SCHOOL OF LOCK! MIRAI SHINBUN 2016
去年の未来新聞に記事を掲載していただきました、きんぐぷーるです。3年間お世話になった高校の校舎は今はもうありません。面影はなく、今は大きなグラウンドの一角になっています。そして、新しい校舎が完成し、後輩たちは木の匂いのする新しい校舎で過ごしています。卒業してから何度も高校に足を運びました。
3年間過ごした学校だけど、正直自分たちがここで学んできたという実感が湧かないことがほとんどでした。仮設校舎という不便な校舎だったけれど、とっても大好きな場所でした。今、私は東京で一人暮らしをしています。東京はとても便利で何不自由のない生活を送っています。福島にいるときは毎日新聞で震災から前に歩んでいる人々の姿、福島・東北の今を知ることができていました。でも今はそれができなくて、地元のことを思う気持ちは変わらないけれど、どこか遠くへいってしまっているような気持ちにもなっています。
周りの友達の中には、震災のことについてたくさん聞いてくれる人もいましたが、地震があっても平然としている人が多くて、まだまだ地震の恐怖、恐ろしさが伝わっていないと感じました。そして東北・福島・震災のことも知られていないことがたくさんあるのだとも感じています。地元を離れて一年。震災から5年。今の私の役目は「伝える」ことだと思っています。震災のことや、防災について、震災を経験したからこそ伝えることができることをまずは周りの友達に伝えていきたいと思います。
そして、将来は福島に戻って小学校の先生として子供たちに命の大切さ、当たり前に毎日を過ごすことがいかに貴重なことなのかということなどたくさんのことを伝えて、一人一人の子供たちに寄り添うことのできる先生になりたいです。そのためにも今は東京で勉強を頑張って一生懸命毎日を過ごしていきます。
写真は仮設校舎があった場所を撮ったものです。
RN きんぐぷーる 東京都 19歳