プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

番組からのお年玉プレゼントに多数のご応募をいただきましてありがとうございました!抽選の結果、
・愛知県 きのこ星人さん(有機エキストラバージンオリーブオイル[ルッカ種])
・埼玉県 メープルさん(有機ベルガモットオリーブオイル)
が当選されました。おめでとうございます!!楽しみに待っていてくださいね〜
これからもいのちの森 voice of forestをどうぞよろしくお願いいたします!!
さて今週は、水中写真家・中村征夫さんをゲストにお迎えしました。およそ半世紀・50年以上にわたり、世界中の海に潜り、海の生き物たち、海とともに生きる人々の姿を写真に収め続けている中村征夫さん。一年ぶりにお話伺います!


〜今年は戌年ということで、今日は世界最北の地で犬と暮らす人々の写した、中村さんの写真集「極夜」を持ってきていただきました。こちらはどういった写真集なのですか?
極夜は白夜の反対で、10月中旬くらいから2月下旬まで、まるまる四ヶ月間太陽が出ない時期なんです。本当に暗くて、つねられてもだれにやられたのかわからないくらいです。そのなかで、ストロボを付けて、撮影しました。地球最北の村のシオラパルクという場所なのですが、北極点まで1300kmの近さなので、北極点に行く人はたいていこの人口40〜50人くらいの集落でいろいろな修行を積みます。それは、犬ぞりでいくので、まずの調教から始まります。7〜8mの鞭1本で犬を調教しなければならないんですが、これがかなり難しいんですね。7〜8mって長いでしょ?それに「急げ」とか「右にいけ」っていうときや「アザラシを探せ」っていうような何十という犬の言葉をしっかり覚えないといけない。
犬ぞりは、真ん中にリーダー犬がいて、扇形に走らせます。みんなソリにひもでつながっているんですが、なかにはサボる犬もいるわけです。そのサボっている犬は綱が緩むからすぐわかるんですよ。それを暗闇のなかでサボっている犬のお尻めがけて鞭をパシッと当てるんです。もうお尻が切れるくらい痛いんですって。そうするとキャンって飛び上がって懸命に走るんですね。ただ、みんな並んで走ってるから、隣の犬に当てることもありますよね。そうすると「こんなに頑張ってるのに!隣だろ、サボってるのは!」って、信頼関係がなくなっちゃうらしいんです。だから、そういうことのないように鞭の訓練というのは大事なんですよ。


〜私たちにとっては、犬ってカワイイという感覚があって、叩かれてかわいそうと思ってしまいますが、現地の人にとっては命がけですもんね。
僕は本当に犬が好きで、子犬が4〜5頭かたまってどこか一点をじっと見つめている写真もあるんですけれども、その子犬たちは生まれてから大人になるまで抱かれることも撫でられることもないんです。放し飼いで、エサもあげないんです。自分の餌は自分で取ってこいということですね。そういう過酷な状況のなかで脱落していくものもいるし、生き残ったものが犬ぞりとしてエスキモーの歴史を支えていくわけですよね。
僕も犬が好きなので、思わず頭をなでてしまいましたが、そうするとすっ飛んできて「やめろ、ペットじゃないから!」と言われるんです。どういうことかというと、彼らは犬と一緒に走って猟に行きますけれども、その犬がクレバスという氷の割れ目に落ちて、海に落ちることがあるんです。そうすると懸命に引き上げてあげますが、そうするとその勢いでそのままソリを引っ張って集落まで帰ってしまうこともあるらしいんですよ。そういうときは、ライフルまで全部ソリの上なので、何十時間、何日もかけて歩いて帰るしかないんです。夏だったらばシロクマに襲われますよね。そういう危険が常にあるわけですから、犬が言うことを聞かないとこっぴどく怒ります。帰ってきてから「お前たち集まれ!」っていう感じで鞭の刑です。それでもおさまらないときはこん棒で殴るそうですよ。それで殴られた犬はもう憔悴しきってうずくまっている。そうするとボスの犬がそっとやってきて、手を添えて、痛みを分かち合うような、そういうシーンも見られてびっくりしました。


〜この「極夜」ではエスキモーの人たちや、動物の普段の暮らしがモノクロ写真で撮影されていますよね。
全部モノクロです。これは40年前に撮ったものなんです。いまはやっと電話が繋がったので、このまえ電話で話しましたら、暮らしは40年前と一緒だと言っていました。エスキモーという言葉は差別用語だという方もいらっしゃいます。「肉を食う人たち」という意味なので、差別用語になるんじゃないかということで、いまは「人間」という意味のイヌイットと呼ぶようになりました。ただ、つい最近も聞きましたが、シオラパルクの人たちは「エスキモーという言葉に誇りを持って今まで生きてきた。だからイヌイットとは呼ばないでくれ、俺達はエスキモーなんだ」と言っていました。

〜そのシオラパルクの方々の生活を実際にご覧になっていかがでしたか?
当時いちばん驚いたのは、最後の村までは犬ぞりで10時間かかるんです。まあ聞いてはいて、寝てるうちに着くよと言われたんですが、とんでもない。吹きさらしの凍っているソリの上に座れっていうんですよ。それで、集落にやっとたどり着いたら、「おつかれでしょう」って迎えの人に言われたんです。なんで日本語なの?って思ったら、地球最北の村に日本人エスキモーがいたんですよ。日本大学探検部OBの方なんですけれども、北極点まで1300kmの近さなので、シオラパルクを拠点にして、いろんな物資を運んだり、ソリを覚えたり、鞭を覚えたと、何度か行き来しているうちに、そのままいついて、エスキモーの方と結婚して一男四女をもうけました。大島育雄さんという方なのですが、いま70歳です。この前も話しましたが、暮らしは全く昔と一緒だそうです。いまはスノーモービルがあるでしょ?って聞いたら、スノーモービルは燃料を運ばないといけない。さらに故障したらもう直せない。それは命に関わるから怖い。犬は安全だと言っていましたね。

中村征夫さんのお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続きお話を伺います!


「極夜」中村征夫/著 新潮社

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Ordinary / Nulbarich
・Helpless / Crosby, Stills, Nash & Young
«Prev || 1 | 2 | 3 |...| 141 | 142 | 143 || Next»

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

あなたからのメッセージ・ご意見をお待ちしております

各放送局の放送時間

  • JFNヒューマンコンシャス募金は鎮守の森のプロジェクトを応援しています。

ポッドキャスト

  • ポッドキャスト RSS
  • ※iTunesなどのPodcastingアプリケーションにドラッグ&ドロップしてください。
  • 鎮守の森のプロジェクト
  • EARTH & HUMAN CONSCIOUS
  • LOVE&HOPE〜ヒューマン・ケア・プロジェクト〜
  • AIG損保 ACTIVE CARE

PAGE TOP