の、不思議さ、魅力を書いてくださったのが、今回マライ・メントラインさんが小学館から出版されたご著書『日本語再定義』なんですけれども。この『日本語再定義』には面白いところがいっぱいあるんですが、例えば、『サボる』(笑)。
マライ・メントライン:(笑)。『サボる』、大事なのにね。余り皆サボっていないですよね。
茂木:日本はもっとサボった方がいいですか?
マライ・メントライン:サボった方がいいと思います(笑)。
茂木:これはご著書にも書いてありますが、“ドイツ人は休むために働く”と。
マライ・メントライン:そうなんですよ。“真面目に働いて、真面目に休む”、ということです。すごく計画的に、1年の初めに「自分はこの日に休みます」ということを話し合って決めていて、そして4週間(職場から)消えてしまうというね。
茂木:え? 4週間消えちゃうんですか!?
マライ・メントライン:消えちゃいますね。
茂木:一時期、日本でも「ドイツとかもバカンスなんかがあるから、日本もそうしようよ」と、真面目に議論していたことがあったんですよ。「日本人も、2週間とか3週間とか長期休暇を取って」、と。…いつの間にか立ち消えになりましたね(笑)。
マライ・メントライン:何ででしょうね(笑)。
茂木:この本に書かれてるように、日本の文化に合わないんですかね? 何なんでしょう?
マライ・メントライン:多分、3週間(休みが)あったら、後半になると「会社に戻ったら自分の席ってあるんだろうか?」とか、何かそういう不安に陥ってしまんじゃないかな、と思います。
でも、皆が3週間ずつ休んでいたら、意外と国は回るんですよね。あと、皆が休むから、そこに嫉妬とか、「何かごめんね」みたいなこととか、「お土産どうぞ」みたいなことはいらないんですよね。皆が休むから、当然の権利として受け入れて、ドライなんですよ。

茂木:噂レベルでは、ドイツではどんな人も…例えば会社の社長さんも、一般社員さんも、タクシーの運転手さんとかも、ありとあらゆる職業の人が休暇を取るという噂を聞いたんですけど、本当なんですか?
マライ・メントライン:本当です。最近は「ちょっとドイツ人、働かなさ過ぎなんじゃないか」と国内では言われているんですけど(笑)。
茂木:そうなると、日本だと、何となくイメージでは“長期休暇なんて、お金に余裕がある人や社会的な地位がある人が取るんだろう”というイメージがあると思うんですけど、ドイツではそうじゃないんですね。
マライ・メントライン:休暇のために働いて、お金を貯めている部分が結構大きくて。ドイツ人は日々の生活では結構質素なんです。朝から晩までずっとパンしか食べていない、みたいなことがあるんですよ。休暇になると、ちょっと羽目を外そうとか、ちょっとお金を使おうとか考える。
あと長期休暇だったら、キャンピング場を使うとか、現地のスーパーで買い物してそれを食べるとか。要するに、宿泊料をちょっと安くするんです。皆全員が五つ星ホテルに泊まっているわけではないんですよね。そこら辺はやはり工夫します。
茂木:優先順位が違うんでしょうか。
マライ・メントライン:もしかしたらそうかもしれないですね。
茂木:面白いですね。
マライさんが日本にいてくださって本当に有難いんですが、今後はどういう本を書いていきたいですか?
マライ・メントライン:でも、まだまだ日本語を再定義できそうな気がするんです(笑)。
茂木:では、シリーズに?
マライ・メントライン:シリーズ化するか、しないか、ちょっと編集者と相談なんですけど(笑)。
茂木:でも、本当に僕はまだまだ読みたいなと思ったので、是非また続編もお願いしたいなと思います。

マライ・メントライン:あとはフィクションに挑戦するかどうか、とか。でも、書けるかな? ちょっとそれは難しそうです。
茂木:フィクションも楽しみです。ひょっとしたら日本語で小説を書かれるかもしれない、ということでしょうか。
マライ・メントライン:そうなんですよね。ただ、今ちょっと直木賞や芥川賞の批評のようなことをやっているので、逆に散々ディスった上で、いざ自分がフィクションを出して「しょぼいじゃないか!」となったら、ちょっと怖いじゃないですか(笑)。それは考えどころなんですけど(笑)。
茂木:(笑)。
──マライ・メントラインさんの『夢・挑戦』
茂木:マライさん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんですが、マライさんのこれからの『夢・挑戦』は何でしょうか?
マライ・メントライン:『挑戦』と言えば、日本の都道府県を全部制覇してみたいな、というのがありますね。
茂木:お! 今のところはどんな感じですか。
マライ・メントライン:北海道とか沖縄とか、1番北と1番南を押さえていますし、この間は日本海側も行ったんですけど、東北はまだで青森県とかには行ったことがなくて。
茂木:そうなんですか。
マライ・メントライン:確か山形とかも行ったことがないので。何か自分の脳内の地図に穴があるのは許せなくて、「日本が大好きなのに行ってないというのは如何なものか」と自分を叱るような思いで、是非行きたいなと思います。そこら辺の日本はまた、どういう日本なのかな、というのは見てみたいですよね。
茂木:楽しみですね。
マライさん、本当に楽しいお話を伺ってきたんですが、改めて、このご著書『日本語再定義』についてメッセージを頂いてよろしいでしょうか?
マライ・メントライン:はい。私は勝手に日本語を再定義してしまっているんですけど、皆さんも是非気になる日本語があったら再定義してほしいですし、逆に、ドイツ語を再定義して欲しいなと思ったりしているんですよね。挑戦者募集中です(笑)。
茂木:ドイツ語再定義はハードルが高いですが、皆、頑張ってみましょうか(笑)!
マライ・メントライン:頑張りましょう!


■プレゼントのお知らせ
番組でご紹介しました、マライ・メントラインさんのご著書『日本語再定義』にマライさんの直筆サインを入れて、3名様にプレゼント致します。
ご希望の方は、お名前やご住所、電話番号など、必要事項を明記の上、メッセージフォームより、ご応募ください。
私、茂木に聞きたい事や相談したい事など、メッセージを添えていただけると嬉しいです。
尚、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。
たくさんのご応募、お待ちしております。
●マライ・メントライン さん (@marei_de_pon) 公式 X(旧Twitter)
● 日本語再定義 / マライ・メントライン (著)
(Amazon)●小学館 公式サイト
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