2017.08
23

【学生コラム】フィクションの未来

はじめまして!
青山学院大学1年生、上部美香子です。(苗字の読み方、かみべ、じゃないですよ、うわべです。)
生年月日が全て素数、素数は好きですが…文学部に所属しています。

文学部って…本をひたすら読んでそう?まぁあながち間違ってはいません。
先日、高校時代の大好きな国語の先生から本を頂いたのですが…


どどーん!
この量を鎌倉からえっさえっさと持ち帰ってまいりました、欲張りすぎましたね…
夏休みに読み終わるかな…。

さてさて文学とAI、一見無関係なように見えて実はそうでもありません。
皆さんはこの文を読んだことありますか?

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

その日は、雲が低く垂れ込めた、どんよりとした日だった。
部屋の中は、いつものように最適な温度と湿度。
洋子さんは、だらしない格好でカウチに座り、くだらないゲームで時間を潰している。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――


これは『コンピュータが小説を書く日』と題された小説の冒頭文です。
自らの意思で小説を書き始めたコンピュータたちがその楽しさに目覚め、やがて人間に仕えるのをやめるというストーリーで、
この小説は「星新一賞」と言う文学賞で一次審査を通過しました。

近頃では甲子園の中継の間にCMも流れるようになった「星新一賞」。
星新一さんはSF短編小説、ショートショートで有名な作家で、私も子供の頃から彼の小説が大好きでした。
(おすすめは『ようこそ地球さん』に収録されている『雨』という作品です。)
星新一さんの小説には理系的な発想によってできた作品が多くあります。そんな「理系文学」の文学賞としてできたのが「星新一賞」です。

この小説はもちろんSF小説。フィクションなわけですが、それにしてもコンピュータ、つまりAIが小説を書くなんて、そんな日が本当にくるのでしょうか?

1865年に刊行されたジュール・ヴェルヌのSF小説、「月世界旅行」は地球から月へ向かう過程が科学的検証とともに描かれていますが、この時ロケットというものは存在していませんでした。アポロ11号が初めて月面着陸に成功するのは1969年のことです。つまり、ロケットもなかった時代に書かれた小説が、104年後に人類の月面着陸によって実現したのです。

小説がたとえ今フィクションだったとしても、10年後、100年後は分かりませんよね。AIが小説を書くというフィクションは、いつかノンフィクションになるかもしれません。

…なるかもしれません、と言いましたが…

実はもう、皆さんAIの書いた小説、読んでいるのです。それも、ついさっき。

…気がつきましたか?上に出てきた文章…なんとAIによって書かれたものなのです!

数年後、書店にはAIの書いた小説が普通に並んでいて、さらにはAIが芥川賞をとる…なんて未来もあるかもしれません。

見えないところで、たくさんの事がAIとは無関係とは言えなくなってきています。
『AIが文学を作る時代』である今、もっとAIのこと知りたくないですか?

今年の未来授業は、AIがどのように産業、社会を変えて行くのか?がテーマです。
このコラムを読んで、小説をも書くことができるようになったAIのことをもっと知りたいと思った人、会場でお待ちしております。

詳細、応募はこちらから
http://www.tfm.co.jp/fes/form/

(文責:青山学院大学 文学部日本文学科 1年 上部美香子)

学生コミュニケーターからのお知らせ