第99回 強風時の安全な運転

2017/03/09
近づいて来ている春。
暖かくなってのドライブが楽しみな方も多いでしょう。

でも「春の嵐」という言葉があるように
春は低気圧が急速に発達して台風並みの暴風が発生する季節。

今週は 自動車運転工学研究所 代表 細川一夫さんの監修とコメントで
「強風時の安全な運転」を追跡しました。

まず1秒あたり
どのくらい風が吹くと車の運転に影響するか。


【風速10m から15m】 

人への影響は「風に向かって歩きにくくなる」「傘がさせない」
気象庁が「強風注意報」を出すくらいの、やや強い風。
車の運転にも影響が出始めます。
高速道路の吹流しが水平になるのが風速10m以上。
高速道路で乗用車は横風に流される感覚を受けます。


【風速15m から 20m】
  
人への影響は「風に向かって歩けない」「転倒する人も出る」ほど。
高速道路ではハンドルをとられる感覚が大きくなり
通常の速度で運転することが困難になります。


【風速20m以上】
    
人への影響は風速20mを越えると「しっかりと体を確保しないと転倒」
風速25mになると「立っていられない」「屋外での行動は危険」ほど。
車の運転は風速20mを越えると運転することが危険となり、
風速30mを越えると運転自体が困難になります


というように車の運転は
強い風に大きく影響されることになります。

風の影響を最も受けにくいのが車高の低いスポーツカータイプの車。
重心も低く横風を受ける面積も少ないので風の影響を受けにくいのです。
逆にワンボックやミニバンなどの背の高いタイプの車は横風を受ける面積が多いので、
そのぶん風の影響を強く受けます。
また車重の軽い軽自動車や二輪車も横風の影響を強く受けます。
そして、いちばん影響を受けるのがロングタイプのトラック。
車重が重いトラックは、横風にも強いように思いますが、
走行中だと車重が重いほど遠心力や慣性力が大きく働きます。
      

そして、地形によっては風が強くなりやすく、
車を運転している時に気をつけなければいけないポイントがあります。

一番気をつけていただきたいのがトンネルの出口。
トンネル内では風の影響を受けることはほぼありませんが、
トンネルを出たとたん急に横風を受けて大きく横に流されることがあるから。
また、山間部のトンネルの出口は谷間になっている場所が多く、
風が穏やかな日でも強い風が吹くことがあります。
「谷風」といって谷間などの狭い場所を通る風は圧力が強くかかり風速が他の場所よりも増すから。
同じ理由で、ビルの谷間や防音壁の隙間、谷間にかけられた橋の上などは気をつける必要があります。
また、海岸線の道路や橋の上も風を遮るものがないから注意が必要。
高い位置ほど風が強くなる場合が多いので高速道路の高架橋などでは特に注意が必要です。


そして、風が強い日の運転で気をつける点は・・・ 

まず、速度を落とすこと。
速度が高いほど、車は風の影響を強く受け、逆に速度が低いほど安定するから。
実は強風そのものが事故の原因となる場合は少なく、
ドライバーが風の影響を受けてパニックになることで起きる事故が多く発生しています。
よくある例としては、突風でハンドルを取られてふらつくとパニックになり、
それを立て直そうとして、慌てて急ハンドルを切り、バランスを崩して横転する。
また、急ブレーキも車のバランスを崩したり、スリップを起こしたりするので危険です。
強風時は急ハンドルや急ブレーキを避け、緩やかな減速と丁寧で確実なハンドル操作を心がける。
決して、強風を侮ってはいけません。