第299回 続・危ないクルマのローカルルール

2020/12/18

今週のテーマは「続・危ないクルマのローカルルール」でした。
ある地域で何かしらの危険な運転が顕著で
ネーミングされた「ローカルルール」が全国に存在します。

この番組では4年前に4つのローカルルールを紹介しました。
12月は交通事故死亡者が最も多い月。
注意喚起の意味を込めて
前回とりあげなかった3つの「ローカルルール」を紹介しました。





1つ目は徳島県の「阿波の黄走り」。
電話取材によると、もともと「阿波の黄走り」は
地元では認識されていなかったそうです。
地域外のマスコミがつくっのではないか?とのことでした。

そのことをお伝えしつつ、
「阿波の黄走り」がどんな運転を指すかというと・・・
信号が黄色に変わるとスピードを上げて交差点を通過する行為。

車を運転する方なら、そういう経験があるのでは?
黄色信号は「注意して進め」という意味ではありません。
安全に止まることができない場合を除いて停止線の前で止まるというもの。

黄色になると“急いで交差点を通過しないと!”と、
スピードを上げている全国のドライバーのみなさん、
黄色信号は停車する合図だということを認識して下さい。





ちなみに4年前にJAFが行った「自動車運転マナーの調査」。
自分が居住する都道府県の運転マナーは悪いと答えた人のランキングは
全国平均38.3%のところ

3位 茨城県 67.2 % 
2位 徳島県 73.5 % 
1位 香川県 80.0 % 

マナーの悪さ=危険運転ではありません。
また、危険運転の要素が入っているにしろ、これは主観的な判断。
客観的に見れば、マナーが悪いと思っていない都道府県のほうが、
マナーが悪いと思っている都道府県より、危険な運転が多いかもしれません。
ただ、いま挙がった県は、多くの人が自分の地域の運転マナーは悪いと思い、
他のドライバーに対してストレスを感じているので気をつけましょう。





続いての危ないローカルルールは「茨城ダッシュ」。
これは交差点手前で信号停止している時
赤信号から青信号へと切り替わったとたんに交差点に進入し
直進車よりも先に右折する運転行為。

危ないですね。
これは交差点では直進するクルマが優先という規則に違反しています。
  
先に行こうと、急スピードで右折したとしても
急いでいる直進車も急な加速をするかもしれません。
また、先に右折しようと急いだあまり
横断歩道を渡る人を、見逃しているかもしれません。
  




最後の危ないローカルルールは「岡山ルール」と言われるもの。
これは、どんな運転かというと
右折や左折をする時に曲がる直前までウィンカーを出さない行為。
特に右折の時が顕著です。

4年前のJAFのアンケート調査では
「方向指示器を出さずに車線変更や右左折する車が多い」かどうか尋ねた質問に
「とても思う」と「やや思う」と回答した割合が、岡山県は全国最多。
9割にのぼりました。

理由としては、右折の時、早めにウィンカーを出すと、
直進車がスピードを上げて、先に曲がれなくなることが考えられています。
これも危ないですね。

そして、昨年は岡山県内の岡山市が政令指定都市の中で
人口あたりに対する交通事故死亡者数がワースト1位。
これについて一般財団法人 岡山県交通安全協会
安全事務局 次長 河内隆志郎さんが注意を呼びかけて下さいました。





ローカルルールは、その地域に顕著な運転行為かもしれませんが
その地域に限ったものではありません。
多くの場合、道路交通法違反でもあります。
気をつけましょう。