第56回 クルマの運転と災害の対処法 前編

2016/04/21

あなたはクルマを運転しています。
その時、突然、災害に見舞われました。
どのくらい身を守る行動をとれるでしょう?

自然災害が多い日本。

正しい知識を持ち、頭の中でシミュレーションしておくこと。
それが万が一の時、危険を回避する助けになります。
今週と来週のこの時間は、地震が起こった時を中心に、
「クルマの運転と災害の対処法」を追跡します。

コメントは国際モータージャーナリストの清水和夫さん。
清水さんは野毛印刷社発行『災害発生時におけるドライバーズ ハンドブック』を監修しています。

経験ある方が多いでしょう。
クルマに乗っている時は地震に気づきにくいもの。
運転時に揺れに気づいたとしたら、それは大きな地震です。
そのとっさの時に、まず気をつけるべきはハンドルとブレーキ。

急ハンドルは地震の揺れと同じ方向に力がはたらくと危険!
急ブレーキは後ろのクルマに追突されてしまうかもしれません!
急ハンドル、急ブレーキをしないように気をつけてください。

もし、高速道路を走っていたとしたら。
トンネル、橋、山沿いを走行していた場合は
できるだけ速やかにその状況を抜け出るようにしましょう。
周囲が安全な環境、状況の場所にきて、後続の車が停まっている場合は、
そこに車を止めて、ラジオやスマートフォンで、情報を集めましょう。
しかし、後続の車が走ってくる場合は、自分だけ止まると危険です。
スピードを落とし、止まる意思を示すため、ハザードランプを点灯させ、
止まれないならばSAやPAに入るまで走りましょう。
そこで、情報収集です。

一般道を走っていたとしたら。
ビルや電信柱など倒れてくるものがない場所に車を止めるよう心がけてください。
揺れが激しく、そこまで走れない場合は、できるだけ道路上に停車しないようにしましょう。
それが無理、道路上に止めざるを得ない時には、左端に寄せます。
車から出るか、留まるか、それは状況を冷静に判断する。
出てしまって危険なこともあり、留まっても危険なことはあります。

クルマを止めたところは危険。
降りて避難する時の大切なポイントは・・・

♡ できるだけ道路ではない場所に移動する
♡ やむをえず道路上に止める時は左に寄せる
♡ サイドブレーキをかける

♡ エンジンを止める
♡ 窓を閉め切る (この2つは 車両火災による二次災害を防ぐため)

♡ エンジンキーはつけたままにする
♡ ドアロックはしない(この2つは緊急車両の通行時に移動できるよう)

クルマを運転していて災害が起こった時、
一連の行動で基本となるのは冷静で落ち着いた行動。
それを忘れないでください。

「もしもクルマを運転している時に災害が起こったら」と
シミュレーションしてみてください。
それが自分や家族、友人の身を守ることにつながります。