年が明けて1月4日、警察庁が2023年の交通事故統計の速報を発表しました。
今回は、そのデータを伝えしつつ
最近はどんな交通事故に注意すべきかお伝えしました。





警察庁によると全国の交通事故で亡くなった方は2,678人。
交通事故で命を落とす人は減少傾向にあり、
2022年は統計がある1948年以来、過去最低の2,610人でしたが、
残念ながら、その2022年よりも68人の増加でした。

また、交通事故件数は30万7,911件。
負傷者数は36万5,027人。ともに前年比2.4%の増加。
発生件数と負傷者数が前年を上回るのは2004年以来、19年ぶりです。





交通事故を鑑定している株式会社 日本交通事故鑑識研究所 
代表 大慈彌雅弘さんによると、
最近の事故の発生状況から感じる注意点の1つは
駐車場内、端的に言えばコンビニエンスストアの駐車場からの
出入りするときの事故の発生件数が顕著です。

公道上ではルールを守って運転していても駐車場は何となく気が緩む。
一般公道を走行する時間を考えると駐車場でクルマを走行する時間は
かなり短いものの事故は相対的に多いと指摘します。





最近、駐車場での事故が目立つ点について、
大慈彌さんがあげた第2の理由が高齢者の存在です。

いま日本では65歳以上の高齢者が、
全人口の3割にとどこうとしています。
若者であれば反射的に危険を避けられるところも、
高齢者には難しいかもしれません。

高齢者の場合は少し接触して転んでしまうと
頭を強打して重傷、死亡に繋がるということもあります。
小さな接触事故にはならない可能性も考えて下さい。
駐車場では特に慎重にクルマを操作しましょう。



最後に大慈彌さんが指摘する、
いま気をつけたい交通事故の危険ポイントは電動製品。
電動自転車と電動キックボードです。





電動キックボード・電動自転車は交通弱者でありながら速く走り
自動車と衝突してしまうと重大な事故が起きる可能性がある存在。
さらにかなり気ままに利用している人も少なくありません。

電動キックボードに関しては事故が多発しているため
海外でも次々と規制する動きが出ていて
例えばパリでは住民投票でシェアリングサービスが禁止されました。
    
電動キックボードも電動自転車も
利用する方はルールを守って安全に乗りましょう。
ドライバーは見かけたら、注意を払って運転して下さい。



そして、始まってまもない2024年。
ここからさらに気を引き締めて安全運転でいきましょう

このところ、バック走行時のクルマが
死亡事故を起こすケースがたびたび報道されています。
今週はモータリングライター 藤田竜太さんにお話をうかがって
バック走行時の安全な運転を確認しました。





例えば、どんな事故が起こっているかというと
記憶に新しいところでは去年12月に東京都杉並区で歩道を歩いてた親子が
近くの自動車整備店からバックで出てきた乗用車にはねられて死亡する事故がありました。

また、去年のクリスマスにアイドルグループEEJUMPの元メンバーで
千葉県八街市の市議会議員になった後藤祐樹さんが
ガソリンスタンド内で突然バックしてきたトラックに
奥さんの車をぶつけられたとX(旧ツイッター)にアップして話題になりました。

藤田竜太さんも先週、自宅のすぐそばの月極駐車場で
お年寄りが運転する車がバックで急発進して
車止めを乗り越え、他の車に激突する事故も目撃したそうです。

さらに自宅の車庫などで小さな子どもが親の運転する車に
バックで轢かれる事故も毎年のようにあるのは皆さんご存知でしょう。





駐車場に入る時、狭い道で道を譲る時、
道を間違えて曲がり角まで戻る時など、
様々な場面でバック走行を行う可能性がありますが、
前方に走行するのと違って視界の確認は難しく、危険度が高いはずです。
そのバック走行、法令上はどんなふうに規定されているのか確認しておくと

道路交通法第25条に「車両は、歩行者または他の車両などの正常な交通を妨害する
おそれがあるときは、道路外の施設もしくは場所に出入りするための左折もしくは
右折をし、横断し、転回し、または後退してはならない」とあります。

つまり、歩行者の通行や他の車の正常な進行を妨げる恐れがある時は
バック走行してはいけないということですが、明確な基準はありません。
だからこそドライバーはもちろん、バック走行しているクルマの周囲のクルマ、
歩行者、自転車の利用者もしっかり注意しなければいけません。
なお高速道路では、全面的にバックは禁止されているので、そこはお間違えなく。





交通事故総合分析センターの資料によると
死亡事故の1.4%が後退時の事故で軽傷事故でも4.5%がバックでの事故。

数字的に見ると小さい割合に思うかもしれませんが、
車が動いてるときは99%以上前進しているはず。
そう考えると、この割合は馬鹿にできないものがあります。

事故の発生場所で見てみると駐車場やパーキングエリアなどが4割と少し。
交差点以外の道が4割弱、交差点付近が約2割。
歩行者は駐車場内や出入口付近での事故に遭っており、
自転車とバイクは路上で事故に遭うケースが多いようです。





バックでの移動は最小回数、最短距離が望ましいので
道路上で目的地を通り過ぎてしまった場合はバックで戻らず
もう1周して戻ってくる手間を惜しまないようにしましょう。

発進時は車に乗り込む前に目視で後方を確認すること。
駐車枠に止める時はバックで駐車したほうがいいでしょう。
バックで出庫することがなくなるからで「駐車スペースに入れるときはバックで」
「出庫するときは前進で」というスタイルを基本にしましょう。

あとはギアやペダルの位置をしっかり確認してから操作しましょう。
いちばん重要なのはバックで動き出す前に、もう一度、後方を目視で確認することです。
真後ろだけでなくサイドミラーをよく見て、近づく人や車がいないかを忘れずにチェック。
できれば窓を開いて、窓から顔を出し、自分の目と耳で周囲の安全を確認します。
また、バック時にハザードランプを点滅させるのも、被視認性を高めるには良い方法。

最後に慌てずゆっくり進むこと。
バック時は人が歩くぐらいのスピードで危険を感じたらすぐ停止します。
もしも、不安を感じたら何度でもやり直す心の余裕が必要です。





ドライバーの皆さんは、クルマを後方に動かす時は、
ポイントをしっかり押さえた上で安全に操作して下さい。

そして、歩行者の方、自転車に乗っている方は、
バックしようとしているクルマを見た時に
「自分のほうが交通弱者だからクルマが配慮するだろう」といった
安易な予測を元に行動することはやめましょう。
      
バックランプがついているクルマを見たら、
その動線に入らない、いちど停まるということを習慣づけ、
このことを家庭で子ども達にも教えて下さい。
今週のテーマは「駐車場」での事故に注意。
駐車場・・・ クルマが動いていたとしても、
大したスピードが出ているわけでもないから大丈夫じゃないの?
そう思う方がいたら大間違い。駐車場はかなり危険な場所なんです。
今回はモータージャーナリスト 菰田潔さんにお話を伺い お伝えしました。





損保協会のデータによると車両事故の約3割が駐車場で起きています。
内訳は駐車場内の施設の物と接触が3割。道路上の事故が7割。
走行距離に換算すると駐車場は相当危険な場所と言えます。

公益財団法人 交通事故総合分析センターの発表によると
2021年の駐車場での事故数は15,100件。

そのうちの、およそ62%が「車両相互の事故」で9,384件。
およそ31%が「人対車両の事故」で4,641件。
およそ7%が「車両単独事故」で1,075件となっています。

「人対車両」の事故が4,641件。
買い物などにクルマで出かけた時は皆さん公共の駐車場を利用し、
そこにはお年寄りや子どもがいるので注意が必要です。





運転の注意ポイント。
まず、平面式の駐車場で駐車スペースに入る時と出る時については
通路を走る車との接触に気をつけましょう。
駐車場のスペースに入るのも、出る時も【ゆっくり】が基本。

大型スーパーなど、前から車を止めるタイプの駐車場は
バックで通路に出ていくことになり
通路を走ってくる車とぶつかる可能性が高くなります。
最近は横からクルマが来ることを教えてくれる
クロストラフィックアラート機能搭載の車も増えてきましたが、
それがあっても、いつも慎重に「横から車が来るかもしれない」
歩行者がそこの車の後ろを通るかもしれない」と
確認しながら運転しなければいけません。





立体駐車場では、上り下りの両方で通る通路のカーブが狭く感じます。
それは外側を走る車が内輪差で内側に寄ってくるからで、
こちら側の走るスペースがどのくらいあるのか確認しながら走るのがポイント。
また、自分の存在を示すためにヘッドライトをONすることも大切。
まだ相手の視界に入らないうちから「対向車が来る」と気づかせるようにしましょう。





駐車場で「車 対 人の事故」が起きないため、
歩行者側の注意点についてもお伝えしましょう。

菰田潔さんによると車と接触する歩行者は運転免許を持っていない人が多い。
車の後ろ側の白いランプがついていてもバックすることを知らないのでは?
そして、歩行者からは車が大きく見えていますが
運転席のからは見えていないことも少なくありません。
ドライバーがこちらに気がついているかどうかを見極めた上で
車の周囲を歩くようにしましょう。

お年寄りや子どもは指摘されないとわからないかもしれません。
ご家族に高齢者や子どもがいる方は、上記のことを伝えて下さい。





最後に駐車料金を支払う時も気を抜かず、注意しましょう。
Dレンジでブレーキペダルを踏み、届かない所に手を伸ばすと
足が外れて走ってしまうというケースがあります。
Pレンジに入れる、エンジン止めることで事故が避けられます。
実践してください。
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