第129回 車酔いについて

2017/09/14

秋の行楽シーズンはもうすぐ。
休日にドライブでちょっと遠出という計画を立てている方も多いでしょう。

でも その中に家族の 友人の あるいは自分の 車酔いが心配な人もいるのでは?
同乗者の誰かが気持ち悪くなり 予定が遅れて先を急げば 交通事故の危険も高まります。
そして せっかくの旅行が車酔いでつらいのはもったいない!

今回は乗り物酔いのエキスパート
NASAによる「宇宙酔い」の研究を行ったことに始まり
地上の乗り物の「酔い」についても調査・研究をしている
CHO(ジェイコー)東京新宿メディカルセンター
耳鼻咽喉科 診療部長の石井正則先生にお話を伺いました。

無意識のうちに刺激や情報に反応して
我々の体をコントロールしている『自律神経』。
意識せずに呼吸したり 体温調節が出来ているのは自律神経のおかげですが
「乗り物酔い」は自律神経のバランスが崩れて起こります。

自律神経の働きの1つが「身体のバランスを保つ」機能。
耳の奥には平衡感覚を司る三半規管があり、
自律神経は三半規管で得た身体の揺れや傾きの情報をもとに
目から得た視覚情報を生かして 筋肉を反応させバランスを保ちます。
      
ところが・・・
     
乗り物、今回の場合は「車」の振動や揺れは、
平衡感覚と視覚の間にズレを生じさせ     
それを「不快」に感じてしまう人は「酔ってしまう」のです。

不快感が気持ち悪さに繋がる。
そこで車酔いする人は事前に快適でいることが大切です。

【事前のコンディションづくり】

◯ 睡眠をきちんととる
◯ 適度に食事をする(食べない・食べ過ぎはダメ)
◯ 体を締め付ける衣服ではなくリラックスできる衣服を身につける
◯ 出発前には酔い止めの薬を服用する



そして 車に乗っている時にどうしているのかも大切。


【車に乗っている時にやるといいこと】

◯ なるべく遠くの景色を見る
◯ 新鮮な空気、冷気を車内に入れる
◯ おしゃべりをする 歌を歌うなど 楽しいことをする
◯ ちょっと怪しいなと思ったら 目をつぶってシートを倒す
◯ お腹の緊張を緩めて 鼻から息を吸い ゆっくり呼吸をする
◯ ショウガや唐辛子を食べる



今は車内でDVDが見られる車もあると思いますがダメです
車の揺れと 視覚のズレが生じて 酔いに繋がってしまいます。

石井先生のところにきた患者で お父さんの運転では酔わないのに
お母さんの運転だと酔ってしまう子供がいたそうです。
理由はお母さんの運転は急ブレーキ・急発進が多かったから。

1)事前のコンディションづくりをしっかりする
      
2)乗車中は楽しく、気持ち良い状況をつくる
       
3)ドライバーは同乗者に優しい運転を心がける

この3点に注意して車酔いがない秋の行楽ドライブを楽しんで下さい。