第582回 雨で起こる2つの危険な現象

2026/06/05
そろそろ梅雨入り。
雨の日は、視界の悪さと道路が滑ることで、交通事故が増えますが、
知っておきたい2つの危険な現象があります。
事故を招かないため、その予防と対策を、知っておきましょう。





1つは、主に雨の高速道路で起こる「ハイドロプレーニング現象」です。
今回のコメンテーター モータリング・ライターの藤田 竜太さんによると
これは濡れた路面を走行している時に、タイヤの接地面と路面の間に水の膜ができて、
タイヤが道路上から浮いたような状態になる現象を言います。

タイヤが接地できなくなるため、ハンドルやブレーキ、アクセルを操作しても
車の動きに反映されず、とても危険な状態。タイヤ表面には溝があり、
その溝が路面の水を排出することで接地性を確保しているのですが
排水能力を超えるシチュエーションになると、水がタイヤの溝から溢れて
タイヤが水の上に浮き上がってしまった状態になってしまうというメカニズムです。





高速道路では、かなりのスピードなので、コントロールが効かなくなるのは本当に危険。
タイヤの摩耗やコンディションにもよりますが
時速80kmから90kmでハイドロプレーニング現象が発生する可能性があります。
その結果、起こり得るのがスピンして壁や中央分離帯や他の車への衝突事故。


対策として、何より大切なのはスピードを控えること。
轍や深い水たまりは避けて走行すること。
タイヤの排水性能はタイヤの溝の深さで決まるので、常に5分山以上のタイヤを履くのも重要。
日本は3日に1度は雨とも言われるので、ウエット性能に優れたタイヤも選びたいものです。
最後に空気圧。ハイドロプレーニング現象の発生限界速度はタイヤの空気圧に比例するので
月に1度は空気圧を点検し、メーカー指定空気圧を基準として0.2キロ高めに調整しておくと安心です。

運転中にハイドロプレーニング現象が起きてしまうと何も出来ません。
アクセルから足を離さず、ハンドルはそのままに、
自然に速度が落ちてタイヤのグリップが回復するのを待ちます。
焦ってハンドルを切ったり、急ブレーキをかけたりするのが最も危険。
アクセルから足を離してしまうのもNGです。
タイヤが水に浮くと駆動力が伝わらなくなり、速度が急速に落ちて、数秒でグリップが回復します。





もう1つの危険なことは、雨の日に起こりやすい「蒸発現象」。
これは、夜間の対向車と自分の車のヘッドライトの光が交差して重複した時に
2つのクルマの間の歩行者や障害物がドライバーの視界から突然消えたように見えなくなる現象です。

横断歩道ではないところを横断している歩行者や、
右折の時に横断歩道を渡っている歩行者を轢いてしまう危険があります。

ヘッドライトの明かりが重なると部分的に光が強まるので
目がまぶしさを感じて、光が当たっている部分にあるものが見えなくなることが原因。
特に雨の夜は、路面の光が乱反射し、視界が悪化するために発生しやすいようです。





蒸発現象は人間の目の仕組み上、避けられないもの。
横断歩道や交差点の手前で対向車のライトとすれ違う際は
光で見えないだけで歩行者がいるかもしれないと予測して
速度を控えめにして用心しながら通過するようにしましょう。
蒸発現象の存在を知ったうえで、見えない人がいるかもしれないという前提で
ハンドルを握ることが事故を防ぐことにつながります。

ハイドロプレーニング現象と蒸発現象。
これからのシーズン、注意して下さい。