第407回 乱横断は危険な行為

2023/01/20
日本における交通死亡事故の特徴は、諸外国と比べて歩行者が多いこと。
日本の場合、自動車対歩行者の事故は圧倒的に自動車の過失が大きくなります。
しかし、実は事故に遭った歩行者にも法令違反にある「乱横断」が多いことが
いま問題視されています。今回は歩行者や自転車の「乱横断」を注意喚起しました。





今回お話を伺ったモータージャーナリストの近藤 暁史さんによると
歩行者の道路横断のルールは、まず横断歩道は信号がある時は信号に則って
信号がない場合は左右を確認して渡ります

また、横断歩道がなくとも道幅が狭い道路なども
左右の安全を確認して渡れば問題ありません。

しかし、法令違反になるのは歩行者横断禁止の表示がある道路の横断。
特に道路が広い幹線道路が多いですが、渡ってはいけません。
そのことを認識しておきましょう。





ちなみにちなみに「歩行者横断禁止」の標識は
かつては上のようなハットをかぶった道路を横断する男性のシルエットに
漢字で「横断禁止」の文字が記されたものでした。

しかし、3年前に子どもでも読むことができるよう
ひらがなで「わたるな」と表記すると
警察庁は道路標識に関する命令を改正しています。
今後、下のような標識が増えていきます。





さて、「乱横断」というのは上記のような交通ルールに則っていない
危険な法令違反の道路横断をまとめていう言葉です。

近藤さんによると最近問題になっているのは
横断歩道を渡るように見えて斜めに渡る斜め横断、
ひどい場合はスマホを見ながらの歩行、飛び出し、
また、歩行者だけでなくふらっと道路を横断する自転車も。
このあたりが問題になっている気がするということです。





ドライバーの立場で想像すると「乱横断」する歩行者
そして、自転車も本当に怖いと思います。
いくらドライバーが注意していたとしても限界はあります。
歩行者や二輪車に乗る人は、自分は大丈夫だと過信してはいけません。
それから、クルマがよけるべきという驕った考えを持たないようにしましょう。

近年のデータから、横断歩道以外を横断中に交通事故で亡くなった人の
約7割に法令違反があったことが報告されています。
年齢層を見ると、危険なのは高齢者。
家族に高齢者がいる方は安全な道路の横断をするよう伝えて下さい。