SCHOOL OF LOCK!April 2017 予習ノート-Preparation note-

TEXT by ダンガリー

TEXT by
ダンガリー
今から7年前の2010年。俗にいうアイドル戦国時代。
AKB48に代表される“今、会いにいけるアイドル”が主流となり、全国にそのシステムを導入した地方アイドル、地下アイドルが爆発的に生まれた。
この2010年に、ひときわ鋭さを持ったあるアイドルが活動を始める。それが、地下からメジャーのアイドルシーンをもの凄いスピードで駆け抜け、2014年に惜しまれつつもいったんその軌道を止めた、BiSだ。

BiSは、何でも有りのグループで、AKB48に代表される王道のアイドルとは真逆を貫いたアイドル。ほとんどのアイドルが清楚や清純さを売りにし、コンセプトも似たり寄ったり。
その中で、BiSはこれまでのアイドル像、常識をぶっ壊していった。
ライブではスクール水着でメンバーが客席にダイブしたり、ファンとハグでチェキを撮る。
PVはインパクト重視の企画性が盛り込まれるなど、楽曲、イベント含め、全てでとがり続けたBiSが口コミで広がり、マスコミが嗅ぎつけ、地下アイドルからたった2年半でメジャーまでのし上がっていった。

そのBiSが、横浜アリーナで解散ライブを行った翌年。
BiS のプロデューサーが2015年に結成したグループが、BiSHだ。
ここで一つ、BiSの流れを引き継ぐ、MUSIC VIDEOを見て欲しい。
BiSHのオーディションを受けたメンバーの中には、過去に正統派アイドルのオーディションを受けたメンバーもいる。
そんな彼女たちが、このMVだけに限らず、イベントでも楽曲でもライブでもBiS同様、最初からアイドル像をぶっ壊し続けていく。
“ここまでしても売れたい”そんな強い意志と覚悟をBiSHから感じるからこそ、一気に多くの人を惹きつけていったんだろう。

そのBiSHが、メジャーの舞台に立ったのは、結成からたった1年後の2016年。
“楽器を持たないパンクバンド”として活動を始める。

BiSの音楽はアイドルファン以外にも評価が高かった。ただ、BiSHはここからBiSとは違う道へ。
その音楽性と他のアーティストからの評価も高いハスキーボイスを持つアイナ・ジ・エンドのボーカル。
BiSでもない、アイドルでもない、バンドでもない、どんなアーティストとも違う新たな世界へと進み始めていったように思う。“夢を追うために”

そんな彼女たちの主戦場は、まぎれもなくライブ。
努力や失敗や後悔、過去が凝縮される彼女たちのステージングにこそ、今の魅力が詰まっていると思う。
表情や歌声、ダンスパフォーマンスから、彼女たちのこれまでの日々を是非、ひも解いてほしい。
BiSHは今もなお、新しい道へと進み続ける“異端なアーティスト”だ。

ダンガリー

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