第207回 大地震発生とクルマの運転(前編)

2019/03/11

車に乗っている時、大地震が起こったら
あなたはどんな対応をとりますか?

自宅や職場にいて大地震が発生!
避難をしなければという時、クルマを使いますか?

クルマは早く逃げられる手段であり
一方でリスクも伴います。
今日は東日本大震災から8年。
大地震が起こった時のクルマの運転について
ふだんから考えておきましょう。

今週と来週は「大地震の発生とクルマの運転」をお伝えします。
前編の今週は「クルマに乗っていて地震が起こった時の対応」について。





気象庁の地震の「震度」解説によると
屋外では「自動車を運転していて、揺れに気づく人がいる」のが「震度4」。
屋外ではさらに電線が大きく揺れています。
一般の人の【体感】【行動】は・・・

ほとんどの人が驚く。
歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。
眠っている人のほとんどが、目を覚ます。


屋内の状況は・・・

電灯などの吊り下げものは大きく揺れ、
棚にある食器類は音を立てる。
座りの悪い置物が、倒れることがある。

        
多くの方がクルマの運転していた時に
地震があったのを知らなかったという
経験をしたことがあるのではないでしょうか?

クルマは振動や衝撃をタイヤのサスペンションで吸収するよう作られています。
運転している時は地震に気付きにくいもの。
震度4で「気づく人がいる」というレベルですから
気づいた時は「大きな地震かもしれない」という認識を持ちましょう。

ちなみに震度5強になると屋外では・・・

「窓ガラスが割れて落ちることがある。
ブロック塀が崩れることがある。
自動販売機が倒れることがある」

       
と同時に「自動車の運転が困難となり、停車する車もある」
という状況になります。





クルマを運転している時に揺れに気付いたら慌ててはいけません。
事故につながります。国家公安委員会作成の「交通の方法に関する教則」では

まずは「急ハンドル」と「急ブレーキ」を避ける。
そして、周囲のドライバーが危険な運転をするかもしれません、
安全を注意しつつ、ゆっくり道路の左側にクルマを停車する。 
       
停車する場所にも注意を払いましょう。
周囲を確認して看板や瓦などの落下物がありそうなところや
電柱や標識など何かが転倒してきそうなところは避ける


安全な場所にクルマを止めたら
正確な情報をキャッチしなければいけません。
揺れている間は車内で身を守る。
揺れが落ち着いたら、カーラジオやスマートフォンで、
地震の情報と交通情報を収集。

情報や周囲の状況に応じて行動しましょう。





この時に気をつけるべきことがスマホに没頭しすぎないこと
自分がある状況をtwitterで発信しすぎる。何か情報を追いかけすぎる、
家族や友人と連絡を取りすぎるといったことには要注意。
次の危険が迫っていないとも限りません。
周囲の状況をきちんと把握しましょう。

クルマを置いて逃げなければいけない時は、
できる限り、駐車場や空き地など、道路外に停止してから。
やむを得ず、道路に置いて避難する時は・・・

道路の左側に寄せて駐車する。
(避難する人や緊急車両が通れるようにするため)

エンジンを止めて、エンジンキーは付けたままにする。
車内の分かりやすい場所に置いておく。

(必要であれば移動できるように)
       
窓を閉めてドアはロックしない。


この時にできればダッシュボートやフロント部分に
名前と連絡先を書いたメモなどを残す

さらに車検証を持っていきます。
盗難にあっても免責とならず
保険金が支払われるための対策です。

車を置いて逃げることはせず
引き続きクルマを走行していく場合は
道路の破損や信号の停止といった危険があるかもしれません。
十分に運転環境に気をつけて運転しましょう。