第551回 専用通行帯と優先通行帯

2025/10/31
ともに自動車教習所で習うことですが、
「専用通行帯」と「優先通行帯」がどんなレーンを意味するのか把握していますか?
よく覚えていない、あるいはきちんと理解していないと
知らず知らずのうちに交通ルールに違反しているかもしれません。
交通事故にも繋がってしまうのできちんと認識しておきましょう。





今回のコメンテーター モータリングライター 藤田竜太さんによると
専用通行帯は、原則として標識や道路表示で“専用”と記されている
特定の車両しか走ってはいけないレーンのことです。

いくつか種類があって、最もメジャーなのはバス専用通行帯。
その他に自動二輪専用通行帯、バス・タクシー・二輪 専用通行帯、
普通自転車専用通行帯などの種類があります。

通常、道路の一番左の車線である第一通行帯が専用通行帯に指定されているので
そのレーンは指定された車両と小型特殊自動車、原動機付自転車、
及び、軽車両以外の車は通行できません。





例外的に専用通行帯を走行することができる
小型特殊自動車・原動機付自転車・軽車両について記しておきましょう。


【小型特殊自動車】

主に農業や工事現場などで使われる
全長4.7m以下、全幅1.7m以下、最高時速15km以下の車両。


【原動機付自転車】 

排気量50cc以下のガソリンエンジン搭載車、
または定格出力0.60kW以下の電動機搭載車が該当。
道路交通法上の「自転車」とは異なります。


【軽車両】 
エンジンやモータなどの動力を持たない車両。
自転車、人力車、馬車などがこれに当たります。

また、本来走行してはいけない車両にも、
例外的に通行が認められるシーンがあります。
右左折をする時、工事などでやむを得ない時、緊急車両に道を譲る時などです。





本来走ってはいけない車両が専用通行帯を利用すると、
その存在は見落とされがちになります。
特に他のレーンから専用通行帯に車線変更しようとした時、
専用通行帯側の車は一般車が入ってくることを想定していないので
追突されるリスクは高まります。

また、最もメジャーなバス専用通行帯であれば、バスは停留所に停車する際、
後ろに一般車がいても、前述のように意識せずに止まろうとするので、追突の危険があります。

自動二輪や自転車の専用通行帯でも、
そもそも前提として走ってはいけない一般車両が走ることで
接触事故などが通常よりも起きやすい状況になることが想像されます。

そして、専用通行帯を指定された車両以外が走行した場合は、
通行帯違反となって反則点が1、普通車は罰金6千円が課せられます。
 




続いて優先通行帯について。
優先通行帯は、藤田竜太さん曰く、電車で言えばシルバーシートのようなもの。
誰でも原則として利用することができますが、優先順位が決まっています。
優先権のある車両、例えば最も多いと考えられるバス優先通行帯であれば、
路線バスが近づいてきたなら速やかに道を譲らなければいけません。





優先通行帯を走行中に優先車両が近づいてきた時のスマートな道路の譲り方。
まずウィンカーを出して車線を譲る意思があることを周囲に知らせます。
そして、バックミラーで後方をよく確認して
隣の車線の車と同等以上の速度に持っていき、
ハンドルをゆっくり少しずつ切って車線を変更しましょう。

優先車両の接近に気づくのが遅れ、慌てて車線を移ろうとして急ハンドルを切ったり
側方の車と接触してしまう危険が考えられますので、ふだん以上に後方に気を配り、
余裕を持って行動することが大切です。
反対に後ろを気にしすぎると前方不注意となり、追突事故を起こすリスクが出てくるので
それにも注意を払ってください。





まずは専用通行帯と優先通行帯の認識をしっかり持ちましょう。
その上で専用通行帯は、該当車両でなければ利用しない。
優先通行帯」は、走行するのであれば、優先車両の存在に気をつける。
道路を譲る時は、追突・接触事故を起こさないよう“慎重”を心がけること。
今回の情報も日々の運転に活かして安全ドライブを続けて下さい。