第307回 シートベルト着用状況 全国調査 2020年版

2021/02/12

クルマに乗る時、シートベルトをきちんと着用していますか?
今週は、去年の10月から11月にかけて警察庁とJAFが合同で行なった
「シートベルト着用状況 全国調査」からシートベルト着用について考察しました。





2002年に始まった警察庁とJAFの「シートベルト着用状況 全国調査」。
最新の2020年調査は「高速道路等」全国 105箇所、  
「一般道路」全国782箇所で行われました。


【調査対象者】

<高速道路等>

 運転者     5万 5,549人
 助手席同乗者  1万 8,211人
 後部座席同乗者 1万 3,873人


<一般道路> 

 運転者     30万 3,091人
 助手席同乗者   4 万 8,498人
 後部座席同乗者  5 万 5,755人


かなり大きな規模の調査なので
もちろん統計上、信頼がおけるデータです。
その結果、シートベルト着用率は


【調査結果】

<高速道路等>

 運転者     99.7%
 助手席同乗者  98.5%
 後部座席同乗者 75.8%


<一般道路>

 運転者     99%
 助手席     96.5%
 後部座席同乗者 40.3%



高速道路も一般道も運転者と助手席同乗者は100%近く。
それに対して、後部座席は高速道路等が75.8 %、一般道路が40.3%。
かなりの差があります。

このデータには、もう少し踏み込むと驚く事実も隠れていました。
後部座席同乗者の着用率は前部座席より低いものの上昇傾向にあります。
ただ、それはあくまで全国平均値。
実は47都道府県別で見ると23箇所で前年より着用率が下がっています。





特に着用率が低いところは沖縄県 15.8%、宮崎県 19.7%、
佐賀県 24.4%、大分県 24.8%、大阪 25.3%。
着用率が高いところは群馬県 61.8%、長野県 59.4%。
ただ高いといっても6割程度ですから再考する必要があるでしょう。





後部座席でシートベルトをしない理由は
いろいろと想像できます。


*運転席や助手席と比べて装着しにくい。

*例えば友人が後部座席に乗っていて
 運転者の自分が装着するように指摘するのは気が引ける。

*道路交通法で装着が義務付けられていることを知らない。
  ちなみに2008年以前は運転席と助手席だけに義務付けられていましたが
  今は全席でシートベルト着用義務があります

*ただ、後部座席は一般道路でシートベルトをしなくても行政処分がない
 そこに甘んじている  など・・・


去年9月から新型車は全座席を対象に、
警報音を発する「シートベルトリマインダー」をつけることになっています。
今後はハード面の整備によって後部座席の装着率も上がるでしょう。

しかし、そうした強制力ではなく、
自らの安全を確保するという考えのもと、
シートベルトを締めるようにしましょう。

警察庁の最近のデータによると
後部座席のシートベルト非着用の交通事故 致死率は、
一般道路で着用時のおよそ3.3倍、高速道路ではおよそ11.7倍です。