第392回 タイヤのトラブル

2022/10/07
安全なカーライフを送るために特に重要なパーツ「タイヤ」。
トラブルは大きな事故に繋がりかねません。
みなさん、どのくらい注意してクルマに乗っていますか?
今回は「走行中のタイヤのトラブル」をお送りしました。





2021年度にJAFが救援出動したロードサービスのうち
タイヤのトラブルによるものは18.6%で出動原因としては2位。
ちなみに出動原因の1位は「バッテリー上がり」の40.7%で
これも覚えておいてほしいところですが、タイヤのトラブルも大いに注意する必要があります。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係で交通安全インストラクターの高橋 啓剛さんによると
以前 JAF が行った検証で、突起物を踏んでバーストをさせた車は
通常の走行時に比べてハンドルを取られてカーブの外側に膨らむという結果が出ました。
カーブの角度によっては曲がりきれなくなる可能性があります。

また、時速 70 キロの直進で突起物を踏む実験を行ったところ
停止距離が5m 伸びるという結果になりました。
通常の感覚では停車出来ないことが考えられます。





気になるJAF のデータは他にもあって
これは二輪も含めた数字ですが、タイヤのトラブルに関するロードサービスの出動件数は
2007年度の28万 6,934 件から2021年度は40 万 1,290 件に増加。11万 5千件も増えています。

推測として車内のスペースをとらないパンクの修理キット搭載のクルマが増加して
スペアタイヤを持たないので救援依頼が増えているのではないかとのこと。

スペアタイヤが無ければロードサービスに頼るというのは致し方ありません。
それであればなおさら、ふだんからのメンテナンスとチェックをして
走行中にタイヤの調子にも注意を払う心がけが必要でしょう。





まずはタイヤの定期的な空気圧チェックをすること。
空気圧は自然に低くなるのでガソリンスタンドなどで月に1 回はチェックしたいところ。

空気圧は車に応じて指定の目安があります。
運転席のドア付近か給油口の蓋の裏に表示されているので確認しましょう。
また、乗車前に一周してタイヤの状態を目視で確認すると
タイヤが凹んでいる場合など、異常を発見できて早めの対処に繋がります。





そして、事故に繋げないために大切なのは
走行中にタイヤがパンクやバーストしてしまった時の対応。
正しい対処を覚えておきましょう。

走行中にパンクに気がついたら、道路の左側など安全な場所に車を寄せて停車。
スペアタイヤに交換する場合は、車の右側のパンクで高速道路などのリスクの高い場所や
パンクしたタイヤのナットが硬くて緩まないといったときは自分で対処をせずに
JAFなどのロードサービスに依頼しましょう。

また、応急修理キットがある場合は取扱 説明書に従って応急処置をしますが、
応急修理ができるのはトレッド面と呼ばれるタイヤが地面と接している部分に
小さな釘やネジ、金属片などが刺さったパンクの場合。
大きいものが刺さっていたり、タイヤ側面に損傷があると修理できません。

いつ何時、起こるかもしれないタイヤのトラブル。
予防・対策を日頃から行い、“もしも”の時はしっかりと対処しましょう。