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ON AIR BLOG / 2012.05.02 update
今日は初登場!ヨーロッパにお務めになられていたという
毎日新聞外信部、笠原敏彦さんにお越しいただきました。



今日のテーマは「フランス大統領選」。
今週行われるフランス大統領選決戦投票には
国際社会の注目が集まっています。
選挙の結果は、フランスの今後だけでなく、
国際社会に大きな影響を与える可能性があるから。

・・・と言うのも、世界経済にとって現在の最大の
不安材料は欧州の財政・金融危機であり、
この大統領選の結果がこの問題の行方に大きな
影響を与えそうだからです。

■選挙では、現職のサルコジ大統領が苦戦を強いられている!?
 ⇒サルコジはまだ1期目ですが、「敗北」を予測する
  声が強まっています。経済危機と個人的な
  キャラの問題が大きいようです。
 
 ⇒ユダヤ人を母に持つハンガリー移民2世のサルコジ氏は
  歴代のフランス大統領に比べて異色の存在。
  サルコジ氏は思想的にも歴代大統領に比べて異質で、
  「平等」や「伝統」を重んじる「フランス 的価値観」から距離を置いて、
  「米国的」とも言える自由主義的な価値観を尊重。

 ⇒07 年 に当選した際は、「もっと働き、もっと稼ごう」と
  呼びかけるなど、当初はその行動力 が期待されました。
  しかし 失業率は当時の8・5%から今や13%まで悪化、
  国民には失望が広がっています。

 ⇒加えて、大統領としての「品格に欠ける」との批判。
  元トップモデルの夫人との派手な私生活や、
  かつて群衆に向かって「バカ野郎」 「人間のクズ」などと
  罵ったことなどが大きく響いているようです。

■大統領選での政策論争が盛り上がらない中で、
 選挙の最大の争点は「サルコジが好きか嫌いかの問題」
 という評価もあるほどです。優勢にあるオランド候補。
 フランス社会のエリート養成校である
 「国立行政学院(ENA)」出身の、伝統的な意味でのエリートです。

■ヨーロッパでは財政危機の影響で各国で政権交代が続いています。
 ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルで政権交代が起きました。
 最近では、オランダでも政権が崩壊。聞こえてくるのは、
 緊縮財政はもううんざりだ」という国民の声です。

 ⇒欧州財政危機の発端と成ったギリシャでは、
  フランス大統領選と同じ6日に総選挙が実施される予定で、
  その結果次第では再び混乱に陥りかねません。欧州経済が混迷すれば、
  日本の経済再建にも大きな逆風となります。
  今後も欧州情勢を注意深く見守っていく必要があるといえるでしょう。

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