第116回 気をつけて! 実はそれって交通違反 エピソード5

2017/06/15

今週は先週に続き『気をつけて! 実はそれって交通違反』。
トータルでエピソード5話目をお送りしました。

コメントと監修はいつものように’安定の誠実感’。
東京 麹町 TOKYO FMから徒歩3分というご近所 
みらい総合法律事務 吉田太郎弁護士でした。
今朝ご紹介した『実はそれって交通違反』は3つのケースです。

【ずっとハイビームは交通違反】

吉田弁護士のコメント

まず 統計上の数字を見ると ハイビームとロービームでは
横断歩行者を轢いてしまう事故の発生率がまったく違います。
横断歩行者に対して起こしてしまう事故の96%がロービーム。
したがってハイビームにすることは非常に重要です。

しかし、ずっとハイビームだと眩しさを感じる人がいるのは予測されるところ。
対向車や後ろの車がハイビームの光は眩しさから危険な事態を引き起こしかねません。
そこで 法律では一部規制がされています。

道路交通法の52条の2項で他の車と行き違う場合や
前の車の直後を進行する場合で他の車両などの交通を妨げる恐れがある時は
ロービームにするようにと述べているのです。




【高速道路でガス欠は交通違反】

吉田弁護士のコメント

道路交通法の75条の10を平たく言うと
高速道路を運転しようとする時は あらかじめガソリンの量を点検しなさい
そして ガソリンの量の不足で 自動車の運転が出来なくなる恐れがある場合は
防止のための措置を講じなさいということです

一般道ではガソリンスタンドというのは探しやすいもの
でも 高速道路だとまったくないというところもあります
高速道路を利用する前はガソリンの量を充分にしておきましょう

高速道路でガス欠になった場合 罰則として罰金5万円以下
あるいは過失があった場合には10万円以下と定められています
多くの場合 ガソリンの残量は運転しながらも見るもの
過失が無いとは言い難く10万円以下の罰金が取られる可能性があり
あるいは反則金という事で済ませる場合でも9,000円かかります。

お金の問題ももちろんですが ガソリンが高速道路で無くなるという事態は
逃げ場がなくて非常に危険なことになるので注意が必要だろうと思います



【エンジンをかけたまま車を離れるのは交通違反】


吉田弁護士のコメント

エンジンをかけたまま車から離れてはいけないということについては
法律には1つの点から定めがあります

1つは道路交通法の71条の5号
車を離れる時は、エンジンを停めなさいと述べています
もう1つは71条の5号の2項
自動車を離れる時は無断で運転されないよう必要な処置を講じなさいとしています

車を離れる時は エンジンをかけっぱなしで
ドアもロックしないで立ち去ってしまいますと
他の人が勝手に運転してしまう可能性もあります。
エンジンを切り、鍵もきちんととかけましょう。

万が一 他の人が乗ってしまった場合に
車が凶器となって危害を加えかねないとも限りません。
注意が必要です。



以上のことが車の運転に際してルール違反となることを覚えておいて下さい。
交通違反は単にその行為を取り締まるためのものではありません。
危険な行為であり 交通事故につながり 負傷者や死者を生じかねない
そんな不幸な事態を回避するためのものです。