第379回 居眠り運転をしないために

2022/07/08
クルマの運転中に眠気を感じたことは誰もがあるでしょう。
中には居眠りしている自分にふと気づいたという
コワい経験をしたことがある方もいるかもしれません。

もうすぐ夏休み。
クルマで出かけることが多い時期です。
今週は「居眠り運転をしないために」をお届けしました。





居眠り運転が原因の交通事故はたびたび起きています。
去年11月、岡山県 総社市の国道で
幼稚園に通うために横断歩道を渡っていた女の子2人と
それぞれの母親の4人が乗用車にはねられ、
女の子1人と、別の女の子の母親が、一時意識不明の重体となりました。
居眠りをしながら運転し、赤信号に気づかず4人をはねたとして、
過失運転傷害罪に問われている65歳の男性は、
先月、地裁で禁錮3年の実刑判決を言い渡されています。


もう1つ。
今月5日の午前4時40分ごろ、
神奈川県 川崎市の県道で乗用車が信号機の柱に衝突、
電柱が粉々に砕ける事故が起きました。
事故を起こし、軽傷を負った22歳の女性は、
「居眠り運転をしていた」と話しているということです。

居眠り運転は、歩行者・自転車に乗る人・他の運転者と、
自らの命も危険を脅かします。気をつけなければいけません。





今回、コメントをいただいた睡眠が専門の
雨晴クリニック 院長 坪田 聡 医師によると
運転中に眠気に襲われる最大の原因は睡眠不足。

現代の日本人はほとんどが睡眠不足に陥っているとのことで
前の日の睡眠時間が短かかったり、睡眠不足が長く続いてる時は、
運転中に眠くなってしまうことが多いようです。

そのほか、道路の形状にほとんど変化がなく、
ハンドルやブレーキの操作をしない時も眠気がやってきやすい。

また、体の周期で1日で眠気が強くなる時間があり
午後の3時から4時、午前3時から4時ぐらいに居眠り運転が多く
事故も増えると言われているそうです。

さらに天気では日光の刺激がある晴天や、
緊張感がある雨の日ではい、曇りの日が眠くなりやすいそうです。





適切な睡眠時間は人によって異なりますが、
厚生労働省は成人の場合、6時間から8時間の睡眠を推奨しています。
ただ、坪田医師によると同じ睡眠時間でも体温が下がる夜間には深い睡眠がとりやすく
早朝以降には体温が上がってくるので睡眠が浅くなる傾向があるそうです。
睡眠をとるタイミングにも注意が必要です。





質の良い睡眠をとっていれば、居眠り運転のリスクは減ります。
坪田医師による睡眠の質を良くするための注意点。

1つは光のコントロール。
寝る前に携帯やパソコンを見て明るい光を浴びてしまうと、
夜ぐっすり眠りにくくなります。

2 番目に大事なのは食事の規則性。
朝昼晩きちんと同じ時間に食事をとると体内時計が順調に回るので
昼は眠くならず、夜は眠くなる状態になります。
朝ご飯を食べないという人も多いと思いますが、
眠気ということを考えると、しっかり食べた方がいいようです。





ここまで運転中に眠くならないための情報をお伝えしてきましたが、
それでも眠くなってしまうことがあるかもしれません。

眠気に襲われた時の対処方法の1つは仮眠をとること。
もう1つは眠気に対抗することです。

眠気に対抗するというのは体の神経を活性化して眠気を減らすこと。
例えばコーヒーを飲んでカフェインを摂る。
カフェインには脳の細胞に働いて眠気を感じなくさせ る働きがあります。
また、ガムを噛む顎の運動は目を覚ますセロトニン神経を活性化します。
歌を歌う、光を浴びる、運動をする、冷たい水で顔を洗う。
身体と脳に何か刺激を与えることをしましょう。





これからの夏休み。
クルマで遠出することもあるでしょう。
最後に坪田医師から運転する前の日の注意点です。

長距離運転をする前日は睡眠不足にならないようにして下さい。
お酒は思ってる以上に残ることあるので少なめに、早めに切り上げる。
眠気が強くなりやすい午前3時 〜 4 時、午後3時〜から4 時ぐらいの運転はなるべく避ける。
反対に、いつも布団に入るの2 時間 〜 4 時間ぐらい前は眠気が少ない時間帯。
有効に使うことが大切ですとのこと。

長距離運転については、出かける時よりも帰って来る前日に気をつけたいですね。
旅行先や帰省先で夜更かししてしまうとか、飲みすぎてしまうとか。
生活を整えて、居眠り運転に陥らないようにしましょう。