第425回 右折時に注意すること

2023/05/26
交通事故が最も起きている場所は交差点内。
その交差点内で起きている車両相互の事故のうち
「出会い頭」に次いで多いのが「右折時」。
今回は右折する時に心がけるポイントをお伝えしました。





今回のコメントは日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員も務める菰田潔さん。

右折は直進や左折と違い、対向車線を横切って、
交差する道路へと入る、危険ポイントが多い運転行為。
大切なのは早めにウインカーを出して右折の意思を示すこと。
道路交通法では交差点の30m手前でウインカーを点灯するルール。
しかし、幹線道路などでは走行速度が速いのでより早めの意思表示。
まずは「周りに右折の意思を示す」ことを心がけましょう。





右折しようと思っている時。
信号が青で右折車線があれば交差点の中に入って
なければ車道の先頭で対向車がなくなる瞬間を待ちますが、
この時にも待ち方と右折するタイミングには要注意。

交差点の真ん中で右折待ちをすることになりますが
車をセンターラインに近づけてまっすぐ止めることが大事なポイント。
車を斜めにして待っていると後続車が通り抜けにくい。
周りのクルマへの配慮も持つようにしましょう。





右折時に起きやすい事故が2パターンあります。
直進車と衝突する右直事故と「サンキュー事故」と呼ばれるもの。

右折のタイミングは菰田さんをもってしても難しいそうで
後ろの車がイラついたとしても安全を優先して待つそうです。
それは見切り感覚で右折すると曲がった先の横断歩道に人がいることもあり得るから。

安全マージンをたっぷりとって「十分に安全」というところで初めて右折をしましょう。
「待ってる時間が長いと渋滞するじゃないか」と思うかもしれませんが、
実は事故を起こした方がより渋滞になる可能性があります。





サンキュー事故は思いやりが生んでしまう皮肉な事故。
「“右折をどうぞ”と譲る側のドライバーはあえてスピードを落とし
空間を空けてあげたほうが安全です」と菰田さんはおっしゃっていました。

中には、右折できるとなると「邪魔にならいように早くいかなきゃ!」と
焦ってしまう人も多いかもしれません。
右折の時は無闇に急いだり、慌てたりせず、
ハンドルを切ったその先に“危険”があることを想定して慎重に臨みます。

右折するクルマが関わる交通事故で多いのが「右直事故」。
直進する車と右折する車が衝突するもの。
1つのパターンは複数車線の道をまたいで右折する時。
注意を払って右折斜線まで移動したものの
対向車線から来る車が結構な勢いで来てしまったケース。
3車線や4車線の道もあり、陰に隠れた車が来ている可能性を想定しましょう。





交通事故が最も起きる場所「交差点」。
その中でも多い「右折時」の事故に充分に注意して下さい。