第134回 AI技術で事故危険を回避

2017/11/09

NTTコミュニケーションズと日本カーソリューションズ株式会社(NCS)が
ドラブレコーダーに録画された映像から「一時停止」の道路標識があるところで
停止しなかったケースを抽出するアルゴリズム開発に成功しました。

交通安全への意識向上の目的でも使われるドライブレコーダー。
一歩進めてAIで効率的に録画した情報を処理して
交通事故の防止に役立てようという試みです。
NCSの ソリューション本部 萩原正宏さんに取材しつつ 追跡しました。





秋葉原に本社がある日本カーソリューションズ株式会社(NCS)。
法人向け自動車リースを行なうNTTグループの企業で業界大手の1つです。

昨今の自動車リース事業は車を貸すだけはありません。
付随するさまざまなサービスを提供しています。

その1つとしてNCSが展開するのが
顧客の自動車にとりつけたドライブレコーダーの映像を分析し
フィードバックする交通安全のためのコンサルタント業務。

交通事故にはならなかった「ヒヤリハット」事例や交通違反をなくして
事故が起りるリスクを少しでも減らすことを目指すのです。

そのためにスタッフはドライブレコーダーの映像を確認。
「危険運転」「ヒヤリハット」「交通違反」など事象を分類して
ドライバー別の危険性をレポートにして提出します。

ドライブレコーダーの録画方法は大きく2つ。
エンジンがかかってからエンジンを切るまで撮り続ける「常時録画」。
急ハンドルや急ブレーキなど衝撃があったシーンだけを残す「イベント録画」。

NCSが情報処理するのはイベント録画の映像。
常時録画より負担は少ないですがスタッフは8名で大変な作業。
情報処理の自動化は長年の課題でした。
課題解決についてグループ内の技術に頼ることにします。

NTTには「自動的に空港で不審者を見つける」実験を行なう部署もあり
ドライブレコーダー映像にある情報も
「危険な事象」か?「危険ではない事象」か? 自動分類できないか
という視点で共同開発パートナーを探していきました。
その中で見つかったのがNTTコミュニケーションのとある部署です。

最初に取り組んだのは「ヒヤリハット」事例を自動的に検出すること。
NCSには顧客のヒヤリハット事例だけを分類した映像ストック
ヒヤリハットにはならいない映像ストックが豊富にあります。

それらの情報からNTTコミュニケーションズは
アルゴリズムでヒヤリハットを検出することに成功しました。
検出できる確率は9割近くになります。

そして 今年に入って成功したのが 前述の一時停止違反を検出する実験。
今後、こうしたアルゴリズムによる危険事例の検出はさらに進むでしょう。





NCSが計画しているのは運転中にイベント映像があった瞬間に
それを共有サーバーに飛ばして顧客に見てもらうことです。
サービス提供は来年から始める予定ですが
例えば事故が起きた場合でもすぐフォローが可能。
事故の対処をしたあと速やかに当該車の業務をケアすることができます。

一方で事故に至らないイベント映像は
交通安全の指導に役立てることができます。

さまざまな領域で応用が広がるAI技術は
交通安全の場でも活躍しようとしています。