第442回 狭い道の安全運転

2023/09/29
車を運転していると時に狭い道を通り抜けする状況に出くわします。
多少ゆとりがあっても対向車とのすれ違いにヒヤヒヤの方は多いでしょう。

そんな状況で不安にならず、安全にすれ違うためにはどうすればいいか?
今回は身につけておきたい知識やテクニックを
日本自動車ジャーナリスト協会 会長で日本自動車連盟 交通安全委員会
委員 菰田 潔さんにお聞きしました。

「狭い道」と聴いてイメージする広さは違うと思いますが
今回は制限速度が時速3Oキロ以下、
スピードを落とさないと対向車とすれ違えない、
そんな道を想像して下さい。

その狭い道では対向車とすれ違う時に
左に寄りすぎて電柱や縁石にクルマを擦ってしまう
反対に左に寄りすぎるのが怖くて対向車と
ドアミラーがぶつかってしまうケースが考えられます。
こうしたことにならないようクルマの車幅感覚を掴んでおきましょう。

狭い道か広い道に関わらず、車の前輪の左右のタイヤが
どこを通るのか正確に把握しながら運転すると
車全体の車両感覚がつかめるようになります。

ボンネットが見える車であれば、運転席から見てボンネットの先端の左右の
中央付近の前の道のあたりが大体タイヤが通る場所です。
日頃から、その車両感覚を正確に把握するように運転しましょう。





車幅感覚を掴んだ上で、狭い道での対向車とのすれ違いのポイントは
車体をまっすぐにする、道路と平行にすること。
頭だけ左側に向けるとクルマの後部が道路の中央に残っていて
すれ違いできる余地がないかもしれません。
道路と平行に徐々に道路の端に寄って車体を並行にしましょう。
さらに車体を並行にしてもタイヤが曲がっていて
車体より出た状態になってしまいすれ違えないことがあります。
これもポイントの1つです。





そして、狭い道ではさほどスピードは出せないので、
車同士の接触や単独で電柱や縁石にぶつかっても
さほど大事に至ることはないかもしれません。
しかし、衝突する相手が人間であれば、その限りではありません。
最も気をつけたいところです。

狭い道での交差点では飛び出しによる人と車の事故もあります。
クルマを運転していて広い道だと横から来る人や自転車も見えやすいですが
狭い道の場合には見えにくいので子どもの飛び出しに気づくのが遅れます。
狭い道はスピードを落とすというのが大事なポイントです。

子どもやお年寄りは極めて危ないですし、
頑健な大人でも打ちどころが悪ければ大事に至ります。
さらに自転車との衝突も早く走っている分、衝撃が強くなって危険です。





その狭い道を曲がるのが苦手な人も多いはず。
そんなドライバーに菰田潔さんが提唱するのが「アリさんブレーキ」。
今はほとんどの方がオートマ車だと思いますが、
ブレーキペダルを離すとクリープでゆっくり車は走るので
それをブレーキを使いながらゆっくりゆっくり走る
その状態からハンドル一気に切ると小回りが効くので
それで狭い道の交差点を曲がるという手法です。

今日の情報を念頭において、
狭い道の運転も焦らず、スピードを出さず、ご安全に!