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ON AIR BLOG / 2017.10.25 update

今日のトピックスは「月の地下に巨大な空洞が発見されたという話。」 このコーナー、サイエンスニュース担当 毎日新聞専門編集委員、青野由利さんに解説して頂きました。先週、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表したんですが、深さが数10m〜数100mのところに、全長約50キロにも及ぶ空洞があることがわかった、というんです。



Q:それは月のどのあたり?
A:ウサギの餅つきにも例えられる、月の表側の黒っぽい部分がありますが、その西側、「マリウスの丘」と呼ばれる場所です。ウサギでいうと、腰の辺り、といった感じ。

Q:どうやって発見したのでしょう?
A:日本の月探査機「かぐや」って、聞いたことありませんか?「かぐや」は、JAXAが2007年9月に打ち上げた月探査機で、月の周りを回る軌道に投入されて、さまざまな観測を行い、2009年6月に月の表側に落下させて、ミッションを終えています。今回の発見は、「かぐや」がかつて観測したデータからわかったものですが、実は、そのきっかけは、2009年にさかのぼります。このころ、「かぐや」の画像データから、この「マリウスの丘」に、直径50メートル、深さ50メートルの縦穴があることがわかりました。この縦穴は、溶岩が流れ出した後にできる空洞(溶岩チューブ)の上に開いている穴だと考えられました。

Q:溶岩ということは、火山があったということ?
A:月では、10億年ぐらい前まで、活発な火山活動があって、その結果、地下に溶岩の通り道ができたと考えられています。「マリウスの丘」は、火山が集まってできた、火山地帯なんだそうです。こうした地下洞窟の存在は、アメリカのアポロ計画のころから、あるんじゃないかと言われていましたが、これまで証拠がありませんでした。

Q:今回は、その証拠が見つかった?
A:「かぐや」は、「月レーダサウンダー」という、特別な電波観測装置を積んでいたんですが、そのデータをさらに詳しく分析した結果、この縦穴から西に50キロも伸びた巨大な空洞が広がっていることがわかったんです。

Q:巨大な空洞、何かに使える?
A:月面基地に使えるんじゃないかと言われています。月の表面は、強い放射線が降り注いでいるし、小さな隕石が飛んでくる可能性もあって、人体には危険ですが、地下洞窟に基地を作れば、安全かも。


月って地球に一番近いのにまだまだ解明されない事ばかり。 今回の空洞の発見によって月面基地の構想がリアルになったらワクワクします。漫画の宇宙兄弟みたいな話です!

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