第451回 圧雪路・凍結路の運転

2023/12/01
今日から12月。地域によっては雪が積もり始める時期になりました。
冬場は雪道や凍った道路結の走行に気をつけなければいけません。
今週はモータリングライター 藤田 竜太さんにお話を伺い
その注意点についてお伝えしました。





一言で雪道といっても「新雪」「圧雪」「シャーベット」と路面上が異なる状態と
凍結路の『アイスバーン』があって、さらにはそのアイスバーンにも
積雪がタイヤで押しつぶされた「圧雪アイスバーン」
交差点付近で停車した車の熱で雪が解け、タイヤの摩擦で路面が磨かれ再凍結した「ミラーバーン」
路面が濡れたような状態で表面が薄く凍ってる「ブラックアイスバーン」の3種類があります。
一様に同じではなく、路面の状態も様々。タイヤの滑り方も状況で違うと覚えておきましょう。





「圧雪路」や「凍結路」がどのくらい滑りやすくなるのか?
路面の摩擦係数で比較すると乾燥したアスファルトの摩擦係数は0.7〜0.9
圧雪路では0.2から0.4なので約3.2倍滑りやすくなります。
さらに凍結路では5.4倍も滑りやすくなり、
ミラーバーンやブラックアイスバーンのようにツルツルの凍結路になると
8倍以上も滑りやすくなっているのでかなり危険です。

そして、路面状況で変わってくるのが、
ブレーキが作動してから車が停まるまでに走る「制動距離」。
スタッドレスタイヤを履いて時速40キロメートルで走っていた場合、
乾燥いた路面だと7.9mの制動距離が圧雪路では21m、
凍結路に至っては79mにもなってしまいます。

従って、路面の状態にいつも気を配って
できるだけ凍結路面にタイヤを乗せないように走るのが基本。
雪道に強いとされるスタッドレスタイヤでも、
凍結路面ではそれほどグリップしてくれないので過信しないこと。
特にブレーキが効きづらくなるので、凍結路面を見かけたら速度を落とし、
車間距離を広げて、急ハンドル、急ブレーキ、急発進は避けて下さい。





道路が凍結しやすい場所としては・・・

⚫︎ 陽が当たらないところ
⚫︎ 交差点付近
⚫︎ 橋の上
⚫︎ トンネルの出入り口

などが挙げられます。
また、坂道やカーブも滑りやすいので細心の注意が必要です。





今年は秋になっても暑いぐらいの日が続いたので、
もしかするとタイヤを冬用に履き替えていない方もいるかもしれません。

しかし、積雪時にノーマルタイヤで走ることはそもそも法令違反。
沖縄県以外で雪の日にノーマルタイヤで走ると普通車で反則金6000円です。

そのことを抜きにしても圧雪路でも凍結路でも
ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤより遥かに制動距離が伸びてしまいます。
また、少しの傾斜があるだけで発進できなくなったり、
カーブでも曲がり切れない可能性が出てくるので、
雪道や凍結路をノーマルタイヤで走るのは絶対にやめましょう。

冬に雪が降ることが想像される地域にお住いの方は、
愛車を冬タイヤに履き替えた上で、
これからの時期はスピードを出さず、車間距離を空け、慎重の運転を心がけて下さい。