Dream Heart(ドリームハート)

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Dream HEART vol.664 俳優 早乙女太一さん 「劇団朱雀で大衆演劇をもう一度身近なものにしたい」

2025年12月20日

今夜ゲストにお迎えしたのは、俳優として、そして舞台人として、唯一無二の存在感を放ち続けている、早乙女太一さんです。

早乙女太一さんは、1991年、福岡県のお生まれです。

大衆演劇の「劇団朱雀」の二代目として4歳で初舞台を踏み、特に女形として注目され、2003年、北野武監督の映画『座頭市』への出演を機に、「100年に一度の天才女形」として広く知られるようになりました。

以来、舞台、映画、ドラマと、幅広くご活躍されていらっしゃいます。


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──大衆演劇の文化と伝統を残しつつ、今の時代に合わせてブラッシュアップする

茂木:早乙女さんは、4歳から舞台に立っていらっしゃるということで。

早乙女:はい、そうですね。もう記憶にないですけどね。

茂木:“舞台ネイティブ”と言ってもいいと思うんですけども、「劇団朱雀」はお母さまとお父さまと一緒に作られたんですね。

早乙女:はい。

茂木:一度活動を休止して、また再結成されて。2026年の公演が決定しましたね。

早乙女:はい。もう前回から3年ぶりの公演になるんですけども、やらせてもらうことになりました。

茂木:東京公演は、4月10日から26日まで、サンシャイン劇場。4月29日から5月10日まで、大阪のCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホール。そして最後は、5月13日から17日まで、福岡のキャナルシティ劇場で上演されます。どんな舞台になりそうですか?

早乙女:今回はゲストの方も多くて、須賀健太くんとか、浜中文一くんと、あとはゴールデンボンバーの喜矢武豊さん。今回、本当に色んな方々がゲストに来てくださるし、あと僕の弟の友貴もいますし。今は作っている段階なので何とも言えないんですけど、また今までとは違ったことにもチャレンジできそうですし、また違ったものを観てもらえるんじゃないかな、というふうには思っています。

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茂木:素晴らしい。こちらの公演を皆さんも待っていると思うんですけど、どんなことが見どころになりそうですか?

早乙女:毎度毎度やるたびに新しいチャレンジを踏まえながらやらせてはもらっているんですけど、やっぱり『大衆演劇』という言葉はずっと残っていても『今の大衆演劇』じゃない、と言うか。やっぱり昭和であったり大正時代であったりというその時代は、多分、大衆の皆さんの一番身近にあったエンタメとして存在していたと思うんですね。手軽で気軽に観に行ける場所としてあったと思うんですけど。
でも今、エンタメなんて本当に携帯の中にあると言うか、自分のポケットで持ち歩けるぐらい身近なところにエンターテイメントというものがたくさんあって。逆に、大衆演劇という文化は、もう今の時代ではちょっとアングラと言うか、だいぶ偏った世界観になっていると思うんですね。
でも、だからこそ、知らない人たちもそうだし、もちろん大衆演劇というものを好きな方たちにも、「いかにして、この文化と伝統を残しながらも、今生きている僕たちがブラッシュアップできるか」と言うか、「いかにして、今の人たちにもう一度身近な存在になってもらえるんだろうか」というところは、いつも課題に置いて作っています。

茂木:この2026年「劇団朱雀」の公演が、これからどこへ行くのか? ということを見るためにも、見逃せないですね。

早乙女:是非観ていただきたいです。

茂木:それから今、インバウンドのお客さんとか、日本の舞台を取り囲む環境も色々と変わって来ていると思うんですけど。今、早乙女さんにはどんな未来が見えていらっしゃるんですか?

早乙女:やっぱり今は、実際に舞台を観に行くことというのは、今を生きている若い人たちにとってはちょっと距離があると思うんですよね。映像で観られるし、携帯で観られるし、というところで、割と生のエンターテイメントであったりとか、それこそ演劇とか舞台というものとはあまり関わりが少ないと言うか、ちょっと距離があるように感じていて。でもそもそもは、大衆の身近にあったところが大衆演劇だと思うんです。
だからそういったところで、今の時代はデジタルが進んで色んなものがあるけども、いかに、人と人とが実際にその空間で一緒にその時間を楽しむことを大事にできるか、というところで。次回の公演は東京と大阪と福岡しか行けないんですけど、いずれまた元の旅一座のように、観に来てもらうだけじゃなくて、色んな土地に自分たちが届けに行く、という、そういった原点のところに立ち返りたいな、と思っています。

茂木:素晴らしいですね。そこからまた何かが見えてくるかもしれませんもんね。

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早乙女:そうですね。1回原点に戻りたいなとは思っていますね。

──早乙女太一さんの『夢・挑戦』

茂木:早乙女さん、この番組のテーマは『夢と挑戦』なんです。早乙女さんの今後の『夢・挑戦』は何でしょうか?

早乙女:さっき少し話したんですけど、大衆演劇というジャンルから始まった「劇団朱雀」という劇団を、もう一度皆さんの身近に感じてもらえるような劇団にできたらいいな、と思っています。“公演をする”と言うより、“お祭り”になったら嬉しいですね。

茂木:素敵ですね!

早乙女:多分、お芝居とか演劇とかも、この芸能というものは元々“お祭り事”として始まったと思うんですね。それこそ神社の仏閣であったりお寺の敷地内でお芝居をやって、それを楽しんでもらって、というようなところから、多分“踊り”というのも“祈り”から始まっていて、とか。もう一度そういう原点と言うか、そういったところに「劇団朱雀」として戻りたいな、と思っています。
だから各地に行って、各地のお祭り事として、土地の人たちが出店を出してくれて、その中で僕たちが踊りをしたりお芝居をしたり、という、人と人とが直接その機会に携われると言うか、そのお芝居を通して繋がり合えるような環境になれたらいいな、というふうに思っています。

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