第402回 警視庁による自転車の悪質な違反 取り締まり強化

2022/12/16
警視庁は10月31日から自転車の悪質な交通違反に対して取り締まり強化に乗り出しました。
これは東京都の話ですが、自転車が関わる交通事故は地域に関わらず注意が必要です。
自転車利用の安全性への意識を高めましょう。





警視庁が摘発強化の対象とした自転車利用は「信号無視」「一時不停止」
「車道の右側通行」「徐行せず歩道通行」4つの法令違反。
悪質なケースには刑事処分の対象となる「赤切符」交付の運用を始めました。

警視庁 交通部 交通執行課 管理官 石毛 康晴さんによると
自転車の指導取り締まりはこれまでも進めてきた中で
最近の交通事故の実態や取り締まりへの意見や要望を踏まえて検討した結果
重大交通事故に直接結びつく恐れのある交通違反については
重点を置いた取り締まりを行うことにしたとのことです。





健康志向の高まり、コロナ禍の影響、
電動自転車の普及から自転車を利用する人は増え、利用時間も伸びています。
その結果、交通事故全体では数が減少する中、自転車が関与する事故件数は増えています。

去年2021年(令和3年)まで6年間の自転車関係の事故の推移は
2016年の11,218件が2018年は12,865件、2019年は13,094件。
2020年は減少して11,443件ですが、新型コロナウイルス蔓延で外出を自粛したからでしょう。
去年2021年には過去6年で最多13,332件となっています。





最近はどんな自転車が関わる交通事故が都内で起きているか。
9月に信号機がない十字路交差点で一時停止をしなかった自転車と乗用車が衝突。
自転車の運転者が死亡する交通事故が発生しています。
10月には飲酒して自転車に乗り,
ブロック塀に衝突して自転車の運転者が死亡しています。
これからの時期、お酒 を飲む機会が増えると思いますが、飲酒運転は絶対やめましょう。

石毛さんによると重大な事故に繋がりやすい自転車の違反としては
信号無視、一時不停止、車道の右側通行などがあります。
これらの交通違反で取り締まりを受けた場合
都内居住者であれば指定された場所へ出頭しなければならず
略式裁判等によって罰金が課されることがあります。

また、自転車には講習制度があり、
自転車を運転中に信号無視などの一定の危険行為を行い
3 年以内に2 回以上交通違反として取り締まりを受けた人や
交通事故を起こして送致された人は自転車運転者講習を受けなければいけません。





ちなみに警察庁によると令和 3 年に自転車側が
第1当事者または第2当事者となった事故で死亡した 359 人の自転車利用者のうち
法令違反がなかったのは 24%にとどまっています。

法律で自転車は車両として位置づけられています。
歩道と車道の区別のある道路では車道通行が原則。
車道を通行する際は道路の中央から左側部分の左端に寄って通行して下さい。
例外として、歩道を通行することができる場合もありますが、あくまで歩行者優先です。
歩行者の通行を妨げてしまいそうな場合は一旦止まってください。

自転車に乗るときはヘルメットを着用しましょう。
保護者の方は子どものヘルメット着用にも留意して下さい。
夜間はライトの点灯を忘れずに。
傘をさしながらの運転や携帯電話を使用しながらの運転は禁止されています。

罰則を避けるためという部分もありますが
自分を守るため、また歩行者を事故に遭わせてしまわないため
交通ルールを守って自転車を利用して下さい。