ON AIR BLOG

毎日新聞 PRESENTS NEWS CONNECTION。

ON AIR BLOG / 2017.03.01 update


今日のテーマは「小池旋風吹き荒れる東京都議選」について。
毎日新聞 政治部編集委員 平田崇浩さんに解説していただきました。

Q きょうのテーマは「東京都議選で小池新党は過半数をとれるのか」です。
A 東京都の小池百合子知事が率いる政治団体「都民ファーストの会」。事実上の「小池新党」。現在、都議のメンバーは5人。前回都議選ではみんなの党や自民党で当選した人たち。

Q 都議選の投票日は7月2日。まだ4カ月も先ですが。
A 小池さんは、都民ファーストの会と、公明党などの小池都政を支持する勢力と合わせて都議会定数127の過半数、つまり64以上を確保したいと言っていたが、2月5日の千代田区長選で、小池さんが支援した現職が自民党推薦候補の3倍以上の得票で大勝。都民からの支持の強さに自信を持った小池さんは、都民ファーストの会だけで過半数を狙うと目標を引き上げた。

Q 今、5議席しかない。一気に64議席以上に増やせるのか。
A 都民ファーストの会の都議選候補者はまだほとんど決まっていないが、「小池新党」の候補者がどれくらい当選しそうか、各党が独自に調査している。その結果から各党が分析した選挙情勢は、小池新党が一気に第1党に躍り出て過半数も狙えるのではないかと。

Q 小池新党がそんなに議席をとると、自民党はどうなる?
A 各党の情勢分析で共通しているのは、前回都議選で59議席、ダントツの第1党だった自民党が半分以下に減らす惨敗もあり得ると。小池さんは「東京大改革」を掲げて、自民党は抵抗勢力だと印象づけることに成功。「都議会のドン」と言われた内田茂都議は千代田区長選敗北の責任をとって引退する。ただ、このままの情勢で選挙になれば、負けるのは自民党だけではない。

Q というと?
A FM大阪のリスナーの皆さんにはわかりやすいたとえ話。橋下徹さん率いる「大阪維新の会」が登場した2011年の大阪府議選で維新は一気に過半数を獲得。自民党は大敗したが、自民党よりひどい負け方をしたのが当時、国政で政権を持っていた民主党だった。民主党はその後、急速に大阪で支持を失い、現在、大阪府議会の民進党府議はわずか1人。

Q 今度の都議選でも民進党は自民党より負ける?
A 民主党が政権を取る直前の2009年都議選で民主党は54議席で第1党。それが前回都議選では15議席に減り、民進党として臨む今回は1ケタに落ち込むのではないかとささやかれている。民進党は小池都政を支持すると宣言して、都議会の会派名から「民進」を外して「東京改革議員団」を名乗って小池さんにすり寄っているが、「小池対自民」の対決構図の中に埋没しかねない。同じように小池都政を支持する公明党は創価学会に支えられた組織力で公認候補23人全員の当選を目指していて、民進党は危機感を強めている。

Q 本当にそういう選挙結果になれば、小池都政は盤石ですね。
A まだまだこれから何があるかわからないが、「小池人気」が盛り上がっているのは確か。安倍内閣の支持率も高く、民進党の党勢が低迷する中、安倍首相は衆院解散・総選挙の時期を探っているが、都議選でどこまで「小池旋風」が吹き荒れるのかを見極めることになりそう。小池さんと石原元都知事の対決もあって、小池都政からは目が離せないですね。

Page TOP