全国各地には、1つでも交通事故を減らすため
何かの活動に取り組む人たちがいます。

今回はそんな活動を2つ紹介しつつ
関係者から全国のリスナーの皆さんへ
メッセージを伝えていただきました。





最初の舞台は大分県。大分県中部にある杵築市と速見郡日出町には
夜間の交通事故を防ぐための「ギラギラマン」というキャラクター存在します。
「ギラギラマン」は身体中にたくさんの反射材を貼り付けていて
夜間にクルマのライトに照らされると眩しいぐらいに発光している“人”です(笑)








ギラギラマンの活動を担当している
杵築日出警察署  地域交通課の甲斐貴之課長によると

ギラギラマンは反射材着用普及戦士。
反射材を着用することの効果は着用していないときと比べて視認性が2倍以上。
運転者は歩行者の発見が早くなって安全が確保できます。
その効果をアピールし、反射材の着用を促進し、
歩行者の交通事故を防止することがギラギラマンの使命。

横断歩行者が当事者となる交通事故は、
日が沈む、夕暮れ時や早朝の時間帯に多く発生します。
そのことか暗い時間帯の歩行者を守るため
街頭で交通事故を呼び掛けるべくギラギラマンは登場しました。
歩行者が安全に道路を横断するための安全指導を行ったり
歩行者等に反射材の配布を行うなど、反射材の普及促進に取り組んでいます。


とのこと。
お話からは杵築日出警察署 の交通事故への真摯は取り組みが伝わってきました。
杵築日出警察署は死亡事故発生が無い日が100日続く度に鯉のぼりを掲揚しています。
現在の鯉のぼりは5匹。6匹目を揚げるべく努力しているということでした。





続いての舞台は広島県。
庄原市西城町の国道183号沿いに、去年の暮れ、交通安全の看板が設置されました。
看板には「気をつけよう 3S」とあり、その下に「Sleep」「Slip」「Speed」の文字。





設置したのは庄原地区交通安全協会 西城分会。
会長 作田高義さんにお話を聞くと


看板設置した所は右側が山で左側は川
道幅が狭くて5年前に高齢者の2名の死亡事故があったところです。
大型同士がすれ違うときには最徐行をするような道。
同時に冬季の12月から3月は凍結する可能性もあるところ。
それを踏まえて看板を見てもらい、気をつけて欲しいという願いです。


とのことでした。

「Sleep」・・・ 居眠りしない
「Slip」 ・・・ 滑らないように注意
「Speed」・・・ 速度を出し過ぎない。

これはクルマでどこの道路を走っていても事故を遠ざけるポイント。
この3Sを全国のドライバーの皆さんは心に留めておいてください。





最後に杵築日出警察署 地域交通課 甲斐貴之課長からのメッセージです。


ほとんどの方は交通事故に遭うことはありませんが交通事故は突然にやってくるものです。
そして、交通事故にはいろんな悲しみや責任がついてきます。
交通事故を起こしてからでは取り返せないこともあります。
そんな悲惨な交通事故の当事者にならないためにも常に交通安全の意識を持って
クルマを運転する方も歩行者の方にも交通事故防止に努めていただきたいと思っています。






年が明けて1月4日、警察庁が2023年の交通事故統計の速報を発表しました。
今回は、そのデータを伝えしつつ
最近はどんな交通事故に注意すべきかお伝えしました。





警察庁によると全国の交通事故で亡くなった方は2,678人。
交通事故で命を落とす人は減少傾向にあり、
2022年は統計がある1948年以来、過去最低の2,610人でしたが、
残念ながら、その2022年よりも68人の増加でした。

また、交通事故件数は30万7,911件。
負傷者数は36万5,027人。ともに前年比2.4%の増加。
発生件数と負傷者数が前年を上回るのは2004年以来、19年ぶりです。





交通事故を鑑定している株式会社 日本交通事故鑑識研究所 
代表 大慈彌雅弘さんによると、
最近の事故の発生状況から感じる注意点の1つは
駐車場内、端的に言えばコンビニエンスストアの駐車場からの
出入りするときの事故の発生件数が顕著です。

公道上ではルールを守って運転していても駐車場は何となく気が緩む。
一般公道を走行する時間を考えると駐車場でクルマを走行する時間は
かなり短いものの事故は相対的に多いと指摘します。





最近、駐車場での事故が目立つ点について、
大慈彌さんがあげた第2の理由が高齢者の存在です。

いま日本では65歳以上の高齢者が、
全人口の3割にとどこうとしています。
若者であれば反射的に危険を避けられるところも、
高齢者には難しいかもしれません。

高齢者の場合は少し接触して転んでしまうと
頭を強打して重傷、死亡に繋がるということもあります。
小さな接触事故にはならない可能性も考えて下さい。
駐車場では特に慎重にクルマを操作しましょう。



最後に大慈彌さんが指摘する、
いま気をつけたい交通事故の危険ポイントは電動製品。
電動自転車と電動キックボードです。





電動キックボード・電動自転車は交通弱者でありながら速く走り
自動車と衝突してしまうと重大な事故が起きる可能性がある存在。
さらにかなり気ままに利用している人も少なくありません。

電動キックボードに関しては事故が多発しているため
海外でも次々と規制する動きが出ていて
例えばパリでは住民投票でシェアリングサービスが禁止されました。
    
電動キックボードも電動自転車も
利用する方はルールを守って安全に乗りましょう。
ドライバーは見かけたら、注意を払って運転して下さい。



そして、始まってまもない2024年。
ここからさらに気を引き締めて安全運転でいきましょう

このところ、バック走行時のクルマが
死亡事故を起こすケースがたびたび報道されています。
今週はモータリングライター 藤田竜太さんにお話をうかがって
バック走行時の安全な運転を確認しました。





例えば、どんな事故が起こっているかというと
記憶に新しいところでは去年12月に東京都杉並区で歩道を歩いてた親子が
近くの自動車整備店からバックで出てきた乗用車にはねられて死亡する事故がありました。

また、去年のクリスマスにアイドルグループEEJUMPの元メンバーで
千葉県八街市の市議会議員になった後藤祐樹さんが
ガソリンスタンド内で突然バックしてきたトラックに
奥さんの車をぶつけられたとX(旧ツイッター)にアップして話題になりました。

藤田竜太さんも先週、自宅のすぐそばの月極駐車場で
お年寄りが運転する車がバックで急発進して
車止めを乗り越え、他の車に激突する事故も目撃したそうです。

さらに自宅の車庫などで小さな子どもが親の運転する車に
バックで轢かれる事故も毎年のようにあるのは皆さんご存知でしょう。





駐車場に入る時、狭い道で道を譲る時、
道を間違えて曲がり角まで戻る時など、
様々な場面でバック走行を行う可能性がありますが、
前方に走行するのと違って視界の確認は難しく、危険度が高いはずです。
そのバック走行、法令上はどんなふうに規定されているのか確認しておくと

道路交通法第25条に「車両は、歩行者または他の車両などの正常な交通を妨害する
おそれがあるときは、道路外の施設もしくは場所に出入りするための左折もしくは
右折をし、横断し、転回し、または後退してはならない」とあります。

つまり、歩行者の通行や他の車の正常な進行を妨げる恐れがある時は
バック走行してはいけないということですが、明確な基準はありません。
だからこそドライバーはもちろん、バック走行しているクルマの周囲のクルマ、
歩行者、自転車の利用者もしっかり注意しなければいけません。
なお高速道路では、全面的にバックは禁止されているので、そこはお間違えなく。





交通事故総合分析センターの資料によると
死亡事故の1.4%が後退時の事故で軽傷事故でも4.5%がバックでの事故。

数字的に見ると小さい割合に思うかもしれませんが、
車が動いてるときは99%以上前進しているはず。
そう考えると、この割合は馬鹿にできないものがあります。

事故の発生場所で見てみると駐車場やパーキングエリアなどが4割と少し。
交差点以外の道が4割弱、交差点付近が約2割。
歩行者は駐車場内や出入口付近での事故に遭っており、
自転車とバイクは路上で事故に遭うケースが多いようです。





バックでの移動は最小回数、最短距離が望ましいので
道路上で目的地を通り過ぎてしまった場合はバックで戻らず
もう1周して戻ってくる手間を惜しまないようにしましょう。

発進時は車に乗り込む前に目視で後方を確認すること。
駐車枠に止める時はバックで駐車したほうがいいでしょう。
バックで出庫することがなくなるからで「駐車スペースに入れるときはバックで」
「出庫するときは前進で」というスタイルを基本にしましょう。

あとはギアやペダルの位置をしっかり確認してから操作しましょう。
いちばん重要なのはバックで動き出す前に、もう一度、後方を目視で確認することです。
真後ろだけでなくサイドミラーをよく見て、近づく人や車がいないかを忘れずにチェック。
できれば窓を開いて、窓から顔を出し、自分の目と耳で周囲の安全を確認します。
また、バック時にハザードランプを点滅させるのも、被視認性を高めるには良い方法。

最後に慌てずゆっくり進むこと。
バック時は人が歩くぐらいのスピードで危険を感じたらすぐ停止します。
もしも、不安を感じたら何度でもやり直す心の余裕が必要です。





ドライバーの皆さんは、クルマを後方に動かす時は、
ポイントをしっかり押さえた上で安全に操作して下さい。

そして、歩行者の方、自転車に乗っている方は、
バックしようとしているクルマを見た時に
「自分のほうが交通弱者だからクルマが配慮するだろう」といった
安易な予測を元に行動することはやめましょう。
      
バックランプがついているクルマを見たら、
その動線に入らない、いちど停まるということを習慣づけ、
このことを家庭で子ども達にも教えて下さい。
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