車を運転するキャリアが長く 頻繁にハンドルを握っている。
それでも 交通事故には縁のないドライバーには 理由があります。
その1つが「予測する力」です。




  
運転行動には 3つの要素があります。
『認知』『判断』『動作』。

この3つの過程に「ミス」があると交通事故が起こります。
中でも最もミスが多いのは「認知」の段階。

「認知」を間違えれば 多くの場合「判断」も間違ったものになる。
これを未然に防ぐのが「危険予知」です。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係 高木孝によると
認知エラーを防ぐために大切なのが危険予知をする力。
       
例えば歩道にいる歩行者がどういう状態なのか。
年齢はどのくらいで何に注意を向けているのか。

「スマホをいじっている」「ヘッドホンして音楽を聴いている」
そういう人物なら車道側のことには全く気づいてないかも知れない。
不用意な横断をするということも考えられます。





おしゃべりに夢中になっている歩行者たちも
車道側に広がってくるということが考えられます。





運転席から周囲の状況を観察して 
情報を正しく分析できる力が必要です。

運転中は「しないだろう」という楽観的予測はやめましょう。
「するかもしれない」という疑う気持ちが危険察知に繋がります。

例えば「前方を走る車」の走行にも注意を払いましょう。
左のウインカーが出たら 次の交差点で左折と思うかもしれません。
でも 交差点の手前で曲がることもあります。
そのため きちんと車間距離をあけて
前の車の動きに注意する姿勢が必要です。





いま挙げたのは たった2つの例にすぎません。
刻一刻と変わる運転状況。
常に危険予知のアンテナを立てておくことが事故を未然に防ぎます。

「認知ミス」と「判断ミス」をなくせば
交通事故の9割がなくなると言われています。

JAFの調査によると
ドライバーは歩行者や車の動きを予測することで
反応時間が最大0.75秒 早くなることがわかっています。

高木さんによると 危険予知力を高めることは感受性を高める。

隣の車線が渋滞している時。
なぜか 一箇所だけ妙に車間距離が空いている。
このことに気づくドライバーと気づかないドライバーがいます。
隣の車線だから関係ないという意識のドライバーは違和感に気づきません。

また 気づくドライバーにも2通りいます。
気づいたけども そのまま通行してしまう人。
気づいて そこから何か出てくるのではないかと考えるドライバー。
おや?と気づき 警戒する それが危険の予知に繋がります。







善良なドライバーにとって、
「煽り運転」の危険と恐怖は常にあったことでしょう。

それが悲劇的な事態になってしまったのが昨年11月
ニュースでも頻繁に取り上げられた東名高速道路での事故です。

パーキングエリアで駐車の位置を注意された容疑者。
腹を立てて 注意した方の一家が乗るワゴン車を時速100キロで追走。
幅寄せを繰り返し 危険な運転をして停車させました。

そこへ大型トラックが追突。
注意した側に死亡者が出た悲劇的な出来事。

交通心理学が専門の九州大学大学院 
システム科学研究院 志堂寺和則教授によると
「煽り運転」は相手を威嚇して嫌がらせをする行為です。





『車間を詰めて異常に近づく』

『割り込みをしてすぐに急ブレーキをかける』

『クラクションを必要以上に鳴らすk』

『幅寄せをする』

『パッシングをする』





2016年のデータでは
車を運転中に前方の車をあおるなど、
道路交通法違反の車間距離不保持摘発は全国で7,625件。

そのうち高速道路での違反が9割近く。
全てが「煽り運転」ではありませんが 
かなり大きな割合が「煽り運転」でしょう。
       
我々はどうして「煽り運転」をしてしまうのか?
志堂寺教授によると 車内は匿名性が高いことが1つの理由です。

顔が見えない。バレにくい。
密閉された空間にいて安心感がある。強気になる。
まずいことになりそうな時にもすぐにやめて逃げられる。
そんなことから心のハードルが低くなるのではないかと推測しています。

「煽り運転」をしないために大切なのは
ふだんの生活でストレスやフラストレーションをためないこと。
生活ストレスが煽りに繋がってしまうことが考えられるからです。

性格的にカッとなりやすい人もやりがち。
あとはちょっとした違反を繰り返す人も煽り運転をする傾向にあります。

今週末からGW。
混雑する運転にイライラすることもあるかもしれません。
でも、そんな時にこそ心に余裕を!

ネガティブな感情や行動は 
それに接した人のネガティブな感情や行動に繋がって
「負」のスパイラルに陥ります。

「煽り運転」がない ゆとりと譲り合い精神の交通社会を
日本に築きたいと、思いませんか?





4月半ばになりました。
新年度を迎えたタイミングで、
「新しい1年も交通事故を起こさない!」と心に期した方も多いでしょう。
そのためには「エコドライブ」を心がけて下さい。





今回のコメントは芝浦工業大学 工学部 春日伸予 教授。
元々の専門は心身医学分野のストレスマネジメント。
そこから派生して交通安全の領域でも
ドライバーの心理を中心としたヒューマンファクターの研究をしています。

「自分の心理状態」が自分できちんと把握できれば問題ありません。
でも 自分では客観的に解りにくいもの。
例えば自分が安全運転をしているつもりでも
他の人から見ると、全く安全な運転ではないかもしれません。
そこで、春日教授が伝えているのが「エコドライブのすすめ」です。





エコドライブとは警察庁・経済産業省・国土交通省・環境省が
一緒になってエコドライブ協議会を作り推奨している10ヶ条。
その中に安全運転の要素が散りばめられていて それは安全運転に繋がります。
中でも特に交通安全につながることを挙げると・・・

⬛ ふんわりアクセル「eスタート」

⬛ 車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転

⬛ 減速時は早めにアクセルを離す

⬛ 渋滞を避けて余裕をもって出発する

⬛ タイヤの空気圧から始める点検・整備

⬛ 走行の妨げとなる駐車をやめる

こうしたことを完璧にやるのは大変。
春日教授はできることからいいと言います。





10ヶ条のうち どれか一つでもやればエコドライブは効果あり。
実際に「ふんわりeスタート」と「ゆっくり停止」に特化して
約9パーセント燃費が向上 事故5割減という結果が出たといいます。
1つずつ始めるのがエコドライブを続けるコツ。
それが春日教授の指摘です。

そして「エコドライブ」を通した安全運転で
優れているのは数値でモチベーションが生まれること。
普通の安全運転の報酬は何事もない安全な日々。
でも人間は残念なことに形の無いものにあまり価値を感じない。
事故を起こして初めて何も無かった素晴らしい日々を取り戻したいと思う。
エコドライブをやると燃費という形で目標値が見えてくるのでやりがいがある。
達成感を生んで長続きする安全ドライブになる。
そう春日教授は指摘します。
みなさんは「エコドライブ」をどのくらい意識したことがありますか?




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