第543回 第16回 交通安全川柳コンテスト

2025/09/05
毎年、新年度になってすぐに募集を開始される
一般社団法人東京指定自動車教習所協会主宰の『「交通安全」川柳コンテスト』。
16回目となる、今年の選考結果が7月に発表されました。





今回、47都道府県から寄せられた作品は、
去年より5,700句ほど増えて20,137句。
その中から最優秀賞1作品・優秀賞2作品・入選5作品・
団体賞1組が選ばれました。

特別審査員をつとめている一般社団法人 全日本川柳協会は、
安全運転の意識が高まるのと同じように、交通安全川柳の応募数も増えています。
2024年の交通事故件数は290,792件。死者は2,663名。
負傷者は343,756名と、それぞれ前年よりも少し減少しています。

しかし、悲惨な事故が続いているのは、報道されている通りです。
「事故を起こさないように」、そして「事故に遭わないように」と願いが込められた川柳の一句ずつを噛みしめ、
今後とも安全運転に勤めてゆきたいものです。


と、いった総評しています。





それでは受賞作品を紹介していきましょう。
まずは入賞作の5句から。




運転中に周囲の状況を把握するのは視覚によってだけではありません。
耳で聴くことも大事。密閉された空間だからといって大音量で音楽を聴くのは控えましょう。
ラジオもそうです。大きさはほどほどに!





お子さんが少しずつ成長して、初めて横断歩道を一人で手を上げて渡ることができたのでしょうか?
微笑ましい光景が目に浮かびますね。こうした子どもたちの安全を守るためにも
ドライバーは安全運転を心がけなければいけません。





クルマに乗る時のシートベルト、自転車に乗る時のヘルメット、
命を守るために大切な2つを上手に川柳に入れ込んだ技はお見事!





スピードを出しすぎているクルマをシニカルな視点で句にしているのが川柳らしいですね。
風刺は川柳の要素の1つですから。





路面が濡れている時の制動距離は、路面が乾いている時の1.5倍とも言われます。
ましてや夜、皆さんもこのシチュエーションでは、いつもよりスピードを落としましょう。


続いては優秀賞2作品と、最優秀賞1作品です。
まずは優秀賞作品を1つ。





「あーちゃんおーちゃんのじぃじ」さんはペーパードライバーで
いつも奥様の運転する車の助手席に座っているそう。
その奥様は”超”がつくほどの安全ドライバー。
制限速度を守るのはもちろん、横断歩道では必ず停まります。
すると、ほとんどの歩行者が会釈をするか軽く手を挙げ、今度は奥様も会釈を返す・・・ 
その光景を助手席から見ていて、こんなふうに人と人とが思いやりを持っていれば
交通事故はなくなるのではないかと思ってこの川柳を作ったそうです。

停まったクルマのドライバーと横断する人のやり取りが、感動的なシーンに思えるそんな一句です。
続いて、もう1つの優秀賞作品。




これは、本当は「びっぐべいびー」さんの父親のことなのだそうですが、
川柳は、一般にわかりやすいように「祖父」で作ったとのことでした。

そのお父様は7月に父が大きな手術をして、それを機会に免許の返納を進めて、
リハビリを兼ねてスニーカーを送ることにした「びっぐべいびー」さん。
これからは歩行者として交通事故に気をつけながら
健康でいてほしいという思いを詠んだとのことでした。


最後に最優秀賞作品。





「栄ちゃん」さんは、最近話題の物価高と自身が日頃から心がけているエコ運転、
2つの言葉を使って句をつくりました。無理な運転をしない、無茶な運転をしない
エコ運転を通して安全運転を心がけるという意味を込めてつくったと話して下さいました。

スピードを出しすぎないエコ運転は、
事故予防にもいいし、ガソリン消費にもいいし、いいことしかありません。





交通安全川柳を皆さんも1句つくってみてはいかがでしょう?
交通安全に対する意識が、より高まることでしょう。