第549回 一時停止違反していませんか?

2025/10/17
令和5年の警察庁「道路交通法違反の取締り状況」によると
取り締まり件数トップは、「一時停止違反」。
2番目に多い「最高速度違反」と比べて1.4倍以上。
交差点での一時停止義務違反は事故の元です。


今回のコメントは、日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会 委員 菰田潔さんにお話を伺い
一時停止を求められている場所での適切な運転をお伝えしました。








一時停止標識は、見通しの悪い交差点に設置されています。
ただし、優先される道路側には設置されません。
標識のデザインは赤い逆三角形のプレートに「止まれ」。
あるいは「止まれ」の下にさらにアルファベットで「STOP」の表示です。

一時停止の標識がある交差点では、完全に止まってから安全確認をします。
停止線がある場所なら、その手前で止まらなければいけません。
多くのドライバーが自分では停止したつもりでも、
徐行で停止線を通過しているケースが多いのが実情。
これは指定場所一時不停止等違反になります。

菰田さんのお話では「”見えないところで止まっても安全確認ができない”という意見も聞かれます。
確かにその通りなのですが、急に見えるところまで出てしまうと危険。
一度停止線手前で止まってから、そろりそろりと前に出て、
必要があればもう一度止まって左右の安全確認をしてから走り出します。
いわゆる多段階停止です」とのことです。





理想的な一時停止をしなかった場合、事故の危険は高まります。
横から来る車に対して突然目の前に飛び出すことになるので衝突の可能性。
自転車やランニングしている人に対しても危険を及ぼします。

一時停止標識に配慮しなければいけないのは四輪車だけではありません。
最近、都市部で利用者が激増する電動キックボードも一時停止の標識を守るのが義務。
それは同時に自分の身を守るためでもあります。

また、歩行者側の道に一時停止がある道では、優先道路の車の前に飛び出すことになるので
左右の安全確認をしなければいけません。歩行者も標識を見て歩きましょう。





一時停止標識を目にして、一時停止線のところでピタッと
上手に停まるクルマはスマートでカッコいいという印象を多くの方は持つでしょう。
四輪インストラクターでもある菰田さんによると
そのコツは、最近の車はボンネットが見えにくく、車の先端がどこかわかりにくいので
ドアミラーの下あたりに停止線の延長線が見える位置に止めるイメージ。
いつもこれを目安に止めるのではなく、車両間隔をこれで養いましょう。
セダン、SUV、ワンボックスとドライバーのアイポイントの高さが異なりますから、
外から見てもらって、前を線にぴったり合わせてから、
線の延長線がどこに来るか見えながら確認しておくことが練習になります。





最後に、踏切以外の一時停止義務違反の罰則は、
普通車の場合は違反点数2点と反則金7,000円です。

一時停止標識があった時は、停止すればいいという気持ちではなく、
安全に停止をして、事故を招かないようにしましょう。